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なぜ相性考察は『同等かつ高いレベル帯』を想定する必要があるのか

こんにちは、森忍(@morinin_duelmas)と申します。
普段はデュエプレというDCGとワンピースカードというTCGをやっていて、ゲームを攻略するための発信活動を行っているものです。
発信内容の考察はひたすら論理的であることを目指しており、なぜそうなるのか、どう思考するべきなのかを突き詰めることを意識しています。
なので人によっては面倒くさい発信をしてる…と思うかもしれません💦

今回はそのカードゲームにおける重要事項、「相性考察」について考える記事です。カードゲーム全般に関連する話なので、デュエプレやワンピ勢の方だけでなく、色んな人が読める記事だと思います。


相性考察はカードゲームをやる上で大事な要素の一つです。

シェアの大きいデッキに有利なデッキを持ち込んだつもりが、実は不利だった…ということが発生すれば、環境読みもへったくれもありません。イタズラに弱いデッキを持ち込むことになってしまい、環境のどのデッキにも勝てない事態になってしまいます。

しかしこの相性考察、自身のデッキの強さを誇示したいのかかなり主観的な要素が混じり、本当に『考察』をしているのか疑問に感じることが多いものです。真に考察をしたいのであれば、様々な要因を正しく把握し、主観を排除して考える必要があります

今回はそんな相性考察について相性考察を「同等かつ『高い』レベル帯」に置くことの重要性と、関連して相性考察をする上で気を付けるべきことについて話をしたいと思います。

内容としては以下のものを書く予定です

①『同等のレベル帯』の重要性
- 先攻有利の検証と公認大会の戦績
- 練習を積んだ自分自身を想定する
②本題:なぜ『高いレベル』を想定するのか
- 一例 : 平均値と中央値の科学
- 実力帯によって有利不利が変わる⁉
- 高いレベルの想定
終わりにと調整グループの宣伝

なお今回も2時間で書くことを目標にしているので、途中の誤字脱字、文章の繋がりがおかしい所はお許し頂ければと思います。

それでは行ってみましょう!

※今回の話では具体的なデッキ名を出していることもありますが、おそらくすべてのカードゲームで共通する話です。
良ければ自分のプレイしているカードゲームに置き換えて読んで頂けると嬉しいです。

※最後にワンピースカード調整グループの公募があります。ぜひご確認頂けると嬉しいです。



『同等のレベル帯』の重要性


相性考察をする上で最も気を付けるべき事であり、当然のごとく考えて欲しい内容です。相性を考えるなら、自分と相手が同じレベルであること必ず想定して欲しいのです。

この文を読んだ時、多くの人が『モチロンそうだよね!』と感じると思います。当然です。そのくらい当たり前のことを書いていますから。

しかしこのことを意識し続けてる人がどのくらいいるかは甚だ疑問です。そうでなければ恐ろしくて『NEX(tier0)に有利!』『白ひげ(tier0)に有利!』などとは軽々しく言えないはずだからです。デュエプレ勢・ワンピースカード勢以外の方は、各々今まであった圧倒的tier1デッキで読み替えて下さい

モチロンそこにnoteを売りたいという気持ちや動画に引き付けたい、そこまででなくともブログやツイートを見てもらいたい、という考えがあって半信半疑ながら投稿している場合もあるでしょう。本心そう思っているケースと多少なりとも打算があってそう思っているケースがあることは重々理解しますし、それを咎めるつもりも全くありません。

しかしそれを抜きにしても、多くの人がこの『相性考察をする上で真っ先に気を付けるべきこと』を意識しているのかについては疑いの目を持つしかないでしょう。SNSを見たり、noteを見たり、話したり、ブログを見たり…
上記の思考が抜けてる資料を見ることは非常に多いものです。


公認大会の戦績


思考実験です。今ここに藤井聡太先生をお呼びして、とある実験を行います。将棋の先後有利について『アマ四段の筆者』と100戦やって検証するという実験です。
結果はなんと『先攻勝率50%』『後攻勝率50%』の五分!
一般的に先攻有利だと言われてきた将棋ですが、実は先後の有利不利などと言うものは存在しなかったのです!!



