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クリスマス・イブの朝にジョナサンで

クリスマス・イブの朝、鍵と定期を忘れて出かけてしまったので近所のジョナサンに入ってキャベツハムエッグサンドモーニングを頼んだ。朝のジョナサンは初めてだ。意外と客が多いことに驚く。サンドイッチがやたら旨いことにも驚いた。

葉山に引っ越してからもうじき2年になる。東京より自然に近い、というか野生に近い環境を子どもは楽しんでくれているようだ。週末にさんざん遊び腹を空かせた子どもと、へとへとになった私がたびたび訪れたのがこのジョナサンである。

外食も子どもがいるとやることが多い。ベビーカーをたたみ、子どもイスを持ってきて、エプロンやナフキンを準備する。メニューを開くと「お父さんクルマ見ようよ」と子どもがおもちゃ売り場に行こうとする。食事中も子どもがふざけてテーブルに乗ろうとするのを注意したり、食べこぼしを拾ったりで、仕事以上に忙しい。

まわりを見れば家族連れも多い。ふざけた子どもを叱りつけている親がいれば、口をアイスでべとべとにした孫を心配そうに見ているおじいさんもいる。見ず知らずの家族がそれぞれにあわただしくやっている姿はなんとなく安心する。ファミリーレストランというのは家族がそれぞれの時間を持ち寄る場所なのだ。

ジョナサンに入るのは18時くらいなので店を出るころにはもう日が暮れている。満腹感と、無事に食事を終えた達成感を胸にベビーカーを押し、家まで10分あまりの距離を歩いていく。夜の散歩だ。「見て、お月さまだよ」「ほんとだね、よく見つけたね」などと言いながら、ごとごと、ごとごと歩いていく。

それはいいとして鍵と定期はどうしたものか。

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