見出し画像

『「ユーザー」の終わり AI時代にふさわしい言葉にアップデートする』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.4.26

先進テックで未来の生活はもっと良くなる!」と信じて、Web3・AI・ガジェットなどのデイリーニュースから毎日ひとつピックアップしてご紹介しています。

新規ビジネスのアイディアのタネがほしい方、未来を想像してワクワクしたい方、読んでちょっといいなと思った方、ぜひフォロー・高評価よろしくお願いします!


■「ユーザー」の終わり AI時代にふさわしい言葉にアップデートする

AI技術の進化に伴い、「ユーザー」という言葉の再考が求められている。テクノロジーとの関わりをより人間味のある形で表現する新たな用語への転換が提案されている。

ChatGPTを「AIエージェント」として活用するのが一般的になりつつあります。

今のところは「弁護士」や「システムエンジニア」などの専門家属性のチャットボットを作って相談相手・壁打ち相手にするような使い方が主ですが、やがて自分のために働く優秀な秘書がインターネットを回遊して情報収集したり、必要な応答をしてくれるようになるだろうと考えられています。

そうなってくると、「ユーザー」は人間なのかAIエージェントなのかの区別がつかなくなってくるはずです。

もう既に起きつつあるAIエージェントによる「ユーザー」の置き換えにまつわり、そもそも「ユーザー」という呼び方や捉え方を変えた方がいいのではないか、という提言をしているのが上記の記事です。


「MAU」は人間が何人使っているかの指標だった

サービスをどのくらい利用されているのかの指標として「MAU(マンスリー・アクティブ・ユーザー数)」などがありますが、これは建前上は「人間が何人使っているか」を指す指標だと捉えられています。

建前上は、と言った通り、実際にはボットプログラムがSNSで自動運転しているケースは今でも非常に多くあります。自動的にレスを書いたりデータ集計したりと有意義に使われるボットも多い反面、詐欺や闇バイト勧誘など悪用されるケースも多くあります。

使い方の良し悪しはあれど、ボットも含めたものが今の「ユーザー数」で、その人数が多いほど有力なサービスだとされています。

ボットは一部いるだろうけれど、ほとんどは人間だろうと考えるのが一般的ですが、かなりボットのシェアが増えているサービスもあります。


X(Twitter)はボットを排除する方向

イーロン・マスクはX(旧Twitter)でボット排除のためのAPI利用制限や完全有料化など強固な対策を打とうとしています。

「ユーザー数」が多い方が広告メディアとしては価値がありますが、ボットの割合が皆が想像するよりずっと多く、広告出稿してもボットが広告を表示、クリックしてしまい、効果が上がらないような実態があるのかもしれません。(ちなみに当社がTwitter広告を使ったプロモーションを実施した時は特に実績値にボットの影響は感じませんでした。)

広告効果以外にも、人間には不可能な頻度でアクセスする行儀の悪いプログラムも多いことからシステムに多大な負荷をかけてしまうことがあるのも問題です。

いずれにせよ、Xではボットは排除する方向で検討が進んでいます。


ワールドコインは「人間の証明」を目指す

OpenAIのサム・アルトマンCEOが進めている「ワールドコイン」というプロジェクトは、インターネットの中で人間とAIを区別し、人間であることを証明することを目的としています。

人間であることを明確に証明できることで、ベーシックインカムなど社会保障の恩恵を人間だけに提供することが想定されています。他にもマーケティング対象が人間であるなら、広告を人間だけに届ける、人間のアクセスだけをカウントすることもできるようになります。

人間かAIかを区別できるようにするソリューションは今後確かに重要性が増しそうです。


優秀なAIエージェントを皆が持つ時代を想定する

イーロン・マスクのようにボットを排除するのもひとつの方向性だとは思いますが、今後は人間の代わりにAIエージェントが働くのは当たり前になると思われ、むしろAIエージェントが使いやすいサービスを目指すべきではないかと私は考えています。

AIエージェントが人間になりすますのはよくありませんが、AIエージェントが自動的にSNS上で必要な情報を集めて要約資料を作ったり、きちんと「〇〇さんに雇われているAIエージェントである」と情報開示したうえで、アポイントの調整やインタビューなどをこなしてくれていると大変助かります。

AIエージェントを誰でも雇えることをわかりやすく表現したともいえるのがこの「rabbit r1」です。CES2024で限定発売されていましたが、やっと一般発売されました。

ログイン後は、Uberの車両の呼び出しやマクドナルドの注文、画像の生成、曲の再生をr1に頼める。r1はこれらのウェブサイトを使用するように訓練されているが、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)にアクセスしているわけではない。

rabbit r1は音声で操作します。まだ対象サービスは限られますが、Uberやマクドナルドなどでは人間用に作られたWebフォームをそのままrabbit r1のAIエージェントが操作して注文を完了させられます。

AIエージェントがもっと高度に進化すれば、対象サービスを限定せず自己学習してどんなフォームでも注文ができるようになるでしょう。

そんな優秀なAIエージェントが普及した暁には、「ユーザー数」はボットを排除した人数にするべきではないはずです。そして、人間はもちろんAIエージェントにとっても理解しやすいUIを目指すべきです。

確かに「ユーザー数」という呼び名は変えたほうがいいかもしれません。人間とAIエージェントの内訳も開示した方がいいでしょうし、AIエージェント専用のサービスがあってもいいはず。もちろんXのように人間限定のサービスがあってもよいですが、さて、どちらが流行るでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?