箱根の神社で、本物の参拝を身に付ける

元箱根にある箱根神社には、何度もお参りをさせて頂いております。箱根神社は、箱根の観光スポットの一つでもあり、近年は、外国人観光客の姿も多く見られます。

また、駒ケ岳の山頂にある箱根神社元宮にも、２度ほど参拝に行っています。1度目に訪れたときは、ロープウェイの山頂駅を降りたところから霧で一面真っ白で、必死の思いで手探りをしながら、元宮にたどり着きました。

箱根の人気観光スポットである大涌谷は、令和元年5月に噴火警報レベルが２に上がったことから、立ち入り禁止（半径４００～５００ｍのごく一部のエリア）となり、大涌谷を通る箱根ロープウェイも全線運休となっていました。2019年10月26日より全線で営業運転を再開していますが、大涌谷園地は立ち入り規制が続いているため大涌谷駅舎外に出ることは出来ない状況です。

箱根へ旅行される人は、箱根神社元宮のある駒ケ岳のロープウェーは、影響なく運行されているので、ぜひお参りをして頂きたいと思います。

お参りをする際、特に注意してもらいたいのは、個人祈願をせず、地域（箱根）の自然に感謝のみを捧げて頂きたいのです。そして、その場所を訪れることが出来たことに対する感謝を捧げてください（旅行ができるのも、健康で、経済的余裕があるからです）。

生まれてこの方、神社では、お賽銭（しかも小銭）を賽銭箱に投げ入れ、お願いをすることが当たり前であった人にとっては、『な、な、なんだ、それは？』と驚かれるかもしれません。

古来より、神道においては、山や巨石に神が降臨し、その山や巨石を御神体として崇（あが）め祀っていました。人間にはコントロールができない自然の脅威（台風・地震・噴火・・）を鎮めるために、強いエネルギーが感じられる（古代の人々はそれを感じることが出来ました）地域の山（火山）や、巨岩に対し、鎮めの祈りを捧げ、日々平和に暮らせることに感謝をしたのです。

後代になって、そこに社（やしろ）が建ち、それを管理する人が神官となり、収穫できたことを感謝するために供えた収穫物が、いつの間にかお金に代わり、小銭を箱に投げ入れるようになり、個人のお願いをする場に成り下がり、商売道具としてのおみくじ等が開発され・・・　ああ、なんということか！

神社は、本来、地域の自然に感謝を捧げる窓口であったのです。それが、いつのまにか、個人祈願をする場所と勘違いされるようになってしまいました。これには、立派な社殿等が建てられ、専従の神官を置いたりしたために、神社を経営しなければならなくなってしまったという神社側の都合も大きく影響しています。

お賽銭というのは、個人祈願を神様に成就してもらうための使い走り料ではなく、神様に奉納する収穫物の代わりとなるものです。それにプラスして、現在では、神社を維持していくための寄付的な意味があります。

誤った祈願信仰が、自然の怒り（台風・地震・津波・噴火・・）を招く！

いまだに、パワースポットブームが継続しているというか、メディア等が安易にパワースポットを喧伝するものだから、完全に市民権を得てしまった感があります。

パワースポットが、庶民の間で特に盛り上がったのは、２００９・２０１０年頃のことです。明治神宮の神域内にある「清正井」という湧水が、パワースポットであると喧伝され、最盛期には数時間待ちの行列ができたほどでした。

全国的なパワースポットブームが巻き起こり、天孫降臨の地、宮崎の高千穂にも、パワースポット詣での人が押し寄せました。すると、宮崎県では、口蹄疫ウイルス・鳥インフルエンザ・新燃岳の噴火と、立て続けに自然災害が集中的に発生しました。

天孫降臨の地である宮崎に起こることは、雛型となって日本に転写する恐れがあることに警鐘を鳴らしました。下記の記事は、2011年3月6日に記したものです。東日本大震災は、この５日後に発生しました。

『おっ、こいつすげ～！予知能力でもあるのか？』と、思われたかもしれませんが、実は、この文章の元となる『伊勢白山道』氏の記事があります。

この記事を読んで頂ければ、すべて言い尽くされているのですが、箱根に置き換えて書いていきたいと思います。その前に一つ言い訳をしておくと、『そんな偉そうなことを書いて、お前だってリアルパワースポットとか言って、あおってんじゃね～か』と思われる人もいるでしょう。

私が、リアルパワースポットをご紹介しているのは、何でもかんでもパワースポットにしてしまうオールドメディアの誤った情報の修正と、森林セラピストとしての経験から、真のリアルパワースポットでより多くに人に大自然の癒しを体感し、ご自身の健康に役立てて頂きたいとの想いがあるからです。

そして、もう一つの隠れミッションとして（言っちゃってどうするんだ！）、『自然に癒して頂いたんだから、その地域の神社で、自然に感謝を捧げましょうね』という方向性に持っていきたいとの狙いがあります。生まれてからこの方、神社で祈願信仰しかしてこなかった人の意識と習慣を変えるのは、並大抵のことではありません。その取っ掛かりとなる切っ掛けの材料として「リアルパワースポット」を活用しようと考えたのです～。（言い訳終わり）

