僕と「おらが冬」の話。

こんにちは。あるいはこんばんは。お笑いサークルDAUT3年のがむしゃら太郎です。

人生史において、noteを書くのは授業以来2回目(初めて書いたのはトー横界隈の現状に関して)なのですが、がむしゃら太郎としては初めて書かせていただきます。

前からみんながnoteに色々書いてるの、いいなーって思って見ていたのですが中々始めるタイミングが見つからず、こんな時期になってしいました。

まあ、今回書くきっかけになったのはそう。

YAMABAですよね。

もうね、本当に面白い大会だったんですよ。
七大学が自分たちの1年間をぶつけて、お互いを研鑽し合う。こんな素晴らしい大会に参加できたこと、準備してくださった運営の皆様、完璧な裏方の皆様、本当に感謝です。
全ての出会いに感謝した1日でした。

僕は、ピンとアブノーマルハビッツというコンビで出場をしました。結果的に、ピンは敗退しましたが、コンビでは本戦通過。また、多くのお褒めの言葉をいただくことができました。最高に嬉しかったです。

もちろん、相方のワジちゃんには感謝してます。
僕のネタ書きのスピードが異様に遅い(今回も2日前にネタができました。)のにも文句を言わず、細かい調整にもしっかり対応してくれてありがとうしかないんです。

ただ、僕が今回、M-1からYAMABAまでお笑いに本気になれたのは、『おらが冬』と出会えたからかなと思っています。特に、ツッコミの遠藤くんとの出会いが、僕を変えました。

おらが冬って?

おらが冬(昔はおらが春だった気がします。)は、東北学院大学お笑いサークルみちのくの一年生コンビです。

ボケの太田くん、ツッコミの遠藤くんで構成されてます。スタイルとしてはとにかく熱量。熱いしゃべくり漫才を主軸としています。(昔は大喜利系のネタもやってた気がします。)

太田くんのいかにも怖いボケをいいそうなオーラと声、目のギラギラ感、表情の切り替えの上手さ。
遠藤くんの常にイライラしてそうなツッコミなのに聞いていて不快じゃない言い回し、言葉のテンポの良さ、そして目のギラギラ感。

2人ともお笑いが上手な素敵なコンビですよ。
まだ見たことない方は見に行ってみてください。

おらが冬との出会いについて

多分初めて見たのは6月のネタ見せ会だったと思います。その時はまだおらが春だった気がするのですが、ファーストインプレッションは「こいつら怖」だったと思います。
見た目、片方は闇堕ちした柳楽裕也、もう片方は茶髪のヒップホッパーなんですもん。そのイメージが強すぎて、正直ネタは覚えていません。

隣の元太(僕の後輩、坊主です)が「いやツッコミうまいっすねえ」と言っていたのは覚えています。今考えると、その時からオードリーの若林さんのような捲って捲ってのツッコミでしたね。すげえなあ。打ち上げで思い返して、「そういえばボケの子表現力すげえな」って感じていました。

次に会ったのは8月。石巻PR!仙台わいわいライブです。その時のことはよく覚えています。大喜利系の漫才だったかな。明らかに2ヶ月前と違う彼らがそこにいました。切れ味が恐ろしいくらいあがってたんですね。スタイルが一新されていて、こんなこともできるんだ、と思いました。

でも、あまり話しかけにはいけませんでした。普通に怖かったです。目が。2人とも。太田くんはまだ優しそうだったので、面白かったと伝えに行ったかな。

そして、おらが冬になった9月のM-1グランプリ仙台予選。東北お笑いの関係者の方なら存じていると思いますが、おらが冬は爆発しました。

僕もアブノーマルハビッツとして出場していたのですが、確かおらが冬の3個くらい後の出番だったと思います。舞台袖では、緊張している出場者の皆さん。(緊張しますねーと初対面で喋ってたのがダラーマンさんでした。)