…ツッコミどころ満載ですね。このカラクリは藤井聡太先生が100戦100勝した結果、藤井聡太先生側が先攻になった回数がそのまま勝率になっているという話です。

さて、文章にして実際に考えて見るとなかなかに滑稽な話ではあります。しかしその辺に転がっている相性考察、似たようなことやってますよね?

「ランクマッチでNEX(今ならメンチ?)に8回当たったけど、全部勝ちましたね」

「現在公認大会で8回白ひげと当たりましたが、8戦とも白ひげに勝っています。白ひげに有利です!」

何度でも言いますが、各々自分の好きなカードゲームで置き換えた下さい

この文からわかることは、そのデッキがNEXや白ひげに有利だということではありません。一番わかる要素は、この文章の書き手が公認大会で当たるレベルの白ひげと戦う分には勝てるレベルである、という話です。あるいは8戦程度では何もわからない、と言う話かもしれませんが…

上の先後の有利不利検証の話を見た後であれば、実に滑稽な文章に見えてくるでしょう。そんな戦績からは本来であれば考察しない方が良いくらいです。書いた本人がどうすべきかは不明ですが、少なくとも読者はそう受け取るべきです

…実際問題の話としては、人がこのレベルで検証をしなければならないことは仕方の無いことです。今まであなたはどのくらい対戦してきたでしょうか?年間で1000戦やる機会がありましたか?
毎日のように練習する機会を持っている人は別ですが、一般的なプレイヤーは年間1000戦カードゲームをやることにすら苦労します。公認大会に出た回数を考えてみて下さい、冷静に厳しいはずです。

最後は普通に「嘘を嘘と見抜けない」にするべきでした


練習を積んだ『自分自身』の想定


さて、色んな問題が見えてきました。相性考察をする上では対戦数は足らないし、公認の戦績もあてになりません。勝ったとしてもそれはただの対戦者のレベル差かもしれません。

モチロン戦績は一つの要素としては考察して良いのですが、それよりもやることがあります。それは同等のレベル帯を持つ相手、つまり自分自身が対面の練習を積んだ状態を想定し、自分自身とそのデッキで戦った場合にどちらが勝てるかを考えることです。

この想像は非常に重要です。『レベル差で勝った』が否定できない状況よりも、自身が本気で練習したデッキと比較すれば『レベル差』という観点においては担保されます。

とにかく自分の中で「練習を積んだ自身と戦った時、本当に勝てるのか」を想像してみて下さい。そして、公認の戦績を考察に入れても大丈夫ですから、その上で上記の想像と比べて本当に考察が正しいかを考えましょう

そしてその上で相性考察すたう2デッキを自分で両方とも使ってみて、実際にどっちが強力なデッキなのか試してみると良いでしょう

以前のnoteで、私は白ひげでルッチに対して公認・非公認大会で7-0していると言いましたが、それでも白ひげがルッチに有利などとは言いません。自身がルッチを真面目に回して自分の白ひげと戦った時、あるいは実際に回してみた時、白ひげ側の自分がルッチに勝ち越すことは想像できなかったし、実際に厳しかったからです。


第一結論 : 同じレベル帯を想定しよう


さて、長ったらしく色々書いてみましたが、別にここまでの話に納得しない人は少ないでしょう。今まで同じことをやってしまった人も、多くの人がこのことを意識していないだけだからです。

そのため「同じレベル帯を想定しよう」という部分に関しては、そこまで掘り下げる必要はありません。youtubeやtwitter、noteなどいろんな場所で相性考察をする方、どんどんすれば良いと思うので、ぜひぜひこの部分に気を付けて下さい

この話、ここで終われば簡単な話ですね…

森忍がどんな人かなんとなくでも知ってる人達、ここで終わるとお思いですか?


本題 : 相性考察は『高いレベル帯』な必要がある


ここから書くのは『高いレベル帯』の必要があるかです。
ここまでで多くの人が同じレベル帯である必要性について納得してくれたと思いますが、自分は追加で高いレベル帯が必要であると考えています。

さて、相性考察とは何を知りたいものでしょうか?大会に持ち込む上での立ち位置でしょうか?デッキの本来の強さでしょうか?デッキの大会での勝率でしょうか?

