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多様性ってやつはないほうが楽よ

つるの剛士さんのブログ記事が好きだったので「自国ヘイト作品を展示するアート展なんかに子どもを連れていくわけがない」というツイートに驚いた。驚いたけどリツイートしている人の中にはきっと知り合いがいる。自由というのはそういうことだ。子どもは親の影響を受ける。わたしの父母はリベラルだったのですくなからず影響を受けたし、自分の子どももおそらくその影響を受ける。つるのさんの子どももおそらく影響を受ける。自分の子どももいつか好きな人の言葉に驚いたり、悲しんだり、怒ったりするときがくるだろう。

思想や信条のちがいはただの好き嫌いとちがうので厄介だけれど、自分の正しさがただ一つの正しさではないとわかるのはいいことだ。いま正しく見えることも時間が経てば花がしおれるように正しく見えなくなっていく。生物の進化がかならずしも目的をもっていないように、ものごとが正しい理由なんてわからないことがほとんどだ。この世にただ一つの真実なんてないことを子どもにはわかっていてほしい。

ブレイディみかこさんの「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」には、中学生の子どもと多様性について話す場面がある。「多様性ってやつは物事をややこしくするし、喧嘩や衝突が絶えないし、そりゃないほうが楽よ」「楽じゃないものが、どうしていいの?」「楽ばっかりしてると、無知になるから」。みかこさんは子どもに言う。「多様性は、うんざりするほど大変だし、めんどくさいけど、無知を減らすからいいことなんだと母ちゃんは思う」

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