そんな中、彼らは会場を爆発させていました。止まらないお客さんの笑いの数。1ヶ月前見た姿とは明らかに違うスタイル。遠藤くんの叫び声と共に鳴り響く拍手笑い。

舞台袖では、「今何が起きてるのかわからないけれど、とにかくとんでもないことが起こっている。ヤバい。」そんな空気だったと思います。「これよりウケなきゃいけないの?」「この盛り上がりを超えられるの?」僕は、そんなことを思いながら出番を待ってました。

結果、おらが冬は一回戦通過。「そりゃそうだろ」といった感じでした。(ちなみにアブノーマルハビッツも一回戦通過しました。やったね。)

これからきっとこのコンビはもっと面白くなる。
とんでもない脅威になる。そんなことを感じながら、帰宅後自宅の玄関でぼーっと考えていたような気がします。

※余談・・・一回戦の楽屋が一緒だったのですが、出場前に太田くんのシャツの襟が見たことない形になっていて、我慢できず声をかけて直してあげました。それがちゃんとした初めての会話です。これが勝負の命運を分けたと、事あるごとに遠藤くんに恩着せがましく話したりします。

解散してから

同じ2回戦進出者として、もっと仲良くなりたいしもっとネタを見たい。そう思ってた頃におらが冬は解散しました。本当にびっくり。

デマかと思って本人達にDMをしたところ、どうやらマジだったのでとてもショックでした。
そもそも、学生お笑いをやり始めて、明確に「解散」と言ったコンビとして初の事例だったので、
あの時は東北学生芸人全員驚いていましたね。

誰にでも起こり得る解散を、あんなに面白かったコンビが…と、とてもショックでした。
しかしショックだったのも束の間、ツッコミの遠藤くんがこんなポストを。

“がむしゃら太郎さん、礼が深すぎてガラケーみたいになりがち。”

https://x.com/gu_ca93/status/1704493256053047322?s=46&t=kZaZ-c7MclIxoq-qLb0cOQ


交通事故起こしたのか、がむしゃら太郎。


マジでショック返せ!!!

本当にそう思いました。「僕のことイジるとしてももっと着眼点あるだろ!」「どういうセンスしてんだよ!」今思い返すと、彼の人となりに興味が出始めたきっかけだったと思います。

そこから、遠藤くんとXのスペースや、わいわいライブで話し始めることが増えてきました。話始めてみると、彼は先輩だろうがもの応じせず、面白いと思ったことをそのまま伝え、とにかくお笑いが大好きな熱い男ということがわかりました。大きい犬が好きなことも。

ちょうどその頃、僕はM-1の2回戦が鬼滑りで終わり、これからどうしようか悩んでた頃でした。そんな時、彼が熱く、一緒にお笑いについて話してくれたことで、少しずつ前を向けるようになっていきました。改めてありがとう。



ソビエトエクスポインロシア

11月ごろ、「ハコヅメ」という山形のカフェで東北の芸人だけのライブをすることが決まりました。地元でやる、学生芸人だけのお笑いライブ。
かましてやりたい。ブチウケてやりたい。そう思うのが男の性ですよね。
でも、相方のワジちゃんは用事があって参加できない。
けど、漫才はやりたい。
そこで声をかけたのは、解散してからウズウズが止まらなそうな彼でした。



この時は遠藤エルビス(仮)でした

遠藤くんですね。すぐオッケーしてくれました。
「確実にウケる。」確かな確証があったので当日までシークレット枠として、ライブにエントリーしました。
「ソビエトエクスポインロシア」結成です。

これまで漫才を2人で台本考えるといったことがなかったので、遠藤くんとのネタ合わせは新鮮かつ面白かったです。3週間くらい、このコンビのネタを作っては合わせてをやりました。リスペクトしている人とネタの意見交換をできるのは自分の力にもなるし、より面白いものを作れそうな気がするんですよね。(GYUTANの佐々木亭さゝきくん、ワジちゃんもそう)

準備万全。ライブ本番、「俺たちが一番面白い」という気合で行きました。
クソ滑りました。
それはもう、想定の10倍くらい。ネタの途中、お互いの瞳孔がくにゃくにゃしてたのを覚えています。今思い出しても、胃酸が逆流しそうです。