今ここにわかりやすい例として、そして社会人になってしまえば程度に差はあれ多少は気にする、年収という指標を持ってきます。
平均値と中央値の良くある話をしているだけなので、読み飛ばして下さい。


中央値と平均値(読み飛ばして良いよ!)


こういう場でお金の話はあまりしたくないのですが、一番わかりやすい例がこれでしょう。ここで考えるのは『平均値と中央値』の話です。

平均値は中学生くらいの時に皆が学びますし、特に説明する必要はないでしょう。中央値とはすべての値を順番に並べた時、ちょうど真ん中の順位に位置する値のことです。

なぜこの『平均値と中央値』の話が出るかと言えば、この二つの値が大きくずれることがあるのに加え、捉え方によって平均値に意味があるケースと、中央値に意味があるケースが違うからです。

平均値とはすべての値を足してデータ数で割った値ですから、一人大きな値を持っている人、一人で2000万・3000万、場合によっては億のお金を稼ぐ人間がいれば、値はその人に引っ張られることになります

ここで平均値を見るべきか中央値を見るべきかは、どういった情報を欲しいかにしかよりません。全体での購買力を見るのであれば平均値を見るべきかもしれませんし、もしあなたが自分の年収に不満があって、他と比べたいのであれば中央値を見るべきかもしれません。

学生さんであればテストの点数でも同じことが言えるでしょう。

話がそれました。内容自体はどうでも良くて、ようはデータというものはどういった情報が欲しいか?重要な情報は何か?が常に問題になるわけです。
これは相性考察も変わりません


実力帯によって有利不利が変わる!?


さて、本題に入ります。相性考察は互いのレベル帯をそろえるべきですが、強さとしてはどのレベル帯で戦った結果を採用するべきでしょうか?
ここで『平均的なプレイヤー』と答えた方は、やはり前項を読むべきでしょう。平均というものが情報を得る上で正しいかは、欲しい情報がどんなものかにしかよりません。

もし考察をしたければ、デッキパフォーマンスを出し切れた場合の比較をするのが、デッキ同士の相性比較をするという目的には適っているはずです。

仮に平均的なプレイヤーが相性考察をする上で使われたとして、その人はそのデッキのパフォーマンスを出せているでしょうか
平均的なプレイヤーという定義がそもそも難しいですが、普通に考えれば『NO』が回答でしょう。理由は『平均的なプレイヤー』だからです。

平均的なプレイヤーをどこに置くかは難しいですが、仮に中央値という意味で置くならば、スタンダードバトルで2回戦に進めるかどうかのレベル帯でしょう。おそらくですがデッキの構造を理解しているプレイヤーだとは思えません。

さらに言えばデッキには扱う難易度と言うものが存在します。仮にいわゆる『ビート』というデッキタイプを握ったとして初級者と中級者の回し方に大きな差はないかもしれませんが、『コントロール』というデッキタイプを握った時、初級者と中級者の差は大きいかもしれません。

逆に『ビートデッキのリスクを考える』レベル帯に立った時、今度はビートはコントロールよりも難しいデッキになります。
「難しいデッキ」かどうかは、実はそのレベル帯による話なのです。


めんどいのでフリーハンド
青線が簡単なデッキで、赤線が難しいデッキ
緑とピンクで有利不利が変わることがあり得る

さて困りました。実は相性考察をする際に上のようなことは頻繁にあります
デュエプレガチ勢の方にとっては、ナイト対NEXやラッカ超次元対ネクラ超次元を想像するとわかりやすいでしょう。もともとナイトはNEXに有利とされていましたが、NEX側がライジングNEXを使った押し引きを体現した時にナイトに有利対面になり、最終的に五分くらいの対面に落ち着きました

白ひげのnoteを公開した際、白ひげでゾロに勝てません…と言われたことが良くありました。私は丁寧に13000ラインの意識と全受け、そして5t目にゲームを畳む方法を探ることの重要性をnoteに書きました。
実際それで勝てるようになったかは知りませんが、私は互いのプレイングの分岐的に、白ひげがゾロに負け越す可能性は低いと考えています。(実際のところこの結論は強者の間でも差がある気がします。後述する調整グループを作成する狙いの一つです。)

