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OISTにバーはあるか?

Abstract

OIST(沖縄科学技術大学院大学)とは、沖縄県恩納村にある私立大学である。先日、Twitter(現X)上で「OISTの宿舎にはバーがある」というツイートが話題となった。本記事では、このツイートに対する反応を簡潔にまとめ、またこれが正確な情報であるのか検証する。このツイートの宿舎とはゲストハウスを指し、バーは日常的に営業しているのではなく週末に行われるイベントの一部である。


Introduction

OIST(沖縄科学技術大学院大学)とは、沖縄県国頭郡恩納村にキャンパスを構える内閣府直轄の大学院大学である。
オイストと呼ばれる。オイストの中の人はオイスターである。

OISTはその特殊な建築や設置の経緯、予算の出所などが理由となって、たびたびTwitter(現X)の大学関係者間で話題となる。

しかしながら、話題となるツイートの発信者の多くがビジター(学会参加者・セミナー講演者など)であることから、その情報の正確性に疑問符がつくことがある。

本記事では、そういったTwitter上で話題となったものの不正確といえる情報に対して、現役学生である筆者から見たOISTの実際について述べる。

OISTにバーある問題とは

先日、Twitter上で「OISTの宿舎にはバーがある(以下略)」という文言とともに2枚の画像が添付されたツイートが話題となった。

勝手にツイートのリンクを貼ったり、画像を使用したりすると怒られる可能性があるため言葉での説明とするが、
1枚目の画像はバーカウンターのようなところでお客さんと店員風の2人が向かい合ってお酒を注文している写真、
2枚目の写真は食べ物と飲み物が置かれた机の周りに人が集まり立食パーティーをしているような雰囲気の写真である。

このツイートに対して、筆者の観測範囲では、以下のような反応があった。

  • 羨ましい、行ってみたいなどの好意的な反応

  • なぜこんなにも国立大と予算の差があるのかという疑問→このツイートを契機にOISTが内閣府直轄の私立大学であることや予算のほとんどが沖縄振興予算から来ていることを話題とした反応が増える

  • 大学にバーが必要なのかという疑問→このツイートがきっかけかは曖昧だが、OISTは僻地にあるからしょうがないとか、海外の大学にもバーがあるところはあるというような擁護するツイートが出始める

  • このツイートに直接リプライ・引用ツイートをするわけではなく、「OISTにはバーがあるとのことだが…」というようなOISTにバーがある前提のツイートも出始める

では実際にOISTにバーがあるかいうと…

あると言おうと思えば言えるかもしれないが、たぶんみんなが思ってるやつではない。

なんとも歯切れが悪い。
しかしそう言わざるを得ない。

まず先ほどのツイートとそれに対する反応を見るに、誤解を生んでいるポイントがいくつかある。

一つは「OISTの宿舎」という点について。

宿舎というと、大学や研究所の訪問者が短期間滞在するための宿泊施設(ゲストハウス)と、公務員宿舎のように職員のための住宅(寮や社宅)の2つの意味で使われることが多いのではないだろうか。

画像に写っている場所はシーサイドハウスというOISTのゲストハウスなので、件のツイートでは前者の意味で使ったようだ。
しかし、ツイートに対する反応では後者の意味で受け取った方が多々いるようである。

シーサイドハウスはOISTのメインキャンパスから約1.5km離れた場所にあり、徒歩だと約30分かかる。
したがって、「OISTのメインキャンパス内」もしくは「OISTの学生寮」にバーがあるわけではない。

2つ目は「バーがある」という点について。

シーサイドハウスの2階にはシーサイドラウンジと呼ばれるコミュニティスペースがあり、OISTの職員・学生は予約をすれば誰でも借りることができる。

そこにはバーカウンターがあるが、日常的にバーを営業しているわけではない
この「バーがある」という表現が、「バーのような雰囲気の施設がある」という意味ならイエスと言えるが、「お酒を提供する店舗が営業している」という意味だとノーとなる。

シーサイドハウスでは、毎週金曜日に有志の研究員・学生によって、クイズ大会やゲーム大会などのイベントが企画されており、バーカウンターはその際に使用されているようである。(なお筆者は陰キャなので行ったことはない)

画像に写っている店員風の人も、OISTの研究員か学生と思われる。

お酒の値段がかなり控えめなのは、カンパを募って仕入れたお酒を原価に近い値段で提供しているからだろう(これは推測)。

上記の事実を踏まえて件のツイートを補足すると以下のようになる。

OISTの宿舎(=メインキャンパスから約1.5km離れた場所にあるゲストハウス)にはバー(カウンターがあり、週末にイベントが行われる際に有志の職員・学生によってバーみたいなことが行われていること)がある

Conclusion

この記事では、「OISTの宿舎にバーがある」というツイートを発端とした一連の反応についてまとめ、またその説明をOISTの実状を踏まえ補足した。

バーカウンターがあるのはメインキャンパスから離れたゲストハウスであるし、ツイートで取り上げられたバーは日常的に営業されてるようなものではなく、有志の職員・学生がイベントとして行なっているものである。

本記事によって、OISTのバーを楽しみしてくるゲストや新入生が減ることが予想される。
本記事の成果によって、今後OISTの評価が変化することは全く期待されない。

Contribution

本記事の構成・執筆・編集は全て筆者が担当した。

Acknowledgment

筆者は本記事を最後まで読んでくれた暇な方に感謝します。
筆者は本記事を書くにあたり、OISTを含め特にどこからも助成を受けていませんが、とりあえずOISTに感謝します。

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