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「新卒で就職、3年後に転職、13年目に休職、今フリーランス」職業人講話 vol.1

21.8.5 職業人講話 in アイビーエージェント。職業訓練のとあるクラスの皆さん向けに、これまで歩んできた私の生き方についてお話させていただきました。参加者は20代から40代までの女性の方が4名。私自身、大きな偉業を成し遂げているわけではありません。しかしながら、自分の人生随所で様々な決断をしてきました。その時々で、感じていたこと、考え抜いたこと、決断の決め手になった出来事、そして決断した結果どうであったのか。そんな経験が、他の人への気づきに少しでもなれば、そんな想いでお話させていただきました。

本記事では、前半で登壇の内容を振り返り、後半はアンケートでいただいたご意見などもご紹介していきます。今の生活に、ほんの少しでも違和感を感じている方、話し手の意図と聞き手の受け取り方、両方の視点からこんな生き方もあるんだということを感じてもらえればと思います。

■登壇スライド
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1.新卒で就職、3年後に転職、13年目に休職、今フリーランス

大学を卒業し、最初の就職は富山のIT企業。大学三年生の冬。誰に相談するでもなく、学科が情報系だったことから、就職先はIT企業かなと漠然と考えていました。あとは、多少の長男の自覚から、せめて北陸にはいようかなという程度。大学主催の合同説明会に参加し、おもしろそうだなと思った富山の企業に応募。最初にもらえた内定で、そのまま就職先を決定。

いざ入社してみると、そこはなかなかに素敵な環境。毎日のように怒号がとびかっている(会社全体がそうというわけではありません)。いわば、心理的安全性の低い環境。同じプロジェクトのメンバーが次々と離脱していく。他の会社を知らない私にとって、その状態の良し悪しの程度すらわかりませんでした。そんな中でも、心に決めていたのは、ひとまず3年間は続けよう ということそれくらい勤めてみないと、この会社の本質のカケラすら見えない。そんな状況で次を判断しても、おそらく本来の意味での次にも繋がらない。

仕事では質問しても多くはその前段の言い回し等で突っ込まれ、聞きたかったことの回答にたどりつけないことも多々。あげくのはてには、全然違うことでお説教が始まり、当然仕事も予定通り進まない。その当時、同期入社の5人でよく夜中にファミレスにいき、お互いの傷をなめあっていたのを今でもよく覚えています。それでも、自分の特徴である負けず嫌いを武器に、時には休日に上司の家に乗り込んだり(ちゃんと事前に承諾をとってから行ってます)、あの手この手を試しながらなんとか仕事を進めていきました。

そして、3年に1日足りないところで退職。ずっといるところではないなと感じ始めていた矢先、福井からやってきた親から言われた感情的な話もあり、頭の中はそろそろ福井に帰ろうかなという方向に。退職後、次の就職先のあてもなく、次に向けての準備もゼロ。なのになぜか、次の4月から間を空けずに働かなくてはという、そんな恐れにも似た焦りを感じていたのを今でもよく覚えています。

今となっては、一社目はこれくらい厳しい環境でよかったと思っています。
得られたのは「自分の負けず嫌いの精神が通用するという肌感」
自分の特徴を活かし、自ら行動することで、困難な状況も打開していける。そんな小さな手応えを感じることができたのは大きかったと思います。

二社目は福井のIT企業。
入社して感じたのは「なんだこの緩さは!?本当にこれでいいのか」という前職とのギャップ。最初の一年は、このギャップに戸惑うことが多い一年でした。とにかく、なんでも確認なしで進めてはいけなかった前職。その感覚で、細かく確認していたら言われた「ちょっとは自分で考えてやって」という一言。この会社では「自分で考えてやっちゃっていいんだ」とハッとさせられました。

