見出し画像

『ローソン銀行ATM、キャッシュレスの拡大で「現金チャージ」利用15%増の不毛。真のキャッシュレス化を実現するウォレットの分類と仕様とは?』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.1.31

先進テックで未来の生活はもっと良くなる!」と信じて、Web3・AI・ガジェットなどのデイリーニュースから毎日ひとつピックアップしてご紹介しています。

新規ビジネスのアイディアのタネがほしい方、未来を想像してワクワクしたい方、読んでちょっといいなと思った方、ぜひフォロー・高評価よろしくお願いします!


■ローソン銀行ATMはなぜ「現金チャージ」を強化するのか 新紙幣にも対応

ローソン銀行ATMの新型機の導入が始まった。1月22日から一部店舗で導入を開始し、現在は5店舗に設置。試行期間を経て、全国のローソン店舗で順次導入を進める。ローソン銀行は、30日に報道向けの説明会を開催し、ローソンゲートシティ大崎アトリウム店の新型ATMを披露した。

現金、使ってますか?
私自身は現金を使うことを全力で避けています。

EC通販だけでも引きこもって生活できる現代で、ATMで現金を下ろしに行くのは本当に面倒だと感じますし、現金払いは本当に早くなくなってほしいと願っています。

そんな中、ローソンのATMの利用件数は15%も伸びているのだそう。

銀行が支店を次々に閉鎖して、ATMといえばコンビニに行くしかなくなっているという事情もありますが、実はキャッシュレス普及に伴ってATMの需要が高まっているのだそうです。


PayPayの仕様変更の影響か

キャッシュレス決済の進展に伴うATMからアプリへの「現金チャージ」ニーズ。ATMの利用件数は、2019年上期と2023年上期の比較で15%増加しており、その中でもATMチャージが増加。総利用件数の16.4%(2023年9月末時点)がATMでの現金チャージが占めている。

つまり、現金とキャッシュレス決済を“つなぐ”役割として、コンビニATMが使われており、新型ATMはこうしたニーズへの対応を強化したものとなる。

PayPayなどチャージ型のキャッシュレス決済で、現金からチャージする時にコンビニのATMを使うことが、利用回数を大きく押し上げています。

というより、PayPayの仕様変更のせい(おかげ?)で、コンビニATMの利用が増えているのでなないかと邪推してしまいます。

PayPayの仕様変更が相次いでいますが、要するにPayPayの残高チャージで手数料を取られない方法が

・PayPay発行のクレジットカード
・ATMで現金チャージ

の2択になってしまったことが要因ではないかと思います。
(銀行口座から振込でもチャージ手数料はかかりませんが、振り込み手数料がかかるのでここでは除外しています。)

・他社発行のクレジットカード
からのチャージができなくなり、

・ソフトバンクまとめて払いのキャリア決済で2回目以降のチャージ
では2.5%のチャージ手数料がかかるようになりました。

PayPayを便利に使っていた人のうち、クレジットカードを作れない18歳未満の中高生、メインのクレジットカードを変更しない多くの社会人が、もっとも合理的にPayPayチャージをする方法として、コンビニATMでの現金チャージに移行した影響が大きいのではないかと思います。


現金を下ろし、現金でチャージする不毛

PayPayの影響力は凄まじいなと驚くと同時に、コンビニATMでいったん現金を下ろし、その現金をそのままATMに戻してPayPayにチャージするという作業はとても不毛だし滑稽です。

こんなバカげた行為のために現金という「見せ札」が生き残り続けるのはおかしな話。現金がまるでパチンコ屋の特殊景品のように建前だけの存在のように思えます。

PayPayは自社クレジットカードに誘客したいという当然のニーズからの仕様変更ではあるのですが、結果的に現金ニーズが高まってしまうという皮肉的なことが起きています。

こういう非合理的なことは、いつか必ず是正されます。


デジタル円をウォレットで管理が本命

財務省は昨年12月、CBDCに関する第8回目の有識者会議を開催していた。デジタル円は、スマートフォンアプリやカードを用いた決済に使えるデジタル通貨として構想されている。

誰もが、いつでもどこでも日々の買い物などに幅広く使うことができる決済手段で、信用リスクがなく基本的に即時決済が行えるものだとされる。

真にキャッシュレス化するなら、物理的な現金を入口から出口までなくすデジタル円へのシフトが本命です。

人数が最も多い会社勤めのサラリーマンを例に取ると、給与の入金が最初の入り口です。

今は銀行口座に振り込むかたちが大半で、現金を手渡しというケースは稀ですが、将来はウォレットにデジタル円が振り込まれるようになるでしょう。


想定されるウォレットの分類と仕様

ウォレットは以下のようになるんじゃないかと予想します。(あくまでも予想です。)

ウォレットの種類:
個人管理ウォレット、銀行など金融機関が個人・法人向けに用意する銀行ウォレット、そしてクレジットカードやQR決済などキャッシュレス事業者の用意する決済事業者ウォレットの3種類が大まかに存在します。

ウォレットでの決済:
すべてのウォレット間で、基本は手数料なしで決済できます。手数料がかかる場合は保険が付くなど別のメリットとセットです。つまり個人管理ウォレットでも銀行ウォレットでもPayPayのように直接支払いに使えるようになります。

支払うだけなら個人ウォレットでも銀行ウォレットでもよく、決済ウォレットにチャージ(資金移動)するという必要はありません。

各ウォレットごとの特徴:
個人管理ウォレットは自己管理する前提で、各種手数料の類はなくなりますが、パスワード忘れや不正利用に関するサポートがありません。普段持ち歩くサイフのように少額を扱うのに向いています。

法人として個人管理ウォレットを作ったり、個人・法人ともに用途別に複数のウォレットを作ることも可能です。ただしいずれも自己管理が前提です。

銀行ウォレットは管理手数料を取られるかわりに、パスワード忘れのサポートや不正アクセスの防止、不正利用の保険、法人利用の際の複数人での運用などがサポートされます。大きな金額を扱うのに向いています。

決裁事業者ウォレットは、個人管理ウォレットや銀行ウォレットでもできる決済機能に、ポイント還元や広告レコメンドなど付加価値を付けてオトクに買い物ができることを目指したものです。

かわりに決済事業者は決済データを獲得します。

ウォレットの履歴管理:
ウォレット間の資金移動はログとして記録されます。入出金の管理はデジタル化され、帳簿をつける作業の多くは不要になるほか、確定申告と納税作業も労力が相当に削減されます。

納税に関しては経費性の認定や仕分け作業は一定程度残りますが、入出金が透明化されることで、昨今騒がれている裏金問題や脱税などはキャッシュレス化・デジタル円化で起きづらくなります。

扱える通貨の種類:
自国の法定通貨はもちろん、外貨も共通規格のデジタル通貨であれば各種ウォレットで扱えるようになります。暗号資産も管理できるように拡張されるでしょう。

両替や外貨決済:
外貨や暗号資産との両替も、交換業免許事業者が持つ決済事業者ウォレットと接続することでオンラインで完結します。決済のタイミングで自動的に両替を行うサービスも実現されます。

・・・ここまで社会実装されれば、今起きている「PayPayチャージのためにATMで現金を下ろす」という奇妙な作業はなくなります。あくまでも予想・妄想ですが、早くこのくらいのレベルのキャッシュレス化が進んでくれないかなぁと切に願っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?