『Photoアプリのメタバースギャラリー機能は普及のキラーになる』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.1.26
■子供の工作CG化、メタバースで展示 神奈川のスタートアップ
昨年末、2022年12月16日に公開された取材記事なのですが、なぜか今朝Googleアプリがレコメンドしてくれたのでご紹介します。
メタバースの「無限空間」「見せる力」「時系列を再現する力」を活用したソリューションです。
幼稚園や小学校などでたくさん作られる我が子の「工作」を3Dスキャンしてメタバースに思い出展示しましょう、というものです。
この記事の中では我が子の思い出、学校でのユースケースに注目していますが、実は相当汎用性が高くメタバースを個人レベルに普及させる動機付けにもなるんじゃないかと感じました。
■無限サイズの倉庫
メタバースは「無限空間」の倉庫です。
このサービスを発案するに至る最初のキッカケは「保管スペース問題」です。確かにメタバースに展示する前提でCGにしてしまえば、保管スペースは無限大になります。
立体物に限らずスマホで手軽に撮った写真も、昔ながらに紙焼きしてアルバムにバインディングしていたら図書館サイズの倉庫が必要になるでしょう。
メタバースを個人や団体向けに「倉庫」として使ってもらうというニーズは分かりやすいものです。
■スマホで撮った写真を見返すような使い方
メタバースには「見せる力」があります。
我が子の工作作品にしろスマホで撮った写真にしろ、新鮮なタイミングでは見る機会があります。しかし数日も経つと目に入らなくなりますし見返すこともしなくなります。
スマホの写真をGoogle Photoなどにバックアップしていると、たまに「3年前の写真」としてスライドショーアニメ付きでレコメンドしてくれますよね。ああいう提案があると見ようかなと思うのですが、スマホのローカルストレージやクラウドのバックアップデータに大量に入ったままの写真はまず見返すことがないと思います。
メタバースは展示物を見ようとするきっかけを与えてくれるツールとして有用です。
↑このようなアート展示メタバースは、作品を見る・見せるのに効果的です。大量のデータだと見ませんが、展示してあると見ようと思えます。
■時系列やテーマ・検索で瞬時に展示を切り替える
メタバースには「時系列を再現する力」があります。
スマホの写真アプリにも時系列でまとめたり検索する機能があります。あれをメタバース展示ギャラリーにも適用すれば、瞬時に展示物をかけ替える表現ができます。
メタバースというと広い空間に全部を展示してしまいがちで、時系列で並べるにしても10年分を別々の部屋に展示して、移動しながら観覧するようなUXを想像しますが、そのやり方は適している場合もあれば移動が面倒に感じるケースもあります。
同じ部屋の中で、時系列やテーマ別、検索キーワードに応じて展示物が切り替わった方が、メタバースの中で歩く手間が省けて展示物を見ることに集中できます。
歩くのが面倒
メタバースが流行らない理由のひとつが「歩くのが面倒・無駄・操作が難しい」という歩くUXにあると考えています。
検索で済むことをわざわざメタバースの空間演出として歩かせるのは面倒不便を強いているだけだと感じます。「メタバースデパート」など1階から5階まで上り下りしながら並んだテナントを渡り歩く意味は感じません。
逆に、時系列など条件で瞬時に展示物が切り替われば、写真なら撮影したその時の思い出にすぐに没入できます。そこから時間を少しずつ切り替えていけば、同じ部屋の中心にいながら時間の流れを感じ続けることができます。
瞬時切替えなど現実にできないことをやる方がいい
こちらの「自分自身は移動せずに時間軸だけ動かす」ということができるのはメタバースならではの表現です。こういう現実にはできないことを実現した方がメタバースのメリットを感じやすいはずです。
■スマホ向けPhotoアプリのメタバースUI版がキラーサービスになる
冒頭の、我が子の工作作品を収蔵展示するための3D CG化&メタバースサービスは、つまり「誰でも簡単にメタバース展示スペースが持てるサービス」です。
3DスキャンしてCG化する部分のニーズは一般的ではないので置いておくと、スマホのPhotoアプリをメタバースUI化するのが手頃に普及しそうです。
Google Photoが提案するスライドショー形式もよいのですが、スマホのPhotoアプリに「メタバースギャラリーモード」が追加され、自分の撮った写真を自分で振り返るというUXはメタバースを一気に身近にします。
つまり、スマホを持っている人が皆メタバース経験者になります。
自分だけで楽しむ・振り返るだけではなく、公開設定で広く大勢に自分のメタバース写真展示ギャラリーを見てもらったり、共有設定で特定の人をメタバースに招待して見てもらう体験も可能になります。
時系列・時期指定や、キーワード検索、類似画像検索などで展示物を一瞬で切り替えられれば、複雑なワールド・建物・部屋を作る必要はありませんし、移動の手間もありません。
Photoアプリのアカウントをこの記事のように学校単位、クラス単位で取得して運用することも可能。卒業後にメタバースギャラリーに集まれば同窓会もできます。
企業アカウントであれば自社製品の展示スペースをPhotoアプリベースで簡単に作ることができます。写真を撮って「メタバースギャラリーとして公開」とすれば完了。説明員が常駐すれば完璧です。
ストレージ容量と来場者数によるサブスク課金や、展示物に広告が挿入される広告モデルは適したビジネスモデルです。
Photoアプリベースのメタバースギャラリー、すごく可能性を感じます。どなたか作ってみませんか?
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