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エンゲージメントってあくまでも社員の状態でしかない

組織や従業員にとってのエンゲージメントという言葉を、色々な場面で聞くようになったが、あまり研究的な部分や出てきた背景が知られておらず、用語も、カタカナで分かりづらい為、かなり幅を持った解釈やビジネス面では都合のいいように使われている場面が多いと感じています。

違いや背景は先週だした記事を見ていただきたいです。

結果少し胡散臭い言葉(マジックワード)になりつつあり、色々な方とお話していると、

・エンゲージメントは理解しているが、エンゲージメントの中には不要な要素がある。
・エンゲージメントを高めるためには、社員に与えないといけないから、ぬるい組織になる。
・社員にとっていい環境にすれば、エンゲージメントは上がるよね?とりあえず〇〇をすればエンゲージメントは上がるよね?

・・・といったような言葉をよく頂きます。

その度に自分の中では???となり、色々と質問をさせていただくと、

・エンゲージメントは、すぐに上がる何かだと思っている。
エンゲージメントではなく、その会社で実施しているサーベイの項目について話している。
・エンゲージメントは、社員に何かを与えることで上がるという概念で話している。
エンゲージメントを高めれば、戦略がなくとも組織のビジョンが達成するという間違った方程式を元に話している。

という話に着地するケースが多い。特にエンゲージメントの項目の具体的な話になると、サーベイの項目の話になりがちだが、サーベイの項目はあくまでも各社・各団体の意図が入り、作られたもの。

wevoxも、元々は数問で構成したサーベイを作っていたが、結果を見ても漠然としていて思考が深まらない。というフィードバックが多く、色々な方と議論を重ねて、9つのカテゴリーを作っている。・・・というように、かなりフラットに作っているつもりだが、意図が入っている。

サーベイの項目が合わない/信じられない=エンゲージメントは意味がないとだけはなってほしくないのが、正直なところです。

ちなみに学問的な裏付けでいうと、

- UWESの日本語版(ワーク・エンゲージメント)
https://hp3.jp/wp-content/uploads/2017/10/@UWES_17-Japanese-manual_ver1.3.pdf

- Gallupのキュートゥエルブ(エンプロイーエンゲージメント)
https://president.jp/articles/-/23978

が有名です。wevoxでも島津教授に顧問に入ってもらい、正しくエンゲージメントが測れているか、研究しています。意図が入ったサーベイが正しい結果を導いているかは、サービスをローンチ後も非常に拘って研究しています。

たった12問-17問でエンゲージメントは計測できます。UWESでは3問版/9問版というものも存在しています。

エンゲージメントは社員の状態でしかない

あくまでもエンゲージメントは社員の状態であり、簡易な言葉でいうなら、楽しく働けているか?ということです。給与や評価やマネジメントはそのためのHowでしかない。

Howは組織カルチャーやポリシーを元に選定する必要があります。
アトラエでは、上司/部下という役割が存在していません。

ただし、仕事におけるサポートは必要不可欠な要素です。
上司がサポートをするというのは方法論の話であり、サポートされていると本人が感じられれば、要素は満たされています。

人間が幸せであるためには、健康は切り離せない要素。
これと同じように、エンゲージメント高くあるためには、「周囲の支援」「自己決定」「承認」などが存在します。強弱はあると思いますが、これは無視できない要素です。

引用)Job demands resources model

ビジョン・バリュー・エンゲージメントの関係

エンゲージメントの幅が効きすぎて、組織における全てのように語られるケースもありますが、もちろんビジョン・バリュー・エンゲージメントは異なります。

アトラエで説明すると、下記の図になります。(この絵はwevoxのデータサイエンスチームのメンバーが書いたものを使わせてもらいましたw)

・我々はなぜ組織になるのか? → 組織のビジョン
・どういう組織でありたいか? → バリューや価値観、行動指針
・社員一人一人がどういう状態か? → エンゲージメント

という棲み分けです。エンゲージメントが組織のビジョンになることもないし、エンゲージメントを元に、バリューや価値観が決まることもない。
あくまでも社員の状態ですし、高いほうがいいにきまっている。

スポーツの世界で考えてみてください。

「どうしてもこの試合に勝ちたい。このメンバーで優勝したい。」と夢中になっているメンバー・チームと、「明日も試合あるし、一旦なるようになればいい。」と考えているメンバー・チーム。

どちらが勝つ可能性が高いかは明らかですよね?(あくまでも可能性ですが)

前者は、エンゲージメントが高い状態。後者は、エンゲージメントが低い状態。wevoxはスポーツの世界でも活用いただいておりますが、ビジネスマン・アスリート、環境は違えど人が活き活きと取り組むために必要な要素は同じです。

国全体が働き方から働きがいに注目しはじめており、正しく社会全体が認識すれば、大きなパラダイムシフトが起きると信じています。

僕がアトラエに入社したときに、「楽しく働く大人を増やしたい」「働くの定義を変えたい」と考えてましたが、まさにそのタイミングが来ようとしています。

だからこそ、今一度ビジネスとしてのエンゲージメントではなく、本質としてのエンゲージメントを伝えていきたいと考えてます。

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