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『グーグル、既存のノイキャンイヤホンで心拍数を測れるようにする』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.11.5


■グーグル、既存のノイキャンイヤホンで心拍数を測れるようにする

Google(グーグル)が公式ブログに「Audioplethysmography for cardiac monitoring with hearable devices」と題した記事を公開。
オーディオプレチスモグラフィー(APG)に関する研究レポートで、アクティブ・ノイズ・キャンセリング機能(ANC)を利用してイヤホンやヘッドホンで心拍数を測定できるという内容になっています。

ワイヤレスイヤホンは、一番身近な人間をサイボーグ化するアイテムだと思っています。

ノイズキャンセリング機能で雑音を遮断したり、聞きたい音だけを取り込んだりするなんて、人間の身体能力を磨き込んでも体得するのは難しいでしょう。

加齢や病気などで耳が聞こえにくくなった時も、補聴器の役割を果たします。医療機器ではないので、という注釈はつけなければならないようですが、事実上、とても優秀な補聴器です。

Googleはさらに一歩踏み込んで、心拍数を測れるという研究結果を発表しました。ウェアラブル機器はヘルスケアと相性が良いですね。


脈拍測定から何がわかるの?

脈拍を測定することで、①脈拍の回数(多い、少ない)、②脈拍のリズム〔整(規則的)、不整(不規則)の有無〕、③脈拍の性状(末梢血管抵抗の大きさ、立ち上がりの速さ)、④脈拍の左右差などが確認で き、心臓を中心とした循環器系の異常を早期に発見できます。

脈拍の測定でわかることはいろいろあるそうです。脈拍の左右差がある場合、閉塞性動脈硬化症、大動脈解離が疑われるとされています。

左右の耳にイヤホンを入れて測定するなら、脈拍の左右差も検知できるのでしょうか。大動脈解離は突然起きて命を失う人も多いので、その予兆が検知できるとしたら、脈拍が測定できるノイズキャンセリングイヤホンの技術が直接的に命を救うソリューションになるかもしれません。


ただし、動いちゃダメ

密閉度や音質の高い高額イヤホンである必要もないそうです。また、耳の形や大きさも関係なし。なんと、音楽聴きながらでも検査できるそう。ただし動いたらだめだって。

ノイズキャンセリングイヤホンを耳に入れたまま街中を歩いている最中に不整脈を検知したら病院に通報、なんてことができるのかと思ったら、そうではないようです。

病院などに置いてある血圧計のように、さぁ測るぞ!と腰を落ち着けてしっかり測らなければならないのが現状。日常生活の中で異常を検知するのはスマートウォッチのほうが得意なのかもしれません。


音声ARが充実すればイヤホンを人体に内蔵したい

スマートウォッチと違い、常につけたままでもないし、(ウォッチと比べると)装着時間も短いイヤホン。知らない間にログが取れているとか、心拍変化の通知がきてびっくりなんてことはないかもしれません。

私の場合は腕時計をつける習慣がまったくないうえ、1日10時間以上ラジオやPodcastを聴いているため、イヤホンはほぼつけっぱなしで1日を過ごします。

「常にスマホの情報が耳から入ってくる」と広く捉えて、地図アプリでの道案内や街中のお店の情報などを音声で伝える「音声AR」がもっと充実したらいいのに、と思っています。

もちろん音声だけでなく視覚情報も出るといいんですが、ARグラスは周囲の人からも何を見ているのかが見られるぶん使いにくそうだなと感じます。

オーディオグラスならイヤホンの閉塞感もなくてよさそうです。

ラジオを聴くならイヤホンで完全に周囲の音を遮断してしっかり聞きたいですが、AR情報を耳に伝えるようなコンテンツの場合はオーディオグラスのほうが「肩に乗ったコビトさんが案内してくれる風」でよいかもしれません。

オーディオグラスだと今回の本題の心拍数は測れないわけですが、それならスマートウォッチやスマートリングで健康状態の異常を検知して、オーディオグラスを通じて「ちょっと休んだ方がいいです」と言ってくれるコビトさんがいる、なんて組み合わせもアリです。


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