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内部監査部門に配属されたら 管理職編

組織で力の弱いチームの管理職になった時、どのようにすれば強いチームを作っていけるのか? 難しい問題ですが、日本の多くの企業において、内部監査部門は決して強いチームではない場合が多いでしょう。本noteでは内部監査部門に新たに配属された管理職の方が職位に応じた働きを一日も早くできるようになり、チームを強くしていくヒントをお伝えします。もともと弱いチームを前提にしていますので、内部監査部門に限らずどの管理職の方にも必ず役に立つ部分があると思います。
なお、以前に「内部監査部門に配属されたら」というnoteをどちらかというと年次の若い方を想定して書きましたが、こちらもご参照いただければ幸いです

(11/19)追記 幸いにもご購読いただいた方からは大変良い評価をいただいています、ありがとうございます。



部下やメンバーの能力や経験を徹底的に把握する

私はつねづね、必ずしも潤沢なリソースを与えられているわけではない多くの日本の会社の内部監査部門では、最も重要なことは、良い監査指摘を出すことだと考えています。しかし、良い監査指摘を出すというのは容易なことではありません。本来は会社のリスクの高い領域を把握し、そこにリソースを割り当てて監査を行うべきですが、良い監査指摘を出さないことには内部監査部門が会社からろくに認知されない、という状況では理想論ばかりを言うわけにもいきません。まずは、今のチームが比較的バリュー出せそうな領域を見定めて監査を実施し、「内部監査ってそんなことを見ているのか、今までとは違うな」と思ってもらう必要があります。
そのために是非お願いしたいのが、部下たちとの徹底的なOne on oneです。たいていの管理職の方なら、新しいポジションについたら直の部下とは30分なり60分なりのOne on oneはやっていると思いますが、そういうレベルだと部下の方も通り一遍の現在の業務を話すくらいで終わってしまいます。
よく、新任の部門長が「フラットなコミュニケーションをしましょう」とか「希望があればいつでもOne on oneをやるように言ってきてください」と部下に伝えるのを見ますが、こんなこと言っただけで部下が積極的に情報を持ってきて、オープンな関係を築ければ苦労はありません。
私のお勧めは、学校を卒業して社会人になってからのキャリアヒストリーを、どこの会社・部署でどんな仕事をしていたかまで詳細に話してもらう、というやり方です。時間も、一度で終わらせず2,3回に分けて合計3時間近く使っても構いません。部署の人数が10人程度でしたら、全員にこれをやることは必須です(断言!)。これをやれば、メンバーたちがどのような分野に強みがあるのか、これまでどういった思いで仕事をしてきたのか、が見えてきます。

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