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意外と知らない?マジックテープの発明のキッカケとは?

こんにちは 広報担当のナギです。

先日、家の掃除をしていたら、節分で豆まきした時の豆がひょっこり出てきました。ちゃんと片付けたつもりが、意外なところに紛れていました。この時期ならではのあるあるです。

意外な場所で発見します

豆とは少し違いますが、「こんなところに?」というモノは他にもあって、私はよくこれと戦っています。

ひっつきむし


小さな三角形の種がいろんな場所にくっつきます

これは「ヌスビトハギ」という植物だそうです。小さな三角形の種が衣服などにくっつきます。通称ひっつきむしでお馴染みの植物ですね。

ヌスビトハギは小さくて、衣服についてもなかなか気づかず、そのまま洗濯してしまい、別の衣服についてしまうことがあるのです。見つけたら手でつまんで取るのですが、マジックテープ®のようにしっかりと張り付いていて、簡単にはとれません。

ひっつきむし界で一番メジャーなものは「オナモミ」でしょうか。子どもの頃よく、お友達に気づかれないようにつけて遊んでいました。ひっつきむしと呼ばれるものは、他にもいつか種類があるそうで、ゴボウの実もそのひとつ。実は、このゴボウの実からこれまでに使ったことのない人はいないであろう商品が発明されたことを知っているでしょうか?

子どもの頃よく遊んだオナモミ

マジックテープ®の発明のきっかけ

それは「マジックテープ®」です。

いまから74 年前の1948 年、愛犬を連れて山奥の狩猟に出かけていたスイス人のジョルジュ・デ・メストラル氏は、自分の服や犬の毛にたくさんの野生のゴボウの実がくっついているのに気がつきました。

不思議に思った彼は、その実を持ち帰り、顕微鏡で覗いてみると、その実は無数の鉤(カギ)でできていて、その鉤が衣服や犬の毛にしっかりと絡みついていたのです!これにヒントを得た彼はこの構造を応用して、何年も施行錯誤の末、特殊ナイロン糸を使用して、無数の鉤と輪で構成された面ファスナーを作りだしました。

ゴボウの実(ひっつきむし)が発明のヒントに

日本では1960年、2本の布がピタリとくっつき、着脱が自在な「魔法のテープ」という意味の『マジックテープ®』の商品名で、株式会社クラレが最初に生産・販売を開始しました。

マジックテープ®で有名ですが、これは商品名で、一般名称は『面ファスナー』といいます。英語では「Hook-and-loop fastener」です。「magic tape」と言っても通じないのでご注意を。

欧米での商品名は『ベルクロ』。フランス語で「ベルベット」を意味する Velourと「鉤」を意味する「Crochet」を組み合わせた造語だそう。

細かいフック(カギ)とループ(輪)が並んでいます

全国に広がったキッカケ

モリトはマジックテープ®の日本国内総代理店として1960年から取り扱いを始め、国内のマジックテープ®は、当社を経由して流通しています。取り扱いを始めた当初は、なかなか受け入れられず、採用いただけないことが続きましたが、3年をかけて自動車のフロアマットに採用され、また、その翌年の1964年に東海道新幹線の座席シートのヘッドレストのカバーに採用され、その名が全国に広がったといわれています。

ヘッドレストのカバーのズレ防止に利用されています

進化はつづく

ひっつきむしから発明されたマジックテープ®は、赤ちゃんの衣服から、お年寄りの衣服や介護の場面でも、なくてはならないモノとなりました。また自動車の座席シートの組み立ての一部に使用されたり、宇宙服にも使われるなどあらゆる場面で利用されています。

使用される場面に応じた、強度や柔らかさなど多くの進化を遂げてきたマジックテープ®は今、従来の性能はそのままに、素材の変更、生産時の環境負荷物質の排出を抑制するなど環境への配慮も進められています。

こんなところにも!見えない進化は続いています。

「マジックテープ」は株式会社クラレの面ファスナーの登録商標です。