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キッズサンガ2020 in 御堂陽願寺-テラミライプロジェクト-

昨年は一泊二日の合宿としての開催だったキッズサンガ。
今年はコロナ禍の影響も考慮し日帰りの開催となりました。
当日はとても暑い日でしたが、好天に恵まれ、プログラミング体験、写経体験、こども縁日に水風船バトルと盛りだくさんの内容で15名の小学生たちとお寺で素敵な時間を過ごしました。

キッズサンガとは

「お寺に集うこどもたち」という意味の造語です。
お寺という場所で、こどもたちに普段なかなかできないような体験をしてもらい、お寺をより身近に感じてもらいたいという想いが込められています。
こどもの頃に印象に残った体験は、その後の彼らの人生を確実に形造っていきます。こうして大人になった今のこどもたちが、過去の体験を振り返りながら、またきっと次の世代を創り上げていってくれる。
こうした継承の意味でも、今年中止するのではなく縮小の形ではありますが、実施できたということは非常に意味があることだったと思っています。

開催から、少し間があいてしまいましたが、イベント当日の様子を振り返っていきたいと思います。

開会式からスタート

受付をすませて席についたこどもたち。
まずは、お寺ということでみんなで仏様に合掌礼拝でご挨拶。
家にお仏壇がある家も少なくなっている近年、こうして正座をして仏様に手を合わせる事自体ほとんどなくなってきているのではないでしょうか。
こどもたちも一列に並んで座り、金色の内陣を目の前に自然と背筋が伸びているのが良く分かります。

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合掌礼拝の後は席に戻り、まずはチーム内で自己紹介。今年もチームを4つに分けたので、まずはチームのメンバーを知ってもらうところから。いきなりフリーで自己紹介というのは厳しいのかなと思い、名前、学校名、学年、この夏楽しかったことを言ってみようという流れにしたのですが...

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初対面の子と話すのは恥ずかしいのか、うまく自己紹介がお互いにできていないチームもちらほら。小学校では、あまりこうしたことを改めてやらないのかもしれませんが、大きくなるにつれて数多く自己紹介をする機会がやってきます。
学校であまり教わらないことでも、将来大切になることは数多くあります。そういったことを、こうしたお寺でのイベントで練習してもらうのもひとつな貴重な体験になるはず。実は、イベント後の運営メンバーの振り返り会でも、この自己紹介に関して意見があがりました。しっかりとこどもたちが自己紹介できるような流れを、来年はとりいれていく予定です。

プログラミング体験

開会式後、午前中は2時間みっちりプログラミング体験。
IchigoDakeというコンピュータを使いプログラミングの基礎から学び、後半はカムロボというロボットを動かすプログラミングを使って、チームで課題に取り組んでもらいました。課題は、本堂の縁側に用意した5つのコースの攻略。本堂の縁側は、よく風も通り気持ちの良い環境でした。

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この課題の意図は、TRY & ERRORのサイクルをいち早く回すことが、早期の課題解決に繋がることを体感してもらうこと。これからの時代、特にこの感覚が重要になると確信しています。だからこそ、こどもたち自身に体験してもらい、そこから自分で感じとってもらいたい。小さなところからかもしれませんが、こうした積み重ねが、主語を自分にして生きることに繋がっていくのだと思っています。

写経体験

プログラミング体験を終えて、昼食は地元のお食事処「さの」さんのおにぎり弁当。今年は、運営メンバーの中で食事についても多くの意見交換がありました。せっかくなので、昨年のようにカレーをつくって皆で食べたい、けれどもコロナ禍の安全性を考えると買ってきたものがいいのではないか。最終的には今年は安全性を選択し、地元でお弁当もやっているお店にお願いすることになりました。昼食後、こどもたちからも、大人からも「おいしかった!」という声が多くあがっていたので「さの」さんに感謝です。

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昼食を終えて、ご住職から写経についての説明を聞いて体験スタート。
午前中は比較的ワイワイとやっていた印象でした。
それが一転、午後からの写経体験では落ち着いた空気に。
こどもたちが想像をはるかに超えた集中力をみせてくれました。
一文字一文字鉛筆で書き上げていきます。
静まりかえった本堂で聞こえるのは蝉の声と鉛筆の音のみ。
大人たちが驚きと歓心の表情を浮かべていたのがとても印象的でした。
きっとお寺という場所の力もはたらいている。

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こども縁日

1時間弱の写経体験の後は、お隣の超恩寺さんに移動し、わなげ、射的、ボールすくいのこども縁日。
冒頭にも触れましたが今回チーム戦です。決められたルールの元、チームごとに作戦をたてて、各ブースで高得点を狙いにいってもらいました。