あなたも特定のプレイングが発見された時、対面の有利不利が覆ったことはありませんか


大会での長期結果をどう捉えるか


非公認大会では多くのプレイヤーが参加することがあります。レベルも高めながらバラツキもあり、スイスドローのツール次第では現代では戦績をまとめることも難しくありません。


一見一番良い方法に見えますが、この方法にも実は罠があります。デッキタイプには強いプレイヤーが好んで使うデッキというものがありそのデッキタイプは勝ちやすく、逆に初級者でも使いやすいデッキタイプは本来のデッキの性能以上に負けやすい可能性を秘めています。

3弾ナーフ前環境の白ひげは色んな人が握ったデッキでしたが、2弾環境は錦えもんが強者に好まれたデッキタイプでした。赤ゾロも十分強いデッキだったとは思いますが、初級者でもそれなりの出力が出せつつ上級者でも分岐の多いデッキだったので、色んな人に握られたデッキでした。
このことを考慮に入れると、実は錦えもんは実際の力よりも異常に強いデッキになり、逆にゾロは色んなレベル帯に使われるために、ややパワーの低いデッキに見えてしまいます

環境考察とはこれだけの色んな要因が絡んで起こっていることです。その要因をできるだけ排除するために、同レベル帯であることと高いレベル帯であることを維持する重要であること、ある程度理解してもらえたでしょうか?

とはいえ、この大会内での結果はある意味では正しいデッキ相性だともいえるでしょう。様々なプレイヤーがそのデッキを使った結果としてその勝率が発生したのですから、それは相性考察としての一つの結果だと思います


第二結論 : 高いレベルを想定するか、あなたの目的に合わせた考察をしよう


ここまででレベル帯をそろえるのと同様に、どのレベル帯を想定するかの重要性の話をしました。
その上で高レベル帯を想定する重要性を考えましたが、同時に考察とはあなたが必要とする情報次第で変わるものだという話もしました。

もし仮にあなたの目標が五割以上で大会を走ることであれば、前項のような実践データは非常に役に立つことでしょう。
逆に優勝が目標であれば、考えうる最善のプレイ同士の比較が重要になるかもしれません。

自分としてはデッキそのもののパフォーマンスを比較する意味で高レベル帯の相性考察をするべきだと思いますが、レベル帯を揃えることの意味は忘れないで欲しいと思います


終わりに


最後まで読んで頂きありがとうございました!


相性考察はなかなか難しいもので、意識して自分の主観を取り払わなければいけません

主観を取り払う意識がないと自分のデッキの完成度をいたずらに誤認してしまい、最終的には自分が使ったすべてのデッキが強いという意味のわからない構造が発生します。

noteやtwitterで発言してる人は、一般的なプレイヤーより強い人が多いでしょう。そのことは重々承知していますし事実だと思います。ぜひそれを理解して「ああ、今のは相性的には悪かったけど、計算で何とか勝てたな…」ということに自覚的になりましょう
その自覚ができた時、あなたの環境への考察力や理解度は飛躍的に上昇するでしょう


そして告知ですが、現在調整メンバーを募集しています

私が作りたいグループの内容としては以下のような形で行い、問題点と疑問点を明確に洗い出し、順に解決できるようなグループです。下は自身が現在所属しているデュエプレというDCGの調整グループで、こんな形の調整をするグループを作りたいと考えています。

【デュエプレ】2週間限りの調整チームとその活動録【BA6th振り返り】|牛乳|note

目標は大きく、チャンピオンシップでの日本一・世界一としています。そのため一定の実力は求めますが、それよりも熱意と言語化に対する姿勢を重要視したいと考えています。

募集要項は以下のツイートの通りです。
期限は4/2(日)、つまり今日中ですので、ぜひよろしくお願いします!

今回の相性考察の話、そしてこの調整グループの募集が色んな人に届くことを願って、今回は筆をおきたいと思います。

今回の話がみなさんの役に立てば幸いです。

森忍(@morinin_duelmas)


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