ライブ終了後、外で舌打ちを鳴らしまくり、「次は勝つぞ。」「ここで終わらねえぞ。」と激励し合いました。負けを感じてからも目に闘志が宿っているところ。あまり良い表現ではないので言いたくないですが、「一年生なのにすごいな。」と感じましたね。
というかその頃から、「他大学の2個下」ではなく、「気が合う人」と感じるようになりました。多分これからも仲良くいれると思います。

それが12月くらいの出来事で、その後もソビエクとしてわいわいライブやバトルライブのMC、またDATE-1グランプリというエントリーライブにも挑戦しました。

しかし、この頃あたりから2人とも様子がおかしくなってしまいました。

きっかけは二つあり、一つは、各大学選抜バトルライブで予選負けしたこと
、もう一つは、その頃公開されていた「笑いのカイブツ」という映画を見に行ってしまったことですね。

主人公のハガキ職人「ツチヤタカユキ」のお笑いへの向き合い方に心を打たれ、フィクションの影響を受けやすい僕と遠藤くんは、気がつけば「何が面白いんじゃ」「それ面白なんか」が口癖の、イタい大学生になっていました。(たまに「芸人だよ馬鹿野郎」も挟んじゃいます。)

そんなことを言ってる僕たちが、作り上げたネタは『おっきいお尻と何かを戦わせるトーナメント漫才』でした。

本気でウケると思ってそのネタにのめり込んでいたんで怖いですよね。やってる僕たちは楽しかったんですが。結果、そのネタはちょっとウケたけど思ったように上手くいかず、やりきれない感情でぐちゃぐちゃになってしまいました。
何回この悔しい思いを続ければいいんだろう。こんなにも勝ちたいのに。
悔しい夜が続きました。


YAMABAに向けて

2月初めを最後に、一旦ソビエクはチャージ期間を設け、お互いピンでライブに出ることが増えました。
その時の快挙と言ったら、2月12日のタケニスズメTVで、遠藤くんが初出場にも関わらず、昇格したこと。自分のことのように嬉しかったのと同時に、一方で同じく出場した自分が負けてしまった自分が恥ずかしく、お風呂の中で少し泣きました。
だって1,2フィニッシュで決めるって約束したから!!!
結果として3,7フィニッシュじゃねえか馬鹿野郎!!!!!

宮田一郎もこんな気持ちだったのかな。

そして、あのコンビが復活するかもというのをチラッと聞いたのもこの時期でした。

「おらが冬」復活。これに関しては本当に嬉しくて、またあの2人の漫才が見られるという喜びの気持ちと同時に、また戦うことができる。というのが僕に火をつけました。

ぶちのめしたい。一年生とか関係ない。とにかくぶちのめす。
優勝とか関係なしに、おらが冬ともう一回戦いたい。

アブノーマルハビッツと、ピン。二つのうちどこか一個でも並ぶぞ、という気概でYAMABAに向けて準備を始めました。

※余談ですが、おらが冬と同じくらい、サークルの先輩コンビ「愚問天国」にも勝ちたかったです。いつも真っ黒の服着ている高伊さんに白旗振らせてやろうと意気込んでいました。

YAMABA本番

香盤表を見て、震えました。僕のピンは、おらが冬の一個後ろだったのです。「いいのかい神様」と。それが1週間前くらいの話で、急いでピンをおらが冬にも負けないインパクトを残すネタに変えました。
アブノーマルハビッツはガチで獲りにいけるように、ギリギリまでネタを考え、前日にサークル内でネタ見せをして良かったものを用意。

