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農耕民族vs狩猟民族

今日は風が強い
淡路島の冬はたいてい強風で風速7、8mの日もザラにある
私が住んでいる西側は特に風が強い
東側と比べて車の査定額が変わるといわれるくらい潮風による塩害がひどい
車も建物も錆びて朽ちる

引っ越してきた頃、地元の大工になんでこっちに来たんだ、東の方が良いのにと言われた
昔から淡路島では建物を建てるなら東で、西は耐久年数がもって10年だからと敬遠されていたようだ

今、西側は開発ラッシュの真っ只中だ
毎月のようにどこかで工事が始まっている
もともとサンセットが綺麗な西側は、おしゃれなカフェやグランピングを配置するのには絶好の立地である
西側は今観光客で溢れている

オセロの四隅のように、不動産業界では立地が重要視されている
良い立地をおさえれば、その間はひっくり返り、点から面に転換する
嗅覚を持った企業が、元来価値の低かった西の土地を安く買い、そこを起点に面を取り、それらを10年の間に回収する見込みで攻めているのだろうか
あっぱれである

西側の今の状況をあまり良く思っていない地元の人は多い
私自身も10年後の淡路島はどうなるのだろうという一抹の不安はあるものの、外地から来た私にとっては今の淡路島、特に西側には非常に大きなチャンスを感じている
この波に大いに乗っかり、財力と脚力をつけてその後の10年を支えていけば良いと考えている
そもそも、黒船が来た時点でもはや抗うことは出来やしない

先日地元の大工が休憩がてら家に来て煙草を吸いながらいつものように話始めた
淡路島の人はおしゃべりな人が多いように思う
「農地は絶対買ったらあかん。商売するならなおさらや。」
どうやら農地に建物を建てるには、そこが自分が買った土地であってもその周りの農家や住民すべてに許可を得る必要があるそうだ
もともと農地だった場所は、ずっと昔から周りの農地と協力して水の流れや水質などを守るためにかなり細かな設計がされていて、ひとつが建物に変わると近隣の農地にかなり影響が出てしまう
だからたいてい誰かが反対する
そうなれば商売おろか家すら立てられない土地になるとのことだった

農耕民族が狩猟民族に勝った瞬間である

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