企業文化は本当に大切だと思います。
企業文化の違いで、こんなにも働いていて感じ方が違うものなのか。
この会社には「声をあげればやらせてもらえる」そんな風潮がありました。入社してから3年目の夏、関西でやっているセミナーにどうしても行ってみたくて、上司に相談しました。時間帯は平日の昼間。「行ってきていいんじゃない」とあっさりでたOK。あっけにとられつつも、会社の時間とお金を使わせてもらいセミナーに参加してきました。この出来事がきっかけで考えるようになった、個人と企業で感じる1万円の価値の違い。個人ではある程度大きく感じる金額。しかし、企業にとってはその1万円で学んだ技術で、何十万の仕事をしてくれれば問題はない。しかし、そう考えるようになってから湧き上がってきたもう一つの疑問。

「多くの同僚たちは、どうして同じようにしないのだろうか?」

皆が毎日忙しく働いている会社でした。もちろん私も例外ではなく、普通に仕事をしているだけでも、帰りが20時、21時になってしまうような状態。ということは、単純に仕事を仕事としてだけ考えている人にとって、単にそこまでやる時間も気力もない。皆が自分と同じではない。自分が良いと思うことを皆が良いと思うわけでもなく、自分が良しと思ってやっていることを皆が良しと思ってやるわけでもない。つまり、自分をスタンダードだと考えない方がよい。少なくとも、自分が良かれと思っても、同じ前提で人に押し付けてはいけない。

会社が大きくなってくると、その大多数のための新たな仕組みの整備が必要となる。それに費やされる時間も増加し、その時間にも社員の給料は支払われる。社員の給料を上げていくためには、一人がこなす仕事が増える。頑なに自分の守備範囲を守り続ける人もいるので、献身的に働く人はさらにこなさなければならなくなる。ますますなくなっていく時間。少しずつ感じてきた違和感。あれ?なんでだろう。給料があがっても、そんなに嬉しくない。そして気づいた、自分の中でのプライオリティ「ヒト >>> モノ・カネ」

「チャレンジ休暇制度」
会社に無給で籍を最長一年間おいておける制度があった。違和感を抱えたまま働くのが難しくなり、思い切って家族に相談した。仕事としての仕事ではなく、人生という括りでじっくり考えてみたい。一年間、チャレンジさせてほしい。妻はこれに協力してくれた。不安はあったが一年間という期間限定、しかも「ダメっていっても、やるでしょ(笑)」といろいろ見透かされていた。そして、一年間の休業へ。家族が理解を示してくれたことが本当にありがたかった。

マガジン:チャレンジ休暇 - 生き方に向きあう一年 -https://note.com/morishu1108/m/m7875095c1da3

新型コロナウィルスの影響が大きく、当初のプランは総崩れだった。これまで毎日の食事を考えてくれていた妻の本当の意味での苦労、こどもたちの成長に触れられることのありがたさを休業の期間で実感することができた。そして、一年後。退職という道を選択しフリーランスに。

「自分の人生は常に自分事」

さまざまな家庭環境や、仕事の状況等、ついつい何かのせいにして、決断を委ねることも多い世の中だと思う。しかも実際、そうせざるを得ないというケースが多いのも事実だと思う。それでも、やはり自分の人生。いろんな条件を踏まえた上で、自分の人生は自分で決断する。これがとても重要なことだと、今強く感じている。自分で決めるということは、腹をくくるということ。その覚悟が間違いなく納得感を生む。たとえ結果がどうであっても、自分事だからこそ、次も自分事として考えることになる。

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2.ナレッジ「心理的安全性」

これから次の就職に向けて学んでいる皆さん。第二部では、こんな観点でも是非職場を判断していってもらえたらという意図で「心理的安全性」についてご紹介しました。
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「心理的安全性」が不足していると引き起こされる4つの不安。
「心理的安全性」と「責任」。これらが、セットになることで生み出される「学習し合い協働できる状態」。そして、これがチームの生産性の向上に大きく寄与する。前前職の心理的安全性はとても低かった。前職は逆に高かった。だからこそ、長い期間勤め、居心地もよかったのだと思う。

