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『中古スマホ、前の持ち主の未払いによる利用制限を原則禁止へ…総務省の有識者会議』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.4.27

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■中古スマホ、前の持ち主の未払いによる利用制限を原則禁止へ…総務省の有識者会議

 中古スマートフォンの流通促進を検討している総務省の有識者会議は24日、中古端末を買った利用者に対し、前の持ち主の料金未払いなどを理由に利用制限することを原則禁止する方向性を確認した。高額化するスマホの中古端末の売買を後押しする狙いがあり、今夏にも報告書をまとめる。

前の利用者が分割払いを未払いしていたおかげで、買った中古スマホの回線が使えなくなることがあります。利用停止の恐れがある未払いスマホのことを通称「赤ロム」と言います。

総務省の有識者会議がこのたび、未払いによる利用制限を原則禁止とする指針を示しました。今夏に報告書をまとめ、携帯キャリアもその方針に従う見込みです。

赤ロム制限を禁止する目的は、スマホの中古流通の活性化です。昨今の円安による輸入品の物価高に賃上げが追いついていない現状、中古スマホを買いやすくすることでデジタル格差を減らす方針は合理的です。

狙い通り中古スマホの流通が活性化した場合、スマホを中古で買うことが一般化する以外に別の効果や影響も生まれそうな予感がします。


1.スマホ新品市場も活性化する

中古で買われやすくなるということは、中古の買取価格も上がるということです。高値で買い取られるなら、最新型が出るたびに買い替えるのもやりやすくなります。

新型の新品が売れないと中古市場も成立しませんから、中古市場が活性化する時は買取価格の上昇は必ず起きると考えてよいはずです。


2.中古スマホ利用者の年代幅が広がる

若年層はキッズケータイではなくフルスペックなスマホからスタートしたほうが次の買い替えの際のリセールバリューが高いという判断や、扱いなれない子どもには最新新品を持たせるのは怖いからという理由で、2~3年落ちくらいのスマホが売れるようになるのではないかと思います。

免許取り立ての人がまずはぶつけても惜しくない中古車から乗り始めるような感覚です。

高齢者の方は、スマホの利用方法が長年あまり変わらないことから、最新スペックである必要がないというのが根本的な動機です。加えて年金の額が減るトレンドの中で、スマホをバッテリー寿命で買い替えざるを得なくなった際に、できるだけ安く買いたいという動機も加わります。

結果、中古スマホを買う人が若年層と高齢者に広がることになると予想します。


3.中古スマホの輸出が増える

驚異的な円安は新品スマホの値段を押し上げますが、それでも日本市場に向けてできるだけ買いやすい値段で売ろうと各スマホメーカーは努力しています。おかげで日本市場向けだけ相場が安いということも起きがちです。

日本は世界で3番目にiPhone15を安く買える国です。1位は中国、2位は物品税の都合でアメリカです。

日本の12万4800円に対してブラジルでは21万6937円、トルコでは27万2991円ですから、日本で仕入れてトルコで売ると儲かります。

新品を仕入れられるのはごく一部の正規ディーラーだけですから、ビジネストライするのは中古市場です。円安も追い風となるため、日本で中古を買い集めて輸出するビジネスはますます活性化するでしょう。


4.通信規格の進化がスローになる

技術的にネガティブなことも起きます。新型機に入れ替わるタイミングで新技術に置き換わっていくのがガジェットの常でしたが、中古の古い規格の端末が長く使われるようになると、技術の入れ替わりペースが遅くなります。

処理速度や画面の大きさなどは今や技術進化全体にとって影響が少なくなりましたが、通信規格だけはどうしても足を引っ張られます。

4G-LTEから5Gや6Gへの転換、Wi-Fi6やWi-Fi7の普及、Bluetooth5.Xから6以降の次世代規格への移行などが進みにくくなるでしょう。

通信速度や同時接続数がアップしないということは、サービス進化の妨げに直結します。かつて通信速度が遅くて動画サービスが屋外で見られませんでしたし、総通信容量が少ないとパケット代金も安くならないことなどを思い返すと、通信規格の進化はユーザーサイドにとって非常に重要だということがわかります。

過度に古い端末も流通し続けるようなほど中古スマホ市場が活性化してしまうとあまりよくないかもしれません。


5.長寿命化した新型バッテリーが登場する

古すぎる端末が流通しないタガになっているのは主に2つ、バッテリー寿命とOSのバージョンアップ停止です。

OSアップデートはGoogle Pixel8が7年保証を打ち出しました。iPhoneもおよそ6年間はアップデートされてきた実績があります。

しかしその6年や7年の間に、バッテリーは寿命を迎えます。リチウムイオン電池は300~500サイクルの充電回数で寿命が来るというのが今の常識になっています。バッテリー交換で延命することも中古スマホ市場の活性化でより普及しそうですが、おそらくメーカーサイドがもっと長寿妙なバッテリーを初期から積んでくるのではないかと予想しています。

今のリチウムイオン電池でも電極の金属の違いで4000回の充電が可能なものもあります。スマホにそのまま使えるものではありませんが、中古で長く売り買いされるようになれば、リチウムイオンではない別の新技術の開発も含めて、より充電サイクルが長寿命なバッテリーが開発されるはずです。

今は新品の買い替えを促進するためにわざと2年くらいでバッテリーの寿命が来るように設計しているのではないかと疑っていますが、それだと売れないとなれば当然、市場の要請に合わせて設計変更してくるだろうと思います。願望も込みですが、これは期待しています。


中古スマホでは済まない新サービスの登場にも期待

中古スマホの流通は、適切なリサイクルにもつながり基本的には良いことだと思いますが、数年前の中古スマホで十分なくらい、サービス側が大きな進化をしていないことは残念です。

AIスマホが次のトレンドだと言われていますが、このPixel 9のように「オンデバイスでのAI処理でプライバシーを守る」といった方向性がないと端末を買い替えなくてもサーバでAI処理した結果だけを受け取れば済むようにもなります。

AI専用デバイス「rabbit r1」のような極端な新デバイスの普及は時間がかかるでしょうが、既存のスマホが「rabbit r1」のようにアプリアイコンを排除した操作性を身に着けることは可能なはずです。

そろそろスマホのマンネリ化を打破する刺激が欲しい。強烈に刺激的な端末が登場して、中古スマホ市場に最近の端末がどんどん売られる事態が起きたらどんなに面白いだろうなと妄想してしまいます。

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