そして迎えた本番。相方のワジちゃんと1時間ほどネタ合わせをし、会場に注いてみれば沢山の学生芸人が。凄まじい光景で、ちょっと立ちくらみしました。

その中に、明らかに目が血走っている男が1人。
やっぱり遠藤くんでした。

「絶対負けないですよ」

そうこなくっちゃ。こちらも負けじと意思表明をしたところで、予選がスタート。香盤三番目だったアブハビは中々いい感じに笑いが起き、ちょっと安心。

予選をゆっくり見て、休憩時間に楽屋に行ってみると、そこにはネタ合わせ中のおらが冬が。M-1の時と同じ衣装だったのですぐわかりました。
以前解散したコンビが、また楽しそうにネタ合わせしているのを見れて、本当に安心しましたし、よりぶちのめしたいと感じましたね。

迎えたおらが冬と僕が出る予選Dブロック。香盤がほぼ同じなので、一緒に舞台裏にいることに。フィクションに影響を受けやすい僕と遠藤くんは、
タケシさながらずっとタップダンスもどきを踊っていました。相方の太田くんは、なぜかセックスのモノマネをしていました。

そして数分のネタ確認を終え、いよいよおらが冬の番に。
やっぱり彼らはすごい。ブランクを感じさせないような熱量のあるしゃべくりと、キレのある毒舌とチョイス。それが不快にならないちょうど良い声。
最後「ぁぁありがとな!!」と言い、彼らは出番を終えました。

かっけえなあ〜

とアホみたいな感想が頭を巡っている中、僕のピンがスタート。
予選負けしているので知らない方だらけだと思いますが、僕は「戦場のメリークリスマスが流れる会場の中で無言でフリップを捲り続けるネタ」を行いました。後悔はしていません。

全予選が終わり、本戦出場の結果を遠藤くんと待ちました。本来、相方のワジちゃんと聞くべきなのですが、彼女は女子同士で固まってたのでその中に飛び込む勇気は僕にはありませんでした。

アナウンスの高伊さんが叫ぶ、「アブノーマルハビッツ」「おらが冬」の二連続の声。僕と遠藤くんは嬉しさのあまり抱きついて喜んでしまいました。

あまり調子が出なかったM-1終わりから、今日まで。
その苛立ちと悔しさを共有してきたもの同士だから。
勝つ、負けるよりも先に嬉しさが勝ってしまったんですよね。

そして本戦、全力でぶつかり合いました。
今思えば、ハイキューのゴミ捨て場の決戦レベルで熱かったですね。
僕は悔いなくぶつかれたと思います。

優勝は山形大学のセカンドの七番さんでしたが、勝つ負けるよりも先に、
おらが冬のおかげでここまで頑張り切れたことが、とにかく嬉しくて。
あの時M-1で爆発したのを見なければ。遠藤くんと沢山の関わりを持てなければ。絶対にこの場には立ててなかったわけですし、走り切れなかったはずです。ここまで熱量を保てたのは、気持ちをぶつけられる相手がいたから。
改めて、本当にありがとう。おらが冬。

終わりに

後日、YAMABAの順位では5位までが発表され、そこにアブノーマルハビッツの文字はありませんでした。しかし、おらが冬は3位!本当におめでとう。
遠藤くんは「3位なわけない」と散々言ってましたが、僕はそうは思いません。今までで一番面白かったです。

これからもおらが冬と様々なライブでぶつかりたいですし、もっとネタを見たいです。お願いだから解散はもうしないでね。

次は負けないからな!!真剣本気(マジガチ)で!!!!

というわけで、ここまで6000文字の長文に付き合ってくださりありがとうございました。6000て。まるでおらが冬の痛ファンじゃん。
まあ、そのくらい僕には影響がありました。もともと、遠藤くんが自分のnoteで色々褒めてくれたので、これは褒め返してやろうとまとめてみたら、
想いが溢れてしまいこのような形になりました。
今後も何かあったら書いてみますので、もしよかったら見てください。
それでは。

あと!!!!!!

そんながむしゃら太郎と、遠藤のコンビ「ソビエトエクスポインロシア」が3月22日のDATE-1グランプリでリベンジマッチを行います!!
気合い入ってるので興味を持った方!ぜひ見にきてください!!
詳細はカフェドルシール公式Xから、ご予約は私まで!!
お願いします!!!

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