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セキララに。

ちょうど一年前、パートナーの三浦くんと鎌倉のとあるカフェで将来の話をしました。

その時には私は退職が決まり、自由になるような、なんでも出来るような気持ち、
はたまたどう生活費を得ようかと不安な気持ち、自分を信じられない気持ち、
たくさんの感情が胸のあたりで絡まり合い、固体化し、みぞおちへ静かに静かに沈殿していくような感覚でした。

鎌倉は、私にとって最も自然体でいることのできる土地です。
山の緑、小川の音、野菜に付着する水滴、朱色の鳥居、広がる海、冷たい星空、
自然と呼吸のペースが深く、丁寧になります。

その時に、生きている喜びを噛み締め、幸せな気持ちになります。

私にとって鎌倉で自然体に近づくことは、大切なことのようです。
そんな鎌倉で私が一年前に考えたことは、今に少し繋がっています。


さて、少し肩の力を抜いて書いてみます。

一年前の私は、「自分の強みを伸ばす」「夢中になれる対象」そんなものを見つけることに気づかないうちに囚われていました。
(当時の心境を仕事旅行社さんに記事として掲載いただきました▽
https://www.shigoto-ryokou.com/adm/news/detail_h.html?nid=421&burl=https%3A%2F%2Fwww.shigoto-ryokou.com%2Fadm%2Fnews%2F)

「好きなこと」「やりたいこと」「何者かになりたい」
いや、ならなければ自信が持てない、
強みだって人と比べてしまえばどれも大したことはなく、自信を喪失してしまう。

”LIFE SHIFT”や”人生100年時代”という概念が生まれ、私たちはより、目標や好きなことを探すことを意識しはじめていると思います。

お金を得る方法も多様化しています。
働き方も、パートナーシップも、価値観が多様化しています。

選べる時代だからこそ、何かを選んだ時に心配になってしまう。
情報が多過ぎて、何を信じていいのか分からない。

私は知らぬ間に、不特定多数の「社会」から認められるような生き方をしていました。
当時 一番人気のあった明治大学へ入学し、カナダで英語を学び、社長秘書としてファーストキャリアを積む、三年間は正社員で頑張る。
大した経歴ではないけれど、会社に就職や転職がしやすい経歴を頑張って積み重ねました。

生きやすくなるために頑張ってきたのでしょうか。

それは誰にとっての生きやすさか分からず、皆が信じて成り立っている「常識ある社会人」に自分を合わせていくほどに、少なくとも私は生き辛くなっていきました。

人の期待に応えたり、周りの顔色ばかりを意識し、自分が何が好きで心地よく感じるのかさえ分からなくなっていました。

そんな凝り固まってしまった感覚をほぐす時間をつくったのが、
ちょうど一年前のこと、鎌倉でのことでした。

「もしなんでもできるなら、なにがしたい?」
パートナーの三浦くんは、私の夢物語に三時間くらい付き合ってくれました。
今でも私は真っ青なコートのポッケに手を突っ込みながら、鶴岡八幡宮の近くのカフェで話をしたことを覚えています。

私は世界の歴史や物語が好き。
写真を撮ることも好き。
歴史や物語、哲学の流れをひいたジュエリーをつくってみたい。
世界中の物語をジュエリーを巻き込みながらつくりたいな。
ディスプレイも美術館みたいにする。
空間に興味があるから、空間デザインもしてる。
白黒の写真の下にジュエリーケースがあって、横には歴史や物語が書いてある。

実現可能か不可能かっていうことは考えず、ただ心に浮かぶことを、頭の映像を自分の言葉で話す。

その後、Creator Jewelry や Vintage Jewelryを販売する仕事を 9月下旬からはじめ(来月いっぱいで退社予定)、来年 4月からは桑沢デザイン研究所で空間デザイン(夜間)の勉強をします。

巡礼を終えてから、直感や違和感を無視しないように過ごしています。
感覚に正直になる分、新しい環境や職場でやりにくさもありました。
孤独感も募りました。パワーが弱まり、表現やイマジネーションが枯れました。
(誰のせいでもない。私が職場の環境やコミュニケーションに合わなかった。)

そのタイミングでまた、鎌倉で時間をとろうと思っています。

フリーランスとして独立したての彼が、本当にお金がなかった姿を見てきた私には、今もどこかで”私が安定した収入を得なければ”という焦りがあります。
引越しをするにも、旅費も私が仮払いをし、クレジットカードも私頼りでした。
デートをするにも”お金がないだろうな”と気を遣い、遠慮や我慢をしました。
私に「自由になってほしい」「やりたいことをしてほしい」そう言ってくれることはとても嬉しい反面、生活費がいつまでも頼れない彼の収入に苦しさを覚えたことも多々あります(「お金稼いでよ!!!」とキレたこともあります 笑)。

しかし現状お金がなくても彼と一緒に過ごしたい、つくりたい、
試行錯誤しながら 私たちらしいパートナーシップを築くことが私には楽しいし好きなんだ、と思ってやってきました。実際 彼といるのは楽しいです。

そのなかで、新しい職場での正社員のチャンスを手放し、自分に正直に生きようとすることは簡単なことではありませんでした。
「私が我慢すればいい」またそのスパイラルに入りそうになりました。

年を越す前に、自分自身の今の違和感や疲れ、それを認知しどう生きていくかを観る場をつくります。

将来的に大好きな鎌倉で、ひとが自ら心地よく選択して生きれるような場を鎌倉の自然の力を借りつつ つくっていきたいと思っています。



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