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『アクセンチュア、生成AIで広告制作自動化。広告はAIが作る時代に』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2023.12.25


■アクセンチュア、生成AIで広告制作自動化 代理店と競合

生成AI(人工知能)の登場により、広告の“聖域”であったクリエイティブ制作にも自動化の波が押し寄せている。こうした新たな時流を好機と捉え、コンサルティング会社も広告領域を強化し始めている。大手コンサルのアクセンチュア(東京・港)もその一社。同社は生成AIによる広告運用支援にも事業領域を拡大しつつある。生成AIによって広告制作の能力が高まることで、コンサル会社と広告代理店との競争はさらに激化しそうだ。

生成AIは広告など購買促進にとても相性がいいと言われていました。

・消費者ひとりひとりに、好みに合った違うクリエイティブを生成することができる。
・「フェイク動画」の技術を使い、推しが商品を薦めるCMが推し本人の稼働なしで生成できる。
・広告の応答度合いのログにリアルタイムに連動して広告クリエイティブをどんどん効果的に自動チューニングできる。

など、人間の働く時間やクリエイティブの制作時間の限界を突破できることを突いた、生成AIの広告やマーケティングへの活用が当初から期待されていました。

顧客の動向を良く知りマーケティング戦略のコンサルティングを長年手掛けてきたアクセンチュアが、広告の最後の砦である「クリエイティブ」のリソースを生成AIによって獲得したことで、本格的に広告業界への参入することが可能になりました。


同じ広告に何度も触れると印象が悪くなる

Z世代が感じる印象の悪いSNS広告、上位は「表示頻度が多い」など 接触回数より短くインパクトのある広告が記憶に残りやすい傾向に
(中略)
「SNSを閲覧する中で、同じ広告を1日に何回見るとその企業や製品/サービスにネガティブな印象を持つか」と質問したところ、「4回~5回」が29.7%、「1回~3回」が26.1%となった。

同じ広告を何度も見ると、すごく印象が悪くなるという調査結果が出ました。1日に「4回~5回」で多すぎると感じるとのことです。

テレビCMや新聞広告と違い、アプリ内広告やSNSの広告などネット広告は短時間に4回~5回同じ広告が出ることが珍しくありません。

同じ広告に何度も触れることが最もネガティブに感じられるのだとすると、クリエイティブを毎回変えられれば悪い印象を与えずに同じ商材を広告できるようになるかもしれません。

広告の多くがインターネットメディアで消費される現在、生成AIの広告活用は時代が後押ししているとも言えます。


広告ぜんぶが広告賞を受賞しなくていい

広告の中には、ものすごい工夫を凝らした「作品」と呼べるようなものもたくさんあります。その中でも優秀なものに毎年与えられる栄誉ある広告賞が設定されています。

ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSは毎年とても楽しみにしています。特にラジオ部門の優秀作には毎年とても驚かされます。「大日本除虫菊」いわゆる金鳥のラジオCMは受賞の常連で、今年は何をやるんだろう?と待ち構えています。

年末まで聴ける、間もなく聴けなくなる金鳥の2023年グランプリ受賞作品はこちら。

生成AIが作った広告では広告賞は取れないかもしれませんが、個人別にパーソナライズされた量産型CMが量と金額の面でシェアを取っていくのだろうと思います。ビジネスとしては没個性ながら量を取る領域では生成AIが強いはずです。

生成AIのクリエイティブ能力はまだ高くない印象ですが、来年2024年のアメリカ大統領選挙戦でのフェイク動画が心配されている通り、人間には見抜けないレベルの高クオリティの映像は作れるようになるだろうと思います。

広告賞を取るほどのCMのシナリオはまだ人間でないと作れないかもしれませんが、本物と見分けがつかない見た目の広告映像は間もなく作られるようになるでしょう。


「Sudo AI」も登場。2024年には自動広告が登場か?

でもご紹介した

このレベルのCM映像が今でも作れることを考えると、量産型の広告クリエイティブは生成AIで作られる時代が2024年には来る可能性はあるんじゃないかと思います。

アクセンチュアがセールスフォースのデータを広告に活用するようになれば、広告業界で主導的地位を握る可能性は大いにあるのではないでしょうか。

生成AIが登場して2024年で足かけ3年。2024年には広告での実用化フェーズに入り、2025年には生成AI製広告のシェアが人間製広告を超える、なんてこともあり得るかもしれません。

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