今後流行りそうなNFT活用事例【学習】
おつかれさまです。モリプトタツヤです。
普段はWebサービスの開発や運営の支援、Web・アプリ・SNSのマーケティング活用などでプロデュース的に携わっています。
ここではWeb3やブロックチェーン、NFT、DeFi、DAO、DAppsなどCrypto関連について日々学んだことをアウトプットしていきます。
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■クリプトの「感覚」をつかむために
「クリプト」を理解するために本来なら基礎的な概念(ブロックチェーン、非中央集権・自律分散、ゼロトラスト・スマートコントラクト、仮想通貨、DeFiなどなど)を先に学ぶのが王道だと思いますが、これらを先に学ぼうとすると挫折してしまう人も多いと思います。
ググって出てくる情報の多くは、技術的な内容多数・既にわかっている人向け専門用語多数・コイン投資系の話題多数というのが現状です。
そこで、これからのWebサービスの変化を見通したい人や自分のビジネスにどう活用できるかに関心がある人が短期間に「感覚をつかむ」ために、事例を紹介しながらその中のクリプトのエッセンスを解説する、という方法を採りたいと思います。
■今回のテーマは「NFT」
クリプトの感覚をつかむための初回のテーマは「NFT」です。
正確には「NFTマーケット」を取り上げたいと思います。
ドット絵のCGが何千万とか謎の高値で売られているらしいアレです。
Non-Fungible Token(非代替性トークン)と略称の意味を聞いてポカーンとするアレです。
でも実はNFTはクリプトの中でも一番理解しやすいものではないかと思うんです。
なぜなら、今でも身近な「ECサイト」の延長線上に「NFTマーケット」があるからです。NFTマーケット=NFTを売買するECサイトです。
■NFTの誤解を解くための5つの事例
今回事例として取り上げるのはこの5つです。
1.OpenSea(世界最大のNFTアートのECサイト)
2.Crypto Mall(ブランド品のECサイト)
3.デジタル資産管理機構(文化財のECサイト)
4.GCT JAPAN(不動産のECサイト)
5.Axie Infinity(モンスター育成ゲーム)
上記のうち2、3、4はYouTube「マスオの明るい家族計画 トリビアンちゃんねる」でご紹介されていた「ブロックチェーンEXPO 2021」の取材レポート動画を参考にしています。
今回ご紹介していない事例があと5つありますし、他の動画もクリプトの理解に非常に役立ちますのでオススメです。
1.OpenSea(世界最大のNFTアートのECサイト)
NFTという言葉が2021年ユーキャン流行語大賞にノミネートされたのは間違いなくこのサイトがあってのこと。OpenSeaは全世界のNFTアートの9割がここで取引されているという圧倒的なシェアを持っています。
ただ、OpenSeaでNFT「アート」に注目されてしまったがために、そして「CryptoPunks」のようなドット絵が高値で売られたニュースばかり報道されたがために、NFT=デジタルアートやCGのこと=クリエイター向けのもの=一部の投機家のもの、という印象で止まってしまった感があります。
この誤解を正すことがクリプトの理解に直結します。
NFTが革新的なのはデジタルなものに所有権を持たせられるようになったことです。これだけじゃ意味わからないですよね。
これまでもECサイトでデジタルデータは流通していました。
iTunes Musicで楽曲を買ったりAppStoreやGoogle Playでスマホアプリを買ったりAmazon Kindleで電子書籍を買ったり。
でもこれらに共通するのは「販売元が元データをコピーして多数の人に同じものを渡している」という点です。
このデジタルデータ販売もWebの登場と進化で誕生した産業であり、ワンソースを工場など設備不要で大量生産(コピー)でき、在庫を保管する倉庫が不要、在庫資産の会計負担がない、世界中に0秒で配達可能、という産業革命くらい威力のあるものでしたが、NFTはそれをさらに一歩進めました。
これまでデジタルデータは簡単にコピー可能でしたが、NFTの登場でデジタルの世界で1点モノの希少性を売買することができるようになった、というのが革新的なのです。
「でも画像はスクショ撮れば手に入るしバラまけるじゃん。」
その通りです。でもそれは画像だからです。次の事例を見て行きましょう。
2.Crypto Mall(ブランド品の真贋証明)
