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バルミューダ的

バルミューダの発表会にTKOの木本武宏さんが来たんですよね。メーカーがテレビを呼ぶためにタレント呼ぶのはめずらしくないんですけどバルミューダが芸人さんを呼ぶのは初めてなんですよ。それまでの発表会は元不良で元バンドマンの社長がひたすら「俺の情熱」をプレゼンするというエモエモな発表会だったので話を聞いたときはかなり意外でした。最近は関西で初めてテレビCMを流したと聞いたし、バルミューダもついに家電メーカーっぽいことをするようになったのか〜〜と思ったのですね。4年前に「総合家電メーカーになるんですか」と聞いたとき「いや、それじゃカッコ悪い」とロックに答えていた社長が、発表会の冒頭で自分たちのことを「家電メーカーです」と言ったのも感慨深いものがありました。ベンチャーみたいに見えたバルミューダもいまじゃ100人超の中小企業ですしね、いつまでも俺が主役のロックンロールやってるわけにはいかないですよね…

と思ってたんですが、TKO木本さんと社長のトークショーがめちゃくちゃ盛り上がったんですよね。まるで編集者が雑誌のために企画した対談みたいな完成度になっていました。デジモノステーションが全文載せてるので興味ある人は読んでほしいんですけど、メーカーの発表会にタレント呼んだトークショーで普通に記事として成立すること自体かなりめずらしいんですよ。だいたいわかると思うんですけど、この手のトークは「顧客層」「訴求点」「話題性」みたいなもので作られたあくびが出るような台本を読むだけのやつが多いんです。結局芸能ニュースで発表会のことにふれるのは「どこどこの発表会に出席した誰それが」くらいなので客寄せとしてはそのくらいでいいかなと思うんですけどバルミューダは盛り上がった。なんでかといえば簡単でもともと木本さんがバルミューダ推しだったからですね。「アメトーーク!」でバルミューダの扇風機を紹介した話をしただけで肝心の新製品の話をまったくしなかったのは大丈夫かって感じですけど、トークショーだけで記事ができるくらい盛り上がったのでよかったんじゃないかなと思います。

思うのは結局ストーリーじゃなくて人なんですよね。先日あるプロモーション代理店の人から社会課題を解決する製品ってストーリーを見せられて「どうでしょう」と相談されたことがあったんですけど、「そのストーリーに情熱をかたむけている誰かがいたら、その人を中心に話題ができるんじゃないでしょうか」という答えになったんです。メーカーの担当者でもタレントでもインフルエンサーでも誰でもいいんですけど、その人が尋常じゃない情熱をもっていることが伝われば、良い意味でも悪い意味でも吸いよせられる人が出てくるのはふしぎじゃないと思うんです。ただ人を中心にするにはその人に対する敬意や配慮みたいなものをもっていないと難しいんですね、本質はかならず見透かされるものなので。そういう当たり前のようで難しいことをできる人が社内にいるのがバルミューダの強みなのかもなと今回のトークショーであらためて思いました。外に見えている部分のバルミューダ、バルミューダ的なものってそういうところなのかもしれないです。

※写真は新製品のGreenFan C2ってやつ

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