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『フェンス・窓・壁・ブラインド。ソーラーパネルは「縦」が常識に?』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.4.10

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■Yanekara、垂直両面受光型の太陽光発電システム「ソーラーフェンス」

 Yanekaraは3月29日、垂直両面受光型の太陽光発電システムである、「ソーラーフェンス」を販売開始したと発表した。

AIやブロックチェーン、EVやPHEVの普及、スマホやゲーム機の高性能化などなど、技術の進化は電力消費の増加とセットで進んでいます。

必要な電力量が増える中で、ソーラー発電はこれからさらにニーズが増すはず。ペロブスカイト太陽電池のような新技術が登場する一方、ソーラーパネルの設置の仕方も大きく変わりつつあります。

一言で言うと、「縦」に設置することがこれからのトレンドになりそうなのです。

上記の「ソーラーフェンス」もそのひとつ。
街中を見回すと、あちこちに塀やメッシュ壁、生垣などの「フェンス」がたくさんあることに改めて気づきます。これをソーラーパネル化できる製品が登場したというニュースです。

「縦」に設置することはさまざまなメリットがあります。


ソーラーパネルを「縦」に設置するメリット

・積雪に強い

従来の屋根の上に「横」に設置するソーラーパネルと違い、降雪時に雪に覆われにくいのが「縦」設置の特長です。

垂直型の設計により太陽光パネルに積雪しないため、降雪地域においても発電ができるとする。

また、雪がうずたかく積もる豪雪地帯でも、上記の設置例のように積雪量より高いところまで持ち上げて設置することで雪に覆われにくくできます。


・都市部では平面より面積が広い

都市部では狭いエリアにたくさんの高層ビルが建っています。つまり地面や屋根の面積よりも壁面・ガラス面の「縦」の面積のほうが圧倒的に広いのです。

ガラスをソーラーパネルにする特殊な有機色素塗料を開発しているアメリカの窓発電ベンチャー企業によると、「発電量は従来の太陽光パネルの約1/10だが、ビル側面は屋上より設置面積が広大。サンフランシスコで最も高いビルの場合、屋上の20倍の発電が可能。」としています。


・朝夕や冬などで発電量を確保しやすい

 平置きの太陽光パネルは太陽の位置が高い時に発電が多くなるよう、南向きに設置されることが多い。これに対して、壁面に設置すると太陽の位置が低い時に発電量が多くなる。

屋根に設置する場合に最も効率がいいのが南向き。そして南中する時間帯周辺が最も多く発電できます。

それに対して窓や壁など「縦」に設置する場合は、朝夕や冬など太陽が低い位置にある時に発電量が多くなります。

ENEOSホールディングスが1年間南向きの窓で実証した際は「日が当たっている場合、冬は夏の約2倍の発電量になった」(ENEOSホールディングス未来事業推進部事業推進2グループ主幹の古田智史氏)。パナソニックホールディングスも「東・西面であれば朝夕に多く発電できる。ピークシフトの利点が出てくる」(同社テクノロジー本部マテリアル応用技術センター1部の金子幸広部長)と期待する。

これまで発電に不向きとされていたエリアや建物でも、条件によっては夏よりも発電量が多く確保できることもあるとしています。

国内における21年度の太陽光発電による電力量は861億kWhだったが、壁面での太陽光発電はそれを上回るポテンシャルがあると見込まれている。

先ほどのサンフランシスコでの試算でも、理論上は屋上より圧倒的に面積が広い壁面のほうが総発電量は多くなるとしています。


ブラインド型ソーラーパネルも登場

 LIXILは4月3日、太陽光発電ブラインド「PVロールスクリーンシステム」の実証を開始すると発表した。福岡県宗像市と協定を結び、市内3カ所の施設で実施する。

ブラインドもソーラーパネル化が試されています。見栄えがソーラーパネルそのもので美しくないのは解決したい課題ですが、窓そのものをソーラーパネル化するよりずっと手軽に設置できます。

蓄電機能のほか、USB-C PD(Power Delivery)に対応しているほか、DCジャックも搭載し、電力取出機能も備える。
実証実験では、災害時の避難場所に指定されている宗像市役所、東郷地区コミュニティ・センター、城山中学校へPVロールスクリーンを設置。

災害時の避難所に設置するのは妙案です。発災時は停電していることもあり得ますが、ロールスクリーンでUSB充電できるなら停電時でもスマホの充電が避難所でできるようになります。

ソーラーパネルを備蓄してもよいのでしょうが、普段使いしているものでないと存在を忘れたり使い方がわからなかったりするものです。食料備蓄も普段から食べて補充するローリングストック法のほうがいいと言われるのと同じで、ブラインドや窓で充電するのを日ごろから実践していれば、いざという時にも確実に使えます。

このブラインド型や先述の窓・壁・フェンスのように、続々と「縦」に設置するソーラーパネルが登場しています。今は「屋根に載せるもの」という常識を多くの人が持っていると思いますが、10年後、20年後には「縦に設置するもの」という感覚が常識化しているかもしれません。


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