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ライブビューイング会場には推しがいる。信じろ。


信じろ。それでこそオタクだ。

先に宣言しておこう。
この文章は100%自己啓発で構成されている。
自分を鼓舞するために書いている。

なぜ、そんなことをする必要があるのか?

僕が水樹奈々のライブビューイングにまったくモチベーションが上がらないからだ。

非オタクのために説明しておく。
2019年3月23日に「NANA MUSIC LABORATORY 2019 」というライブが行われる。
ナナラボと略すそうだ。

会場はひめぎんホール。
キャパシティは3000人ほど。水樹奈々ライブの箱としてはかなり小さい。
象を犬小屋で飼うくらい無茶な規模感である。

こちらの公演に参加するためには、抽選に申し込む必要がある。
そのためには、CDシングルに付属されている応募シリアルをゲットすることが、オタクたちのミッションだ
まあ、おなじみの商法である。

しかし、このミッション、なかなかにインポッシブルだ。
トム・クルーズすら半泣きになるだろう。

抽選は大激戦。ほとんどが戦いに敗れ去る。
当然、ライブ難民が大量に現れる。
そのまま、アメリカの国境を越えようとしてトランプ大統領がブチ切れるわけだ。
ちがった。あれは移民か。

ともかく、僕もそんな難民のひとりである。
宗教上の理由で、シングルを1枚しか買わなかったのだから、順当な結果であろう。

そして、このほど、ナナラボのライブビューイングが発表された。

ということで、これで難民も万事解決めでたしめでたし。磯野、野球行こうぜ………………………………って、そんなわけないよなあ?

失礼。取り乱した。
ここで、みなさんにひとつの問いを投げかけたい。

ライブビューイングって、ぶっちゃけ意味なくないすか?

いや、僕もはじめてライブビューイングに行く際は、その可能性にワクワクもした。
日本全国、いや、世界中でひとつのライブを共有できる。
ライブ会場が無限に拡大していくビジョンに未来を感じた。

2013年。水樹奈々ははじめての海外公演を行った。場所は台湾である。
そのライブビューイングが実施されることになったのだ。

僕もひとりのオタクとして、推しが世界に羽ばたく瞬間を目撃できるのはうれしいし、世界のオタクのキモい姿が全世界にさらされることが大変楽しみだった。

実際、初の台湾公演は大成功だったといってもいいと思う。
その後も、シンガポール、上海など海外公演を実施できているのは、その証左である。

けれど、僕自身が、ライブビューイングを満喫できたかといわれると、疑問が残る。

うーん……いいや。いってしまおう。

これ、ブルーレイで観ればよかったんじゃね?

そう思ってしまった。
パセラでブルーレイの上映会するのと、大差ないと思ってしまった。

ぼくが水樹奈々のライブにバカのひとつ覚えみたいに何十回も通うのは、鳥肌が立つからである。

圧倒的なパフォーマンスを目の前で見せつけられて、理性ではなく、生理が興奮する。

それが病みつきとなってしまった。
ほかとは代えがたい快楽のために今日もライブに通う。
立派な水樹奈々ライブ中毒者のできあがりだ。

けれど、ライブビューイングにはそれがない。
ちょっといい音響、ちょっとデカいスクリーンで映像を観ているだけである。

そこには、ライブとは根本的にして、絶対に埋まることのない溝がある。

だから、映画館でライブのまねごとをしても意味がないと思う。

だから、立ち上がってペンライトを振ることになんの意味があるんだろ、と冷めた気持ちになってしまう。
ほんとうに嫌なオタクだ。劇場で見かけたら、ポップコーンを後頭部に投げつけてほしい。
ほんとにやったら、そのポップコーンをサイリウムでバックスクリーンに叩き込むけど。

ともかく、ライブビューイングはライブとは似て非なるものなのだ。少なくとも僕にとって。

となると、ビューイングにはビューイングの楽しみかたを見つけるしかない。
けれど、残念ながら、まだそれは見つかっていない。
だから、モチベーションがあがらない。
まずい、誰か助けてくれ。

