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【オリジナル曲】Utopia - モリタクロウ (2020.2.3 六本木CLAPS)

ここは荒野の果て 
いわゆるユートピア 

いつでも 
望めばそこにある 
誰も苦しまない 

あの人はそう言うけど
なんとなく
腑に落ちない 

少しだけ 
覗いてみれば
理想など
理想に過ぎない 

生きにくいわけじゃない
生きにくくしているだけ
勝手に 

目を奪われたたもの
あなたの手の中に 

優しく微笑んでる神様を
欺いてる 


これ以上
なにを欲しがる? 
そのままで
美しいのに


言い訳はいつも
心と違う場所
深まる隔たりに
足を取られる日々 

そんな風にいつも
奪い合ってるから 

見ろよ
目の前の世界は
泣いている 

ひとつだけ できるのは 
祈るだけ
祈るだけ 

風のように
雨のように 
身を委ね
祈るだけ


悲しい声がする

あまりに小さくて 
誰も聞こえていない
誰も聞こうとしない

優しい声がする

あまりに遠すぎて 
誰も聞こえていない
誰も聞こうとしない 

助けを呼ぶ声は
あまりに大きすぎて 
みんな耳を塞ぐ
誰も聞こうとしない 

怒りに満ちた声
血の滲む手のひら 
何かが壊れる音
誰も聞こうとしない 

眠ったまま
僕は走って 

君はいつも
同じ寝言を言って 

呼吸は
知らぬうちに乱れていって 

誰の顔も
わからなくなる 

ひとつだけ できるのは 
祈るだけ
祈るだけ 

風のように
雨のように 
身を委ね
祈るだけ 

守り続けてきた
愛する家族たち 
いつかは

ここは荒野の果て
かつてのユートピア 

気づいたら、この曲を再生して泣いていました。
自分の曲を聴いて泣くなんてなんてナルシストな、と思いますが、初めて演奏したこのライブのこのテイクは自分にとって特別であり、自然現象の一つとして"let it happened"させることのできた数少ない機会でした。

この曲を書いた時、世の中が大きく変わり始めようとしている最中で、オーストラリアの森林火災が発生しコロナが報道され、僕は身の回りの状況に疑問と期待を抱いていました。

あまりにも唐突に、あまりにも自然に生まれ、あまりにも自然に演奏できたこのテイクは、何か眩い光を生んでいました。

その光を追いかけようとしたことが、よくなかった。
この曲は、「何事も自然に起こさせること」の重要な意義を、今の僕に教えてくれています。

意図を超えたその先にある、繋がり、温かさ、永遠の瞬間、愛、ひらめき、パトス、モメンタム、インスピレーション。

意図して出会うのではなく、全てに任せた時に初めて生まれることたち。
その瞬間を愛し、その瞬間に100%を委ねた時に何かが運んでくれる完璧なエネルギー。

歌詞の内容も、今読むと分かることがたくさんあります。

曲に書かされる瞬間。
これは、僕がこの宇宙に対して最も感謝する瞬間かもしれません。

誰に聴いてもらわなくとも、「それ」が存在したことは、僕の中で永遠なのです。

この二人のエネルギーは、全てを超越してました。
感謝しかありません。

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