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『「Google検索は死んでいる」SEO汚染のAIによる加速、人間である証明の重要さ』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.1.18

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■「Google検索は死んでいる」という指摘から得た着想 変容しつつある価値形態

「アフィリエイトリンクと広告で埋め尽くされたSEO最適化されたサイト」ばかりがヒットし、「もはやGoogle検索は不真面目で信用できないものになっている」ということだ。その結果、「検索の際に働くGoogleのAIも入力した内容に対して望ましい結果を出さないことが増えている」と指摘している。
 つまり、広告とSEOが問題である。

無料登録で全文読めるのでぜひ原文を読んでほしいのですが、

生成AIの登場と普及の影響でアフィリエイト目的のボットサイトが大量生産され、Google検索とWebサイトが使えなくなる。
AIは便利だが、同時に「人間である」ということの価値が増し、人間である証明が大事になる。

という要旨の記事です。NFTとFTの関係やWorldCoinの意義など、ブロックチェーン界隈の事前知識がないと難しい内容も含まれますが、Webの制作やマーケティング、SEOなどの仕事をしている人は今読んでおいて間違いない記事だと思います。

既にユーザーは「検索をしなくなっている」「SNSでつながっている人の発言を元に行動する」などネットの使い方を変えていますが、この記事を読むと、AIが生成するコンテンツが増えることで、さらにユーザーの行動の変化は加速するだろうと感じます。

コンテンツがAIボットによって量産される時代において、人間にきちんとコンテンツを届けるために、コンテンツの作り方や掲載するメディアの選び方も変わりそうです。


Google検索のSEOスパム汚染は印象ではなく本当に悪化していることが研究で明らかに

生成AI普及前から多くの人が感じていたこととして、アフィリエイトサイトの乱立でGoogle検索がやりにくくなったことが挙げられます。

ドイツのライプツィヒ大学バウハウス大学ヴァイマルなどの研究チームは、7392個もの製品レビュー用語の検索結果をGoogle・Bing・DuckDuckGoで1年間にわたり追跡し、「Google検索は本当に悪化しているのか?」という疑問を調査しました。

その結果、検索エンジンの結果画面に表示される上位の製品レビューサイトは、SEOに最適化されたアフィリエイト目的のものが多いことが判明。

実際に大学の研究チームが数値で明らかにしてはいますが、検索結果の上位がアフィリエイト記事ばかりだというのは実感しています。

まだ今はアフィリエイト記事を人間が書いていることが多いですし、短時間で理解できる構造化された書き方が「アフィリエイト記事のお作法」として広まっているので、場合によっては情報を得やすくもあるのですが、アフィリエイト報酬額が大きい商品を薦めるために書かれた記事では本当のベストバイを選べないという弊害があります。

そのうえ出来の悪いAIで生成されたボット記事が大量に作られ、上手なSEO対策で上位に来るようになると、Google検索で正しい情報を得ることの効率が圧倒的に下がります。

これが「AIアフィリエイトによるSEO汚染」と「Google検索の死」です。


Web制作会社とSEO業者への打撃

Webサイトで情報を得ることに人々が期待しなくなると、Web制作会社とSEO業者が打撃を受けます。今もその兆候が見えています。

Webはどうせ見ないから「あるだけ」でいい、と考える人もスタートアップ企業では増えているように思います。


インターネット広告への打撃

Googleは広告収益が8割だと言われています。しかしSEO汚染が加速し人々がネット検索をしなくなると、当然広告費は減ります。

「ANA study finds 25% of programmatic ad dollars are wasted」の記事では、米国広告主協会(ANA)の調査結果を紹介している。21社の広告主を対象にした調査で、約25%のお金がMFAに流れている懸念がある。

MFAというのは「Made-for-advertising」つまり広告のために作られたWebページやコンテンツのことです。ここでは主にアフィリエイト記事を指しています。

せっかく払った広告費がMFAなアフィリエイト記事への報酬に使われるならば広告効果が上がらないどころか悪評が立つ可能性もあります。ずっと伸び続けてきたインターネット広告市場は、生成AIでのMFA量産の加速によって転機に立たされるかもしれません。


「コパる」より個人発信が増える予想

私たちはこれまで何かを調べるときに「ググる」のが習慣でした。この習慣が2024年には「コパる」へ変化するでしょう。
(中略)
エッジのコパイロットの窓に「推しの子とは何ですか?」と入力してみます。すると上記のググったときと同じ情報を1つの回答窓で入手できます。

Google検索だとたくさんの検索結果から必要なページを見つけ出して脳内で要約する必要があるが、マイクロソフトのコパイロットのAI検索なら要約までやってくれて時短できてタイパがいい。だから「ググる」が終焉して「コパる」ようになるのだ、という主張です。

現状はそうなのかもしれませんし自動要約は便利なのですが、おおもとのWebサイトがAI生成ページの乱立で汚染された場合、「コパる」こともできなくなります。

「コパる」よりも、SNSで自分の友だちが薦める情報から選ぶ、信頼できる人のレコメンドを信じるという方向に行くだろうと思います。インフルエンサーの価値がますます高まるという見立てです。

人間だときちんとわかっているインフルエンサーの情報価値が高まることが直近起きるはずです。


インフルエンサーがAIボット化するだろう未来

そんなインフルエンサーもいずれAIボット化する可能性があります。会ったことがない有名インフルエンサーとAIボットは紙一重です。SNSもすでにボットだらけですし。

信頼度が高いインフルエンサーからの情報を元に要約情報を持って、ChatGPTのように「聞いたら答えてくれる」となれば検索するよりタイパよく情報を得られるようになります。

さらに、プライバシー問題を超えてメールやSNSのDMなどをデータ的にクロールしたり、インタビューを勝手に申し込んで一次情報を収集する「取材するAI」が登場するようになると、ますますAIが優位になってきます。

「SEO汚染による検索の死」が徐々に進む中で、まずは人間のインフルエンサーが台頭し、次にAIインフルエンサーが競合するようになる未来はやはり来そうです。


人間であることの証明と情報流通路の変化

人間であることの証明が大切だとサム・アルトマン氏が言っていたことの意味が理解されるようになるにはもう少しかかるかもしれませんが、その間にも「コンテンツはAIが作るもの」という流れは進み続けます。

人間の作ったコンテンツかどうかにはあまり意味がなくなるはずですが、情報を届けたい相手は人間ですから、人間の証明はAI時代に必ず必要になるでしょう。

確実に人間に届けられる情報の流通方法や広告方法が価値を持つようになります。その方法は、

・インフルエンサーのように人間と人間のつながりが証明されている関係性の中で情報を流通させる方法(この場合はインフルエンサーに対価を支払って流通させる)
・WorldCoinのように人間証明書を持っている人を特定して流通させる方法(この場合はWorldCoinプラットフォームに対価を支払って流通させる)

が今後の主流になるはずです。

インフルエンサーはメディアだと見なされますし、インフルエンサーの活動の場であるSNSの重要性が増します。

WorldCoinのような人間証明書ビジネスは今後増えるでしょう。マイナンバーのように国を挙げて取り組むケースも出てくるでしょう。ただし国が情報流通に関与すると検閲の懸念がありますが。

Google検索が死んだ先にはこのようにメディアが変化する未来が待っているはずです。

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