行政書士超入門

片づけが好きだ。たまに片づけの仕事を請けることもあり、ありがたいことに喜んでもらえている。人のものを片づけることは、その人の人生の一部を見せてもらうことでもある。人によっては目を背けたくなるような生々しい話を知ることもあるが、私はそういう話を聞かせてもらうのがとても好きで、むしろそうして語りを聞くことが本来の片づけなのではないかと思うこともある。いつか記者や編集者の仕事がなくなったら片づけや終活や遺品整理を専業にしたい。どうせならただの片づけではなく、遺言や相続や成年後見人制度のように人生そのものの片づけにも関わっていけたらいいのではないか。そう考えて、いわゆる財産目録などを作れるのはどんな職業なのかググったところ、行政書士という資格が出てきた。

行政書士というものがまったくわからなかったのでまずTACのテキストを買った。

これは私のように本当に何も知らない初学者に向けた教科書以前の入門書らしい。まずはこのテキストを読みながらnoteをメモ代わりにお勉強していくことにする。

行政書士は町の法律家と言われ、要するに法律に関わる書類を作ってあげる人だ。代理人として本人の代わりに作れる書類は主に3種類ある。

1.官公庁に提出する書類(会社設立など)
2.事実証明に関する書類(財務諸表など)
3.権利義務に関する書類(遺言書など)

私が知りたい遺言書や遺産分割協議書は権利義務に関する書類に含まれる。

書類を作るだけではなく、代わりに申請をしたり、あるいはただコンサルタントとして相談に乗ることも行政書士の仕事になる。コンサルなんてカタカナ職と関わりをもつ人生になると思わなかった。いやまだなっていないのだが…

行政書士の業務範囲は名目上1万種類にもなるが、実際の業務範囲は限られる。

1.会社設立(定款/発行人の決定書/就任承諾書の作成など)
2.許認可申請(建設業/運輸業/飲食店の開業に必要な許認可申請など)
3.国際関連(帰化申請など)
4.運輸関連(自動車の新規登録や車庫証明の作成など)
5.遺言/相続(遺言書/遺産分割教義書の作成など)
6.新規分野(成年後見人や著作権登録申請など)

独立開業するだけが行政書士ではなく、会社の法務部に入ったり、宅建士や社労士などほかの資格とあわせて仕事をする選択肢もあるという。「行政書士事務所」の看板を出せるだけかと思っていたので、お得感がある。

1.事務所を開業する
2.会社の法務部で働く
3.法律事務所で働く

試験科目は大きく6つ。それぞれに点数で重みづけがされていて、メインの科目は行政法。次に民法、一般知識、基礎法学と続く。一般知識がかなりの割合を占めているのが意外だ。しかも合格基準は単独で40%以上だという。法律だけじゃなく社会のことを知らんやつに仕事はできんぞというメッセージだろうか。

1.基礎法学(憲法)…28点
2.民法…76点
3.行政法…112点
4.商法…20点
5.基礎法学(裁判制度)…8点
6.一般知識…56点

ということでお勉強は基礎法学(憲法)から始まる。私は社会常識がないのでこの社会がどうなっているかをあらためて知れるのも楽しみだ。まず自分のちらかった頭の中を片づけていくことになるのかもしれない。

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