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内部監査の全面アウトソースは許されるのかについて

内部統制基準の改訂やコーポレートガバナンス・コードにおいて、内部監査部門の役割が明示され、専門職としての重要性が高いと叫ばれる一方で、多くの会社では内部監査部門は少人数で運営されているのが実態です。少し古いですが、2017年の日本内部監査協会による調査によれば、調査対象1,362社のうち、内部監査部門が1-3名の会社が714社(52%)を占めるという結果が出ております(下表参照、日本内部監査協会の監査白書 2017年版より筆者作成)。

また、多くのスタートアップ、公開準備会社においては、上場が視野に入ってきて証券会社や監査法人に言われて内部監査の専任担当者を置く検討を始めるのが実態と思います。内部監査は専門職といわれているがその要件は曖昧で、どういった人をアサインすれば上場準備として適切なのかもわからない、という状況で、外部の専門家に全面的なアウトソースを行うという選択肢が浮上します。実際、内部監査のアウトソースを受けているコンサルティングファームは多数存在します。「内部」監査という名称なのに、全面アウトソースというのも看板に偽りありのような気もしますが、今回は主に小規模な内部監査部門について、全面アウトソースの可否、もし行う場合、考えるべきことについて述べていきます。

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