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『デジタル音楽をあえてアナログに持ち運ぶ「ミュージックキーホルダー」が人気!NFC名刺が2024年トレンド予想』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2023.12.28


■デジタル音楽をあえてアナログに持ち運ぶ「ミュージックキーホルダー」が人気

 インターネット上のURLを持ち運べるミュージックキーホルダー「The Music」が、高校生などの若年層から人気を集めている。The Musicは、レコードやカセット、MDプレイヤーを模したキーホルダーに、自分のお気に入りの曲やプレイリストを登録することで、スマートフォンをキーホルダーにかざすだけで楽曲再生ができる。

レコード盤やカセットテープの見た目で、スマホをかざせば音楽が鳴る。

仕組みはNFCチップにSpotifyなどの楽曲やプレイリストのURLが記録されているだけ、と、古くからあるシンプルなものです。

見た目が圧倒的にかわいい

でも、見た目の可愛さと、現代版ウォークマンのノスタルジックな感じと、音楽を持ち歩く・音楽が鳴るという体験の具体性とが相まって、「これは流行るよなぁ」と膝を打つ出来になっています。

カセットテープやMDディスクに自分で編集した音楽を入れ、友だちや恋人に渡すのと同じフィジカル体験が、デジタル音楽配信全盛の現代に蘇ったと見ればとても興味深いですし、仕組みを考えると音楽以外にも幅広く応用が可能です。

2024年には、NFTならぬNFCブームが来ること間違いなし!


むかし流行ったUSBメモリの現代版

幕張メッセや東京ビッグサイトなどでのビジネスイベントに行くと、2000年代はUSBメモリを配っているブースが数多くありました。

紙のパンフレットを配るのはもちろん、動画や音声などを見てもらったり、気に入った際に会社で稟議を上げる時に使える資料類がデータで配れるのも良い点でした。

たくさんのデータがコンパクトに配れる、かさばらないため遠方からの出張客にも苦なく持って帰ってもらえるなど、利点がたくさんありました。

また、ノベルティとして重要な「目立つ」というデザインの自由度も高かったのも特徴です。

汎用品に会社や製品のロゴを入れたシンプルなものから

名刺サイズのカード型のもの、

キャラクターの外観そのまんまの凝ったものまで、いろんな種類のUSBメモリがノベルティとして作られ配られていました。

2000年代初頭くらいは、CD-ROMが廃れ始め、より大きくて高速なUSBメモリが新しいものとして登場したばかりでした。データのやり取りもクラウドサービスは一般的ではなく、ローカルファイルの送受信が主でした。

USBメモリは確かに流行ったのですが、同時に会社のデータをUSBメモリに入れて盗む事件や、個人情報など重要なデータが入ったUSBメモリを紛失する事故も多発しました。

また、ごく一部ですが、イベントでもらったUSBメモリの中にウィルスが混入する事件も起きました。

そのため、業務用PCのUSBポートを使えなくするセキュリティ設定が流行り始め、イベントで配布されたUSBメモリを業務用PCでは開くことができないという齟齬も起き始めました。

今でもUSBメモリはイベントで配られるケースもありますが、2010年代半ばくらいにはかなり減った印象です。最近行ったイベントではUSBメモリはひとつも入手できませんでした。

ローカルでファイルを直接やり取りすることも相当減ったこと、クラウドサービスやSaaSが一般的になったこと、そして何より、PCからスマホにコミュニケーション手段が大きく移行したことが、USBメモリが流行らくなった大きな要因だろうと思います。


ミュージックキーホルダーはスマホ×クラウド時代の産物

対してこの「ミュージックキーホルダー」は、NFCチップを内蔵してスマホで読み込むことを前提としています。PCでNFCを読み込むリーダーを持っている人はほとんどいませんから、スマホ専用といっても差し支えないものです。

