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異動ブログ

morioです。
本日10月1日付けで希望による部門異動をしました。
2017年2月に今の部門に異動してから今まで何をしてきて、何を考えて、何をしたくて異動したのかを記しておきます。

■今まで何をしていたのか

最初の一年は技術自体の検証や、UnityやAzureの勉強を兼ねてHoloLensデモアプリの実装などをしていました。
個人アプリリリースはできなかったのですが、イベント登壇などでチラホラ成果を出せる程度にはなりました。いまだにUnityよくわからんですが。

いろんなイベント、勉強会に出かけて知見を得ながらコネクション作りにも励みました。ここでの出会いは今とても大きなものに育っています。
HoloLensコミュニティにもスタッフとして参画するようになりました。
登壇や記事を書く機会も多く、組織の目標(会社のプレゼンスの向上)と自分の活動がうまくマッチして良い結果を出せたと思います。

二年目はメンバーが増えチームもできてきたので「新しいビジネスを創る」をテーマに活動しました。
お客さん向けに企画・提案をしたり他社とのパートナーシップを計画、推進したりなど行いました。
成果としては某社とAR/VRガイドの開発をしたり某社と協業を進めたりできました。

活動の比率はだいたい
 ・エンジニアリング20%
 ・マネジメント30%
 ・企画、提案30%
 ・プレゼンス向上活動20%
くらいだったでしょうか。
後半はほぼエンジニアリング部分は無かったですね。
プレゼンス向上活動というと会社のためみたいになりますが実際は個人の趣味もあり、土日も使っていろいろしてました(今も継続中)。

遊んでいたら記事にしてもらったり、

映り込んだり、

ダウンロード

委員になったり

Microsoft MVPを受賞できたりと、

数年前の自分からしたら考えられないような変化がありました。
我ながら非常に運が良かったと思います。

■何を考えたのか

R&D部門に所属していると、どうしても顧客との接点を持ちづらいところがありました(弊社特有の事情なのかもしれない)。
着々と市場が育っていく中、自分が止まって見えた(というか実際に止まっていた)のが非常に歯がゆかったです。
今、xRの市場に弊社は存在していません。コミュニティでは存在感が多少はあるかもしれませんが、顧客が「xRを使って何かできないか、開発パートナーはいないか」と考えた際、想起される企業集団の中に我々は入っていません。
どうにかして「あの会社でxR扱ってたな」と思ってもらえる存在になる必要があります。

xRの市場を考えた時、そう遠くない未来にSIerの登場機会が出てくると思ってます。
日本の企業の構造からして、エンドユーザー側のエンジニアでxRという技術を使ってシステムを構築し、保守し、拡張させていくのは難しいだろうと考えるからです。
とはいえ、xRベンダーがPoCの実施から運用保守までをすべて行うのもまた難しいでしょう。少数精鋭でアクセル全開でぶっ飛ばしている企業にとっては保守運用フェーズまでケアしてあげるのはリソース的に厳しいと考えるためです。
よって、そのエンドユーザーとxRベンダーの間に、我々のようなSIerが存在することに価値が生まれるのではと考えています。
xRのベンダーとしてであれば周回遅れレベルではすまないくらいの差がついてますが、SIerとしてであればまだ第一集団に入れるのでは、という希望的観測を持っています。
逆に、「あともう一年しっかり準備、計画してから参入しよう」となると、SIerの中でも取り返しのつかないくらいの差がついてしまうのではと考えました。

ただ中間にいて搾取するだけでは意味がありません。
SIerもxRという技術を用いてどう顧客業務を効率化できるのかを考えられるようにならないといけないと思います。
甘い考えではありますが、xRIer(xRインテグレータ?こんな言葉は無い)としての生きる道を創りたいです。

これからxRの市場は成長していきます。
日本国内の市場は2023年で34.2億ドルの市場に成長するとのIDC予測が出ています。

「成長してから参入すればよい」という戦略もあるでしょう。そのほうが失敗するリスクは小さいでしょうし、市場規模も顧客ニーズも把握したうえで参入できます。
ただし、私は今の時点で勝負したかったのです。

私は幸運にもxR界隈に多くの知人を持つことができました。
皆さんすごい方ばかりで、SNSを見ていると毎日のように素晴らしい功績や研究結果や協業のリリースなどを目にします。
それを見るたびに称賛の気持ちと共に、自分自身への歯がゆさや焦燥を感じます。
企業内の一員としてxRの職務に従事していて、市場に対して何もアプローチできていない事実に辟易していました。

こうした状況の中、ビジネスとしてxRに従事しxRで自社の名前を有名にしたいと願い、社内公募制度に賭けることにしたのです。
無事に合格を頂き、xR事業を継続することも許可してもらい、この度の異動と相成りました。

■これから何をするのか

研究部門ではなく、実際にビジネスをおこなっている事業部に異動します。
実ビジネスとして顧客にxRで価値を提供できるような案件、サービスを創っていきたいです。現場の作業者を支援できるような製品を提供したいです。ビズデブというのが当てはまるかもしれません。

皆さんもご存知の通り、ガートナーのハイプサイクルからVR/AR/MRが無くなりました。

もはや技術的な面白さ、「作ってみた」「やってみた」ではなく、ビジネスとして顧客に何を提供できるのかを本気で考えないといけないフェーズが来たのだと理解しています。

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もちろん、触覚やテレイグジスタンスに関する領域など、まだまだ研究が必要な技術が残っていることは承知しています。
具体的には、下記の未来を実現するために不足している技術が多くあるでしょう。

バーチャルリアリティ技術・夢ロードマップ「バーチャルリアリティーが拓く生きがいのある社会」

キャプチャ

とはいえビジネスとしては
「これができないから(デバイスが〇〇だから)顧客に価値を提供できない」
ではなく
「こういった制約があるけどこういったアプローチで価値を提供する」
という考え方をしないといけないと考えています。

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ある著名な方はこれからのxRについてこのように語りました。

ただ作れればよかった時代は終わり
 クライアントの目線で考える素養が必須

下記の記事からの引用となります。

数多くの顧客案件をこなしている方のご発言だけあり、非常に参考になる心構えです。
下記の記事でも書きましたが、「物理的作業を支援することが目的で、完璧なAR環境を作ることが目的ではない。重要なのはどれだけ作業者を支援できるか」ということと同じ意味だと理解しています。
「本当に価値のあるxRとは何か」を考えると、顧客の課題解決のために何をできるかに尽きると思います。

もしかしたら顧客が必要としているのはxRでは無いのかもしれません。
その場合に「それはこちらの方法で実現しましょう」と助言できることがSIerの強みになるでしょう。

詳細は伏せますが、私が異動する先はエネルギー系の顧客がいる部門になります。ここでxRを使ったサービスを創っていきます。
xRのニーズが非常に高いことをすでに感じています。
この産業におけるAR活用でトップ獲りたいです。
いつか社内にxR事業部を創るのが目標です。

■その他

今までよりはオフィスに出社する機会が増えそうです。
せっかくの機会なので通勤時間は本を読んだり映画を見たりブログを書いたりする時間に活用します。

では。

2019/10/1 morio





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