と思っていたら、先日、知人の女性からライブビューイングについておもしろい知見をえた。
簡単に紹介しよう。

まず、彼女は2.5次元舞台のオタクである。
2.5次元の舞台は千秋楽ともなると、とにかくチケットがとれないそうだ。

舞台という性質上、あまり箱を大きくするわけにはいかない。
だから、倍率がえげつないことになる。

ゆえに、ライブビューイング文化が盛んなんだそうだ。
むしろ、現場のチケットはとれなくてあたりまえなのだろう。

そんなオタク女性はこんなことをいっていた。

「演者はライブビューイングの客を煽ったり、呼びかけないほうがいい。なぜなら、そんなことをされると、ライブビューイングにいるオタクは自分がライブビューイング組であることに気づかされるから」

至言である。
ライブビューイングにいるオタクは、現場にはいけないけど、現場にいるつもりで推しを応援する。

身体は映画館、心は現場。
身体は映画館、心は推しとともに。

そんな気持ちで虚無のスクリーンに精いっぱいの声援を送る。
もちろん、声は届かない。いや、届かせるのだ。

それなのに。

そんな決死の覚悟のオタクに、あろうこと推しは、「ライブビューイング会場のみなさ~~~~~~~~~~~~~~~~ん」という言葉を浴びせかける。

率直にいって、鬼畜の所業である。
私がいる場所は映画館ではない。現場だ。
そんな信念、あるいは思い込みをあろうことか推し自身に破壊されてしまう。
むごい。むごすぎる。

この事例からこんな問いが浮かんでくる。

ライブビューイングとは、
①ライブなのか
②豪華な映像なのか
③ライブビューイングなのか

先ほどの女オタクの事例から、公式が①だと思っていないことは、はっきりした。
ならば、③の路線を目指すべきだろう。
だが、現状ではライブ体験そのものの縮小再生産にとどまっている。

現場が最高なのは決まり切っている。
そんなことはあたりまえ。うだうだ抜かすな。わかったなら、もっとCDを積め。

でも、このままじゃ、まったくこちらのモチベーションもあがらない。

たとえば、「アイドルマスター」あたりでは、ライブビューイング前提みたいな風潮があるそうだ。
そのへんの折り合いをどうつけているのか聞いてみたい。

自己啓発するつもりが逆の結論になってしまった。
誰か俺のモチベーションをあげてくれ。頼む。

(終わり)

(補足)
このテキストは、本文中にもでてきた知人に大きな示唆をえた。
感謝して、記しておく。
Twitter:せりな @saijyo_kai

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ビールおごりたい!
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ななし

声優、読書(ミステリ中心に全般)、日本語ラップ、が好きな都内の会社員。20代。読みやすい文章を心がけてます。読みづらかったら教えてください。連絡先:nanashi.note.nanashi☆http://gmail.com (☆→@に)

オタク長文

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コメント5件

あと、当然だがBDとLVでは映像も音も違うので同一視はとうてい出来ないかと
>あやひさま
コメントありがとうございます!

>同一視はとうてい出来ないかと
うーん、映像も音もちがうのは当然の前提なんですが、僕にとってそれが「わざわざ高い金を払って、時間を使う価値」が見出せない、という話なんですね。
もちろん、価値を見いだせる人はかまわないんですが、僕個人はLVというコンテンツに価値を感じません。だから、モチベーションがあがらない。
それを一般化する気はまったくありませんし、誤解されないよう、そう書いてもいます。
ゆえに、冒頭に100%自己啓発と断っております。
そうですかー高いですかー…
書いてから、いうて自分もお奈々のLVってそこまで面白かったのないなぁって思いましたが、遠征代とチケ代に比べれば大分手軽に見れるからいいなぁって思ってるので、ちょっと噛み合わなかった感じですね
あとは単純にBD待ってられないってところが価値かな…と
あやひさま

値段に関しては相対的な問題ですね。
BDよりはやく観れるという指摘はおっしゃるとおりです。映像化されるまでの期間が長いと、我々もそのときのことを忘れてしまいますからね。ある意味での「先行者利益」というやつなのでしょう。
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