「ミュージックキーホルダー」にスマホでタッチすると、Spotifyなど音楽配信サービスが開くのが標準的な挙動です。

そのため、「ミュージックキーホルダー」そのものを相手に渡す必要はなく、1つ持っておくといろんな人にタッチで広めることができます。

またPCと違ってスマホはいつでも持ち歩いていて、すぐに立ち上げることができます。

PC×USBメモリだと、幕張メッセのようなイベント会場のその場でUSBメモリの中身を開いてみてもらうことはおおよそ不可能ですし、「ミュージックキーホルダー」が流行っている高校など学校の中で自前のPCを持ち込みUSBメモリの中身を開くこともあり得ませんから、「ミュージックキーホルダー」の機動性の高さは圧倒的です。


個人や企業の電子名刺としても流行るはず

「ミュージックキーホルダー」の中身はNFCチップですから、音楽以外の用途にも幅広く使えます。

紙の名刺の代わりとして、1つNFC名刺を作っておいて、相手のスマホでタッチしてもらう「電子名刺」は2024年にアタリマエに近づくんじゃないかと思います。

上記記事でも触れましたが、電子名刺を集めておく場所がバラバラになる、思い出すきっかけがない、スマホ同士をタッチさせることが今はまだできないなど課題もあります。それでも、リモートワークやグローバルワークが広まり、電話以外の連絡手段のほうが一般的になった現代では、紙の名刺はそろそろオワコンだろうと思います。

「リンクツリー」に名刺の中身にあたる連絡先情報やSNSアカウントなどを詰め込み、リンクツリーのURLをNFCに仕込んでおくような使い方が今後の名刺交換になるだろうと思います。

私モリプトだったら、このnoteが一番自分を知ってもらうのによい「名刺」になります。noteを更新すれば名刺の中身も情報が増える。わざわざプロフィールを履歴書並みに更新する手間をかけず、日々の営みで勝手に成長する名刺はとても魅力的です。

クリエイターは作例・事例をまとめたポートフォリオWebページをNFCに入れておくのがよいでしょう。

QRコードを印刷した紙の名刺を作り、相手にスマホのカメラでスキャンしてアクセスしてもらうこともよく行われていますが、モタモタします。やはりNFCのタッチで瞬時に連絡先を交換できることが必要です。


「ラジオキーホルダー」radikoで是非!

「ミュージックキーホルダー」も、自分の音楽の趣味を表す名刺のようなものとして使えます。Spotifyが楽曲やプレイリストをシェアできる機能を持っていたおかげで実現できたわけですが、Spotifyとしても「ミュージックキーホルダー」が流行ればSpotifyのユーザーが増えるというメリットがあります。

私が長く携わったradikoは、ラジオファンなら全員使っているはずです。
そしてラジオファン同士では「どの番組を聴いているか」が名刺代わりになります。

熱烈なラジオファンであり、熱烈なラジオ友だちでもある「ひとみん」を勝手に例に挙げさせてもらうと

月曜日
JOY TO THE OITA+(OBSラジオ)
一平くんのゲコゲコ相談室(FM愛媛)
森谷佳奈のはきださNIGHT!(BSSラジオ)
空気階段の踊り場(TBSラジオ)
JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力(TBSラジオ)

好きなラジオ番組を見るだけで趣味がよくわかります。ありがたいことに私が紹介した番組もあるし、だいたい同じ番組を聴いているなぁ、でも聞いたことがない大分の番組も興味深いなぁ、と思えます。

「ミュージックキーホルダー」ならぬ「ラジオキーホルダー」が作れるようなURLシェア機能がradikoに搭載されれば、ラジオファン同士の名刺交換・番組交換ができるようになりますし、高校生が学校で好きなラジオ番組を交換するような時代がまた来るかもしれません。

今のradikoの仕様だと各放送回ごとに異なる日付・時間込みのシェアURLしか出力できず、「ラジオキーホルダー」が作れません。番組ユニークなシェアURLが必要です。

願望込みですが、ラジオファンとしては是非実現してほしいなと思います。

スマホ×クラウド時代のノベルティとしてNFCが流行り、NFCブームに合わせてWebサービス側も固定URLが出力できるようになる。そしてNFCをビジネスカードや趣味の交換など幅広い「名刺交換」で使うようになる。

2024年のトレンド予想、当たるかな。

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