Crypto Mallはブランド品に本物であるという証明書をNFTで発行するソリューションを提供しています。
これまでもブランド品にはメーカーや第三者の鑑定人などの鑑定書が付属しているものが多くありました。
しかし偽物は多数流通しており、鑑定書すら偽造するケースも多々ありました。偽造された鑑定書が本物かどうかを鑑定するなんて愚の骨頂です。
そこで鑑定書をNFTで発行するソリューションが活きてきます。
メーカーなら生産段階で公式の鑑定書をNFTで発行し、その記録をブロックチェーンに記録します。中古流通市場なら第三者の鑑定機関が真贋鑑定した上でNFT鑑定書を発行します。
鑑定書がブロックチェーンに記録されることで、誰でも・いつでも監視可能、かつ無数のサーバチェーン内で保管されることから改竄不可能な鑑定書が完成します。
中古売買でオーナーが変わったこともNFTの所有権移転情報がブロックチェーンに記録されるため、購入希望者はNFTの履歴をさかのぼることで本物であることを事前に確認できます。
NFTの記録をきちんと更新できるECマーケットでしか取引されなくなる、というのも真贋信頼性アップの副次的な効果かもしれません。(とすると街中ではハードオフや2nd Street、オンラインではメルカリやヤフオクなんかは「このヴィトンのバッグは本物かな?」と心配されないように鑑定書NFTを早々に採用するんじゃないかな。)
ここで取引されているものはブランド品のバッグや時計など実物です。
先ほどの「画像」のようにコピー可能なものではなく実物に対してNFTが使えるという事例です。
3.デジタル資産管理機構(文化財のECサイト)
一般財団法人 デジタル資産管理機構が世界初の日本刀NFT化を発表
という耳目を引くプレスリリースが出されていますが、なにも日本刀の現物をデジタル技術で作ったという話ではありません。
さきほどの鑑定書NFTと考え方は同じで、現物の日本刀というものに「これは誰がいつ作った何某だ」という情報を持たせるNFTを発行するものです。
またも実物にNFTを適用している事例です。
(エンタメ業界でファンクラブのトレーディングカードをデジタル画像で作ってNFT化して配布・売買、という事例はもちろん多いんですが、それはOpenSeaに近いので今回は敢えて省略しています。)
考え方の違いは、販売する対象の実物が基本的に投資対象物であり、実は現物を手元に置いておくニーズが薄い、という点です。
日本刀も世界中から投資対象として注目されています。過去には文化財として非常に重要で貴重な日本刀が海外の投資家に買われ現物が海外に流出したため、クラウドファンディングで資金を募って買い戻し日本に取り戻した、ということがあったそうです。
でももしかするとこの海外投資家も、将来の資産価値上昇を期待して買ったまでで現物を手元に置きたいとは元々考えていなかった可能性はあると思います。
非常に貴重なものですから輸送途中の破損や盗難もケアしなければなりませんし、手元に到着したあとも錆びないように維持保管するのも大変です。
このデジタル資産管理機構のソリューションは、文化財の海外流出を防ぎながら投資資産を集めることができるよう、NFTによる所有権証明書のみを売買することを可能にしました。
現物を移動しないで済むことから、複数の投資家に小口で販売することも可能になります。手元に置いておくなら1人限定で売るか期間限定で返してもらうかしかありません。小口なら投資家を広く募れますので投資家のチャンスも広がります。
NFTはデジタルデータですので、ここで販売される日本刀(の所有権)は世界中から購入可能です。市場を簡単に世界中に広げられるのはデジタルならではです。
4.GCT JAPAN(不動産のECサイト)
投資目的のものは実物を移動させるニーズが薄い。
の代表格が不動産です。
GCT JAPANでは投資用不動産物件の所有権をセキュリティトークン化して販売するソリューションを持ち、フィリピンの特区での物件を販売しているそうです。
ブロックチェーンEXPOでの説明によると、不動産市場は金融市場の次に大きい2京8000兆円、その0.5%の140兆円がセキュリティトークン化されて流通するだろうと予測しているそうです。
不動産は単価が高い上、実需もありながら世界中から投資目的での資金が集まりやすい、担保価値があるため融資を受けることも比較的容易という、大きなお金が動きやすい市場です。そのためごく一部であっても莫大な市場規模になります。
・・・じっくり読んでくれた方はお気づきかもしれません。
NFTじゃなくセキュリティトークン?
