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Time Heals All Wounds. 2012年の回想

無意識的な笑顔をもう、取り戻せないかもしれない
あれから 6年の歳月が経つ。

Time heals all wounds.
私が思わず泣き顔になる度に、歳上のあなたは口癖のように、
それは自らを諭すように、
その言葉は誰に向けられていたのだろう。


5年以上の歳月が経ち、
そう、私はあなたを想うことがほとんどなくなってしまった。

それは、あなたを想うことなのか、
それともあなたを想う私になることなのか、
いまでもあなたを想うときは主体がどこにあるのかわからなくなる。

言語が違ったこと、
細やかな感情を伝えられない私の力不足からの激しい苛立ち、
自分でも驚くほどに収まりきらない無音の叫びに似た自己愛の快感と苦しみ、
恐ろしいほどに狭まっていく解釈、
考えないために走ることを単調に狂ったように繰り返した日々、
私は多分、あのときに死んだ。
一刻も早く波一つ立たぬ平面的で息苦しさを通り越した単調なプールに半ば悦びながら身を投じた。
そう、死ぬことを納得できる日が等々来たのだ!

四六時中、罪の意識と後悔と、そしてあなたの存在を通じて自分の欲求が満たされる状態を求め続けていた。
時間を生きていなかった。息を吸って生きていなかった。
ハッピーエンドの物語は私をより惨めな気持ちにし、全部捨てた。

今にも泣き出しそうな、あるいは泣くことすら意味がないと一切の感情を宿さない青白く瞳のない顔つきの私がいた。

お元気にしていますか、あなたと私の境界線をなくしてただただ愛することを、
実は誰にも言えないくらいに勇敢に立派に虚しさという剣を笑顔で振り回し、
大やけどを負って自分を刺している痛みすら認識できない程充実していた当時の私。

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