心細し

春日大社の万燈籠を見に来ている。

大和の800年に及ぶ 夢と希望と願いが、燈籠の灯りとなって

古都の闇に揺らいでいる。

これは、前宮司さんとの約束。

約束と勝手に思い込んでいるのは私自身で

今は故人となられた宮司さんが、単に私を招待したに過ぎない。

縁あって処女作の随筆を宮司さんに献本すると、万燈籠にご招待を頂いた。

20年も前の話。

随筆の主が、その感性で、どのように万燈籠を表現するかにご興味があるようだった。

そんな趣旨のお手紙を頂いた。

当時の私には、その期待に応える自信がなかった。

それより先に、大宮司に自分を晒す自信がなかった。

それは今もって変わらない。

大切にしていた手紙は、どこに行ってしまったのだろうか


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