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優勝賞品は陽願寺さんの「テンプルスイーツ詰め合わせ」。この時点ではまだ内緒です。一緒にやりたそうにしていた、参加者の弟や妹たち。せっかくなので幼稚園児チームを作って参加してもらいました。

チームのメンバーをまとめるのに苦労しているチームもあるようでしたが、それも貴重な経験。ただ遊んでいるだけのようにみえて、ちゃんとこどもたちには経験値が溜まっていっています。

水風船バトル

こども縁日で遊んだ後はお待ちかね、大人vsこどもたちの水風船バトル
1000発の水風船がこどもたちの武器なのに対して、大人の武器はこころもとない小さな水鉄砲のみ。こどもたちの目はキラッキラに輝いているのに対して、大人チームは心の準備も途中のまま、早速スタートの合図!いざバトル開始!!
無限の体力で無邪気に襲いかかってくるこどもたち。
開始早々に息切れしている大人たち。
若いお父さんが急遽参戦してくれたのがせめてもの救いでした。
結局、全員全身ずぶ濡れ状態。本当に暑い日だったので、気持ちは良かったのですが、もうちょっと体力つけておくべきだったなと小さく反省。

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時間終了後、こどもたちから追加ラウンドを望む声が多数。
急遽、第二ラウンドを時間短縮版でやることに。こうなったら、残りの体力を使い切る覚悟でやるのみ。

そして、大人チームは撃沈。

正味10分程で水風船1000発を使い切ったこどもたち、まだまだいけるといった表情でした。来年はもっと沢山用意して、もっと体力をつけて臨みたいと思います。来年は大学生にも手伝ってもらおう。
バトル終了後、しっかりとみんなでゴミ拾いをしました。
こんな企画をやるというにもかかわらず、快く場所を提供していただいた超恩寺さんには本当に本当に感謝です。
おかげで、こどもたちのこどもたちらしい最高の笑顔がみれました。

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最後に閉会式

水風船バトル終了後、陽願寺さんにもどり着替えた後は、おやつタイムのアイスでクールダウン。こどもたちはまだまだ興奮冷めやらぬ様子。
一方、大人たちは山を超えたという安堵感と体力を使い切ったお疲れの表情。疲れた表情をなるべく見せないようにと思いながら、私もお寺っぽく作務衣に着替えて閉会式に臨みました。

閉会式では昨年同様、華葩という花びらを模した紙をこどもたちに一枚ずつ配り、イベントの感想をかいてもらいました。それから、今日楽しかったことを挙手で発表してもらいました。開会式のまだほぐれていない空気とは違い、仲間たちと一日いろいろな体験を通して同じ時を過ごした後の閉会式はしっかりとほぐれた空気に。何人もの子が手を挙げて、この日感じたことを発表してくれました。

一番楽しかったと人気があったのは、やはり水風船バトル。
来年もこれはやるしかないですね!!

チームの成績発表後、優勝チームには優勝賞品が授与されて、今年のキッズサンガは無事終了しました。怪我や熱中症、コロナ感染もなく無事最後までとりおこなえたことが何よりもよかったです。

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今年は小学生の夏休みも異例の短さでした。
こんな時だからこそ、なんとか夏らしい思い出をこどもたちに届けたいという想いがありました。ただ、当然のことですがわたしの力だけでは、到底足りません。これらを実現できたのは、同じ想いをもつ親御さんたち、いつも力を貸してくれるPCN武生のスタッフたち、そしてお寺という場とお寺さんたちの力に他ならないと思います。

来年はできれば二泊三日で開催したいと考えています。
今年は異例の年でしたが、昨年の一泊二日でもまだまだ時間が足りません。
より多くの体験をお寺に集う仲間たちと共に行い、そこでの出会いや経験が学校や学年を超えた関係を築いていく。そして将来、ここから巣立っていったこどもたちが、同じ想いで次の世代に貴重な体験の機会をプロデュース。そんな素敵な連鎖を目の当たりにできたら、今やっていることは成功だったといえるのだと思います。

感じたことを元に活動を拡大していくと、お金のことをよりしっかり考えないといけなくなるのは必然の流れですが、あえて私はそこが一番にならないように、今後も想いファーストで動いていきたいと思っています。本当に良いものになってくれば、お金だってきっと後からついてくるはず。むしろそうなってくるくらい研ぎ澄ませていく方に時間も頭も体も使いたい。

そのために、これからもせっせと種を蒔き、時には水もやりながら、自分自身ももちろんレベルアップしていけるよう、引き続き回遊魚のように絶え間なく動いていきたいと思います。

サポートを歓迎します!皆さんのサポートを社会やこどもたちに還元していきたいと思います。