上記ミッションにご賛同頂き、書籍にしてみたいという志の高い出版関係者がおられましたら、気軽にお声がけください！

箱根・九頭龍神社・本宮

芦ノ湖の北東の湖岸に、九頭龍神社・本宮があります。小さな御社ですが、木々の緑の中に、朱色の社殿が映えます。普段は、静謐な森の中にひっそりと佇むような環境の中にあるのですが、毎月13日の月次祭（つきなみさい）になると様相は一変します。

元箱根から参拝船（月次祭参加者専用の遊覧船）に乗った参拝者が、大挙して押し寄せるのです。その参拝者の多くは、恋愛や縁結びを中心とする祈願参拝目当てのようです。メディアや、ネット等で煽られるので、致し方ないですね。

箱根神社もそうですが、特にこの九頭龍神社・本宮への多くの祈願参拝が、箱根のメイン観光スポットである大涌谷の噴火に悪影響があるのではと懸念しています。

2015年6月、箱根火山の観測史上初めて大涌谷でごく小規模な噴火が起こりました。結局、この年の5月から翌年の7月まで、大涌谷園地への立ち入りが規制されました。

そして、また 2019年5月に噴火警戒レベルが２に引き上げられ、大涌谷園地の立ち入りが規制されました。規制の開始や解除の時期が、九頭龍神社・本宮の例祭（本祭）である6月13日の前後であることが気になります。

上記の写真は、5月30日の仙石原の宿から見た大涌谷の写真です。山に向かって真剣に感謝の参拝を何度も何度も致しました。

九頭龍神社・本宮への参拝は、確かに月次祭の13日だと、参拝船が出るのでアクセスが楽ですが、その代わりに人が多く、朝早くに受付をしなければなりませんし、全部の神事が終わるお昼まで船が出ないので、それまで帰ることができません。

なので、月次祭以外の日に、ザ・プリンス箱根芦ノ湖の駐車場、まはた湖尻駐車場から徒歩30分かけて歩くか、電動アシスト自転車を借りてアクセスするのがお勧めです。また、お財布に余裕のある人は、箱根園・元箱根・箱根・湖尻から、モーターボートを利用するという手もあります。

九頭龍神社・本宮のある箱根九頭龍の森は、森林セラピーロードにも指定されており、森林セラピーにもとても適した森になっているので、神社の参拝に合わせて、ぜひ森の癒しも堪能していただきたい場所です。

他の神社での参拝も同様ですが、特に、この九頭龍神社・本宮での参拝は、感謝のみを捧げるように注意してください。俄かには信じられないと思いますが、貴方の参拝が『祈願参拝』か、『感謝の参拝』かで、地域の自然に対する影響が正反対になるのです。

人間の想い・想念というのは一種のエネルギーで、貴方が想像するより、はるかに強い影響力を持つのです。

懸念していた事が起こりました。2019年10月、台風19号の影響で、箱根町は降り始めから1000mmを超す豪雨（全国の観測史上1位）となってしまいました。箱根登山鉄道の線路は土砂崩れの被害を受け、芦ノ湖も氾濫して、九頭龍神社の桟橋も水没してしまいました。
九頭龍神は、水を司る神です。これは、『祈願参拝』に対する警告と、素直に受け止めるべきです。

箱根神社・元宮（もとつみや）

また、大涌谷の噴火警戒レベルが2以上で、大涌谷園地の入場が規制されている時には、駒ケ岳ロープウェーに乗って、箱根神社・元宮にお参りをしてください。

この箱根神社・元宮の建つ駒ヶ岳は、古代より箱根・大涌谷の霊峰・神山を遥拝する祭祀場でした。今でも、10月24日の例祭（御神火祭）は、北の神山を正面に拝して斎行されています。

勿論こちらでの参拝も、感謝のみを捧げる参拝が鉄則です。

駒ヶ岳山頂からは、芦ノ湖の眺望や、富士山の眺めも素晴らしいので、お勧めです。（雲が出やすい午後よりも、午前中の早い時間が、さらにお勧め！）

箱根にお出かけの節は、箱根神社に合わせて、駒ケ岳ロープウェーで・元宮にお参りをし、さらに時間に余裕のある方は、森林浴を兼ねて九頭龍神社・本宮に感謝の参拝をしてみてください。

箱根の旅を切っ掛けに、本当で本来の本物の参拝を、身に着ける機会にしてみてください。

伊豆半島も揺れ始めています。熱海の来宮神社・伊豆山神社での変なパワースポット祈願信仰も、やめましょうね！ 神社関係者も、商売に走り過ぎないよう注意して頂きたいです。以前、散歩番組で、来宮神社の大楠を回っていた若いスタッフに、俳優の出演者が「パワー貰ってるの？」と聞いたら、そのスタッフは、「巨木にパワーをあげてるんです」と答えました。神様に愛される人間が、どういう人か、分かりますよね！