見出し画像

【内容一部公開】現場の問題解決・改善活動に役立つ1冊!――近刊『事例で学ぶ 実務者のための統計解析』

2023年11月上旬発行予定の新刊書籍、『事例で学ぶ 実務者のための統計解析』のご紹介です。
同書の一部を、発行に先駆けて公開します。



***

はじめに

本書は、著者が長年(約半世紀)にわたって市場調査・商品開発・品質管理・改善活動などの分野で体験した統計解析を事例としてまとめました。ご自身の課題に近い事例を参照し、手順どおりに計算すればよいように工夫することで、実務に役立つことだけでなく、統計学の考え方がわかることを追求しています。事実に基づく確かな意思決定ができる道具である統計学をスキルにして、産業界で活躍したい、販売、製造、研究開発、品質管理などのさまざまな業務の方々のための書籍です。

近年のコンピュータの進歩により統計学はめまぐるしい発展を遂げ、応用分野が広がっています。なかでも、ビッグデータ解析やベイズ統計学によるデータ解析は、将来の可能性を予測できることから注目されてきました。しかし、その将来に向けての方策展開の検討には、目前の現場の問題などの現状把握がしっかりとできていることが前提です。そのこともあり、最近はその現状把握のための統計学が見直されてきています。

そこで本書では、現場の現状把握に役立つ統計学の内容を充実させました。たとえば、

  • 低い不良率からのさらなる改善効果を検証するために用いるロジット変換

  • 測定が難しい特性を出来栄え順などに置き換えて行うノンパラメトリック検定

  • ある特性に大きく寄与する要因を発見するための実験計画法

などです。著者が会社員時代に統計学を学び活用するのに苦労した点を鑑みて、読者の方にわかりやすく活用しやすい統計解析の取扱説明書となるように工夫しました。

その特長は以下のとおりです。

  1. 「機械学習を含む多変量解析」と「ベイズ統計学」は他の専門書に委ねますが、その他の統計学の範囲である「データと確率分布」「パラメトリック検定」「ノンパラメトリック検定」「実験計画法完備型と直交配列表」「回帰分析」を詳しく解説しています。本書一冊で、現場の問題解決に役立つ統計学全貌の基本が学べます。

  2. 統計学の数理理論的な考え方は、「事例」の解答手順に従って計算を進めることにより容易に理解できます。

  3. 実際の現場の活用場面が想定しやすいように、身近な現場の「事例」を数多く集めています。

  4. 各章の重要事項を簡潔に章末にまとめ、読み飛ばしても差し支えのない箇所は【発展】として明確に区分しています。したがって、順を追わなくてもやさしく学んでいけます。

  5. 具体的な計算にはExcelの「データ分析」ツールを活用できるので、付録に「データ分析」アドインを登録する方法を記載しています。データ分析の「回帰分析」を用いれば、直交配列表による要因解析が容易にできることを解説しています。

(後略)

***

流通科学大学 名誉教授 野口博司(著)

【目次】
Chapter1 データ

 1.1 種類と尺度
 1.2 標本調査とサンプリング
 1.3 データのまとめ方(基本統計量)
 1.4 自由度発展
 1.5 データの見える化
 1.6 工程能力の評価
 1.7 箱ひげ図発展
 本章のまとめ

Chapter2 確率と確率分布
 2.1 確率と確率変数
 2.2 データの確率分布
 2.3 確率変数の期待値と分散発展
 2.4 中心極限定理発展
 2.5 統計量の確率分布
 本章のまとめ

Chapter3 検定と推定のための準備
 3.1 検定
 3.2 推定
 本章のまとめ

Chapter4 パラメトリック検定
 4.1 計量値データの検定と推定
 4.2 不良・欠点数などの計数値データの検定と推定
 4.3 適合度の検定
 本章のまとめ

Chapter5 ノンパラメトリック検定
 5.1 クラスカル・ウォリス検定
 5.2 ウィルコクソン検定
 5.3 ムッド検定
 5.4 ウィルコクソンの符号付き順位検定
 本章のまとめ

Chapter6 実験計画法のための準備
 6.1 実験計画法
 6.2 実験計画法の解析法の基本
 本章のまとめ

Chapter7 実験計画法
 7.1 基礎的な実験法
 7.2 分割法と乱塊法
 7.3 直交配列表による一部実施法
 本章のまとめ

Chapter8 回帰分析
 8.1 散布図
 8.2 相関係数
 8.3 単回帰分析
 8.4 重回帰分析
 8.5 重回帰分析の応用:直交配列表の要因解析
 本章のまとめ

付録 Excelの分析ツール
付表
参考文献
索引

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?