見出し画像

アイネクライネナハトムジーク(映画)で漏れたため息の理由。

「あ、佐藤じゃん。」

画像2

大好きな大好きな伊坂いくえみ作品、アイネクライネナハトムジーク。やっと映画を見に行けました!!そしてこちら……原作や漫画とは少し違う視点で語られました。

というか、オムニバスだけど原作では語られなかった部分をですね!補填!!原作またはコミックを読まれた方は必見の映画です!!!!!補填されちゃいますよ!!!!!びっくりした。

そう、佐藤の恋の話がやっと見られて、それも具に……めっちゃ嬉しかった……。そこ気になってた……。佐藤、最後のテロップまで「佐藤」だったけど…(意味深

しかし途中「いやもしかしたらこれは伊坂節が出るのでは」と何度かこっそり思いましたが、そうはなりませんでしたのでもろもろその辺はご安心ください。誰も死なないし、苦しみません。←

いや、ちょっとは苦しむかもしれないけど、それは恋やなんかのキュっとした切なさであり、くすっと笑わせてもきます。
和ませておいて落としてくるのでは、と思いますがそうもなりませんので本当にご安心下さい(しつこい)。

一回ふられたりして、悩んで、一緒に過ごした時間と相手を思い出し、出会いの奇跡を考える。何人かのそんな、しっかりしつつほわわんとした恋のお話で……

……だってみなさん見たでしょ?アヒルと鴨のコインロッカーも、ゴールデンスランバーも見たでしょ???あれが伊坂さん映画でしょ???←

でも!だから!!これは!!!
いくえみ綾作品だから!!!!!

すごく安心して見てほしい、「誰か」の小さな夜のお話。

今泉監督、ありがとうございます……たくさんの素敵な恋と人生をそっと見られました!!

原作やコミックを読んだ人は、画面の中にそこはかとなく溢れる小物のディテールに「あぁ、」と思うでしょうし、読まずにきた人は「なぜ?」と新たな疑問を抱くでしょう。そこには、主婦が昨日決別した小さなデバイスもたくさん登場しました。

震災以降にこうして大画面で客観的に仙台を見たのは初めてで、自分の目で見てきたよりもなんかこう……ホッとしました。
もちろんこれから先も、海側は何もない風景が続くことになりそうなのは知ってるけど……仙台に住む人の生活は、こういう風にまた日常を進んでいくんだなぁ、と思えました。

強いて言うならこのあと10年の話も見たかったし、なんか新しい恋の矢印も感じた!!あー、続編出ないかな〜。

えー、それと。劇場でおばちゃんの隣の席もまた同様に知らないおばちゃん達だったのですが、佐藤のあの場面では自身を含む全員が

「あぁ……」

と、彼女と同じような気持ちになって声が漏れたことを今泉監督にお知らせしたいです。あれは本当に心から、……心の底から、ため息が出ました……。

もう一回、見に行かねば。

画像1

ただ、大画面で何度も黒くてカサカサ動くアイツを見るのも「うへぇ」と声が漏れますが。