小難し話だったということもあり、少々眠たそうな人(笑)もいたので、駆け足で話、気を取り直して次は手を動かしてもらうワークショップへ。

3.トライ「プログラミング体験」

お子さんがいらっしゃる方も多いと聞いていたので、PCN武生でこどもたちと楽しんでいるIchigoJamというコンピュータをつかったプログラミングの体験を用意。伝わるといいなと思っていたのは、「やってみるとそう難しいものではない」ということと、「この活動でこどもたちに何を伝えていこうとしているのか」の二点。やってみること、すなわち体験してみることが、大人にとってもとても重要。

終了後には座談会

こどもが小さく子育てに追われて余裕がないという方、身近にSEの方がおられて感じている不安や心配事、大学生の息子さんの進路、わたしが学生時代どんな学生だったのか等、いろいろと質問してくれたことにお答えしました。必要とあらば訪問してご相談にのりますよなんていう話も。そして、終了後にアンケートにもご協力いただきました。

参加者アンケート結果

今回の講話はいかがでしたか?

大変よかった100% (4名中4名)

今回の講話を通じて何か気づきはありましたか?

気づきがあった100% (4名中4名)

気づきがあったとお答えいただいた方はどんな気付きがありましたか?
今まで家族を優先させることが多くて仕事も家庭のためにやっていた感じでしたが、これからは自分のためにやれる仕事を探していこうと思いました。

ご家族を大切にされている点素敵だと思います。そこにプラスαして、自分の納得感も得られる働き方を是非模索していってもらえたらと思います。

自分のことではなく、少し大きくなった息子に聞かせたいと思いました。私の人生は、今、子育て中心でそれを自分で納得して自分らしく両立していきたいと思いました。相手のWinを想像するという言葉は、私になかった発見でした!

息子さんがもう少し大きくなったら、是非いっしょに話せると嬉しいです。これがきっかけかどうかは別として、その頃には「今人生楽しんでいるよ」ってさらっと言える生き方しているかもしれませんね。

自分の価値観など見つめ直してみようと思いました。子どもの時からプログラミングに遊びながら触れる場があり、いいなと思いました。以前保育士をしていたので、保育園でもプログラミングの体験などをしていただけたら喜ばれそうだなと感じました。

先日、幼稚園でプログラミングの講座も実はやらせてもらったところでした。キーボードに触れ、プログラミングされたもので遊び、身近に感じてもらうという楽しむベースのことでしたが、楽しんでもらえたようでした。

社会全体が終身雇用からかわってきていて、仕事に対する考え方が多様になってきていて、こんな生き方もあるのだなぁとうらやましく感じました。自分のゆずれない所を大切にしていこう!と思いました。

これまで生きてきた中で、ゆずってしまうと自分らしくなくなる所がきっとあると思います。それは、今後変わらないかもしれないし、変わっていくかもしれない。定期的に立ち止まりながら、今どうなんだろう?と、リアルを認識していけるとよいかと思います。

興味がもてたものがありましたら全て選択してください

第一部 75% (4名中3名)、第二部 100% (4名中4名)、 第三部 75% (4名中3名)

今回ご参加いただいた感想、ご意見等
楽しい授業をありがとうございました。
仕事や転職、様々なお話を聞き、考え方など自分を見直すきっかけになりました。
楽しいお話でした。地蔵盆等、参加して活動さてることをみたいなと思いました。
プログラミングは息子も興味を持っていたので、今度は息子と参加してみたいと思いました。私も自分の人生なので、楽しく続けられることを見つけたいと思いました。

皆さんの気づきに微力ながらお力添えできたことが、一番うれしかったです。話が進むにつれて、次第に気軽にいろいろと質問してくれるようになっていった感じも、話していて楽しかったです。

最後に、こうした機会をコーディネートしてくれる、担当の方に心から感謝したいと思います。本当にいつもありがとうございます。ありがたいご縁を大切に、今後も楽しんで生きている人が増えていくことを願って。私自身のストーリーも日々アップデートしていきたいと思います。

サポートを歓迎します!皆さんのサポートを社会やこどもたちに還元していきたいと思います。