『フェンス・窓・壁・ブラインド。ソーラーパネルは「縦」が常識に?』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.4.10
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■Yanekara、垂直両面受光型の太陽光発電システム「ソーラーフェンス」
AIやブロックチェーン、EVやPHEVの普及、スマホやゲーム機の高性能化などなど、技術の進化は電力消費の増加とセットで進んでいます。
必要な電力量が増える中で、ソーラー発電はこれからさらにニーズが増すはず。ペロブスカイト太陽電池のような新技術が登場する一方、ソーラーパネルの設置の仕方も大きく変わりつつあります。
一言で言うと、「縦」に設置することがこれからのトレンドになりそうなのです。
上記の「ソーラーフェンス」もそのひとつ。
街中を見回すと、あちこちに塀やメッシュ壁、生垣などの「フェンス」がたくさんあることに改めて気づきます。これをソーラーパネル化できる製品が登場したというニュースです。
「縦」に設置することはさまざまなメリットがあります。
ソーラーパネルを「縦」に設置するメリット
・積雪に強い
従来の屋根の上に「横」に設置するソーラーパネルと違い、降雪時に雪に覆われにくいのが「縦」設置の特長です。
また、雪がうずたかく積もる豪雪地帯でも、上記の設置例のように積雪量より高いところまで持ち上げて設置することで雪に覆われにくくできます。
・都市部では平面より面積が広い
都市部では狭いエリアにたくさんの高層ビルが建っています。つまり地面や屋根の面積よりも壁面・ガラス面の「縦」の面積のほうが圧倒的に広いのです。
ガラスをソーラーパネルにする特殊な有機色素塗料を開発しているアメリカの窓発電ベンチャー企業によると、「発電量は従来の太陽光パネルの約1/10だが、ビル側面は屋上より設置面積が広大。サンフランシスコで最も高いビルの場合、屋上の20倍の発電が可能。」としています。
・朝夕や冬などで発電量を確保しやすい
屋根に設置する場合に最も効率がいいのが南向き。そして南中する時間帯周辺が最も多く発電できます。
それに対して窓や壁など「縦」に設置する場合は、朝夕や冬など太陽が低い位置にある時に発電量が多くなります。
これまで発電に不向きとされていたエリアや建物でも、条件によっては夏よりも発電量が多く確保できることもあるとしています。
先ほどのサンフランシスコでの試算でも、理論上は屋上より圧倒的に面積が広い壁面のほうが総発電量は多くなるとしています。
ブラインド型ソーラーパネルも登場
ブラインドもソーラーパネル化が試されています。見栄えがソーラーパネルそのもので美しくないのは解決したい課題ですが、窓そのものをソーラーパネル化するよりずっと手軽に設置できます。
災害時の避難所に設置するのは妙案です。発災時は停電していることもあり得ますが、ロールスクリーンでUSB充電できるなら停電時でもスマホの充電が避難所でできるようになります。
ソーラーパネルを備蓄してもよいのでしょうが、普段使いしているものでないと存在を忘れたり使い方がわからなかったりするものです。食料備蓄も普段から食べて補充するローリングストック法のほうがいいと言われるのと同じで、ブラインドや窓で充電するのを日ごろから実践していれば、いざという時にも確実に使えます。
このブラインド型や先述の窓・壁・フェンスのように、続々と「縦」に設置するソーラーパネルが登場しています。今は「屋根に載せるもの」という常識を多くの人が持っていると思いますが、10年後、20年後には「縦に設置するもの」という感覚が常識化しているかもしれません。
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