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人が感動するためには、何が必要なのだろうか

最近ずっと考えていることがありまず。それは『感情と伝達』です。
もともと考え出したきっかけは、どういうビジョンの在り方がメンバーを熱狂する上で重要なのか。

色々な組織をwevoxを通してみていると、明らかに合言葉がある組織とない組織が存在します。そしてない組織の方が、メンバーの意欲も低く組織としても弱い。

ただ言葉自体はどこの組織にもありふれていて、それがメンバーの感情に紐付いていないだけ。合言葉が存在する組織と何が違うのか。

情報と感情をどう結びつけるか

以前、チームラボ社が開催しているチームラボボーダレスに行った際に、漢字を触ると生き物や言葉の意味に変換されるというアートがありました。

このアート何がすごかったかというと、

従来人が人に伝えるために作った、『漢字』という情報に『意味』という色をつけることで、とてもつもなく感動するものに変わった。

ということでした。その時僕の中では、

伝えることを意識するツールは、情報量が少ない。例えば、数値や言葉などは相手に伝わるために、情報量を削ぎ落としたものだ。

感情に訴えるツールは、情報量が多い。例えばストーリーや写真や音楽などは、第三者に伝えづらいが、見た人聞いた人はとても感情が揺さぶられる。

ということに気づきました。Objectiveやビジョンを決めたあとに、KRやKPIを決めると、どうも熱量が落ちるのは、情報量が少なくなっているので、感情が揺さぶられていないからなのか。

例えば、wevoxという僕が運営しているサービスは、組織の状態を定量化します。この定量化は、とても伝達しやすく相手には伝わりやすい。
一方で、情報量としては少ないので、感情には届きづらい。

OKRが1-2年前から爆発的に流行っているのは、この情報量と感情を結びつける有用な手段であるからと認識しています。個人的にはMBOの100%達成を目指す目標の作り方とOKRの60%達成くらいを目指した高い目標の作り方の目標の作り方ではなく、『ワクワクする目標を定量化する』という情報量の少ないKRに意味をもたせるプロセスが秀逸なんだろうなと。

情報に意味をもたせるだけでいいのか?


数字や言語等の人に伝わりやすいツールを使うときは、どう感情を動かせるかが重要です。そしてできることであれば、キングダムの政のように、人が熱狂するような伝達をしてみたい。

http://blog.livedoor.jp/hobiii-kingdam/archives/1011444096.htmlより引用

これは何が違うのか。ちょうど別の機会に『感動のメカニズム』の論文を読む機会がありました。感動は感情が揺さぶられた最上級に起きる事象だと考えています。

人の感動は喜びで生まれるパターン悲しみで生まれるパターンがあるようですが、共通しているのは、『結末への関与(感情移入)』『期待と不安(うまくいくかどうか)』『緊張からの開放』という3つが重要だと。

ふむふむ、これってOKRの立て方で出てくるルールと似ています。KRはできる限り現場のメンバーで考え、60%くらいで達成できそうな期待と不安が入り混じった目標を掲げ、3ヶ月後に、自分たちの予想を超えたムーンショットで緊張からの開放(達成)が起きる。更にそのサイクルを短くするために、Checkinとwin-sessionが存在する。

つまり『結末への関与(感情移入)』『期待と不安(うまくいくかどうか)』が生まれるような状態を作り、全員で『緊張からの開放』を経験する。

『情報に意味を持たせられればいいだろう』と考えていましたが、『期待と不安』も重要なのか。確かにスポーツでも戦いでも、明確に人が呼応するシーンでは、『勝てるか負けるか分からないが、絶対に勝たないといけない』瞬間に起きている気がします。

流行る仕組みには、人の感情を揺さぶる良いエクスピリエンスが存在している。これはプロダクトもOKRのシステムも共通化しています。

ビジョンはどうあるべきなのか?

上記にあてはまると、期待と不安が交わる感情移入できるものが重要ですそしてビジョンは組織で使われる情報のすべてのトップに存在する必要があります。

以前の僕は言葉とイメージを繋げられれば、感情を揺さぶられるのではないかという仮設を立て、ビジョンボードをチームで作っていました。
自分たちの掲げたビジョンの周りに、それをイメージする写真を自分たちで貼っていく。こうすることで情報量の少ない言葉に、意味やイメージをもたせられる。

ただ今振り返ると、感情移入は出来ていたかもしれないが、『期待と不安(うまくいくかどうか)』を生むという観点では、少し漠然としていたかもなと感じています。

以前話を聞いたLoco Partners社では、ミッションを自分の言葉にするようなプロセスを全員合宿でやっているようです。メンバーが増えるとこういう動きも大事ですよね。

感情を揺さぶれるプロダクト・組織が強い

これからの時代、組織やプロダクトを作る上で、参加者の心を揺さぶることは益々重要になってきています。SaaSも組織も同じ。
正しく伝えること以上に、人の感情を揺さぶることの方が価値が上がってきています。

最近ハマっている『オール・オア・ナッシング ~マンチェスター・シティの進化~』のペップ監督のように、選手の心を揺さぶり高みを目指せる人になりたいと思う今日このごろです。

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