人生、転職、やり直しゲーム 第一章

【輪仁(りんじん)さんの土地】

「優順(ゆうじゅん)さん、まってください、隣の家の輪仁さんに、
庭の土地を売ってくれるように
私が交渉しましょうか?
優順さんの土地は、店舗だけ壊して、
アパートを建て、
自宅を残してみては?」

「ええっ、できるの?
でも、輪仁さんは、庭に車を停めているから、
簡単にいいよとは言わないと思うけれど…」

「あのぅ、無能さん、輪仁さんと揉めたくないんだけど」
優順さんの奥さんが麦茶のお代りを入れながら言った。
「隣の輪仁さん、庭を駐車場に使っているから、
売らないと、私は思う。
アパート建設の話は、
なかったことにしてけれ」

まずいな、ちょっと前まで、
「相続税対策しておいて、
孫が出来たら土地とアパートを相続出来たらなぁ」
なんて言って浮かれてた癖に。

会社には、優順さんからもうすぐリッチ
(立地契約、アパートを建てられるか検査させてもらうプロセスの契約)
取れそうだ。
銀行からの融資ができたら、
すぐ、着工できると報告してあるのに、
やっぱりやめるなんて言ったら
会社から文句を言われるのは俺だぞ。
ノルマが達成出来ないじゃないか!

「自宅を残せるよう、
上手く、私が隣の輪仁さんに言ってみます。
隣の庭ですが、
いくらでしたら購入しますか?
路線価にもよりますが…」
夫婦の希望は60万円だった。
(路線価とは、土地に税金をかける時に基準にする地価)
「わかりました。
家は残す、店舗は壊す、隣の庭を購入するということで、
立地審査しますね。
この立地審査書にサインをお願いします」

「審査するのはええが、
隣の輪仁さんが土地を売るのを嫌がったら、
計画は各紙に戻してくださいね」

「わかってます」

優順さんはサインした。
リッチ、取れた!
何が何でも、輪仁さんには土地を売ってもらって、
アパート着工までこぎつけるぞ!

【キャッシュカード】へ進む



このゲームの取り扱い説明書を見る

投げ銭大歓迎です。