はい。NFTではありません。
でも考え方は同じです。
デジタルデータ化して取引することで世界中から購入可能にできること。購入者データがブロックチェーンに記録されることで改竄不可能だから安心して取引が成立するということ。現物の売買にも使えるということ。スマホひとつで買えるようになること。
今回はクリプトの感覚をつかむことが目的なので敢えて話題を混ぜてみました。個人的には不動産のクリプト化はものすごく期待していますし、実際に構築してみたいテーマです。
(NOT A HOTELは法整備が追い付けばクリプト化の相性はメチャクチャいいですよね。)
5.Axie Infinity(モンスター育成ゲーム)
最後にゲームの話題を。
「稼げるNFTゲーム」として真っ先に登場するのがこのAxie Infinityです。
「ゲームばっかりしてないで勉強しなさい!」は過去の話。
ゲームを極めるとお金が稼げる時代がもう来ています。
eスポーツのプロゲーマー、その実況を配信するストリーマー、ゲームライターやYouTuberがゲームで稼げる、という話ではありません。
Axie Infinityは簡単になぞらえるとポケモンバトルです。
手駒キャラを集めて育てて戦わせる。
バトルで勝つには素質の高いレアなキャラをゲットし、きちんと育てる必要があります。
ゲームを始めるには最初に手駒キャラをお金(仮想通貨)を出して3体買う必要があります。この「キャラを買う」ということを実現させたのがNFTです。
そのキャラは、先行プレイヤーの誰がが手に入れ育てたキャラです。
つまりキャラというデジタルデータに所有権を与え、プレイヤー間で所有権の移転を可能にしたのです。
昔グリーやモバゲーがゲーム事業で隆盛を誇っていた時代に「RMT」というものがありました。Real Money Tradeの略で、ゲーム内の武器などのアイテムをヤフオクや闇サイトなどで現金で売買する行為です。
RMTは概ねのゲームで禁止されていました。禁止されていたおかげで安全にトレードすることができず、お金を払ったのにアイテムが引き渡されない詐欺が多発していました。
しかしAxie InfinityではRMTは公認です。ゲーム内に安全な仕組みをきちんと持っているので詐欺が起きません。NFTゲームの「稼げる」はRMTを正面から実装したものです。
従来のスマホゲームなど課金はゲーム会社だけを潤わせていましたが、NFTゲームはゲーム会社には取引手数料が入り、かつプレイヤーにも育てたキャラの売却益をもたらします。
今後のゲーム会社はゲーム開発・販売と廃課金者産出による収益アップのビジネスモデルではなくRMTマーケットの運営による手数料収入が重要になるはずです。
ゲームプレイヤーとしては、食えるほど稼げるのか、どのくらいの人数が食えるレベルになるのか、ゲームの楽しさと課金量のバランスなど課題はありますが、ゲームをやりまくると稼げる世界を実現したのがNFTです。
■今回のまとめ
・NFTはデジタルなものに所有権という概念を与えたことが革命。
・NTFマーケット=ECサイト。
・NFTはドット絵だけじゃない。実物の取引にも使える。
・NFTは実物の移動が不要な投資案件と相性がいい。
・NFTのおかげでゲームプレイが仕事になるかも。
いかがでしたでしょうか?
NFTというもののイメージは掴めましたでしょうか?
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