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【 開票立会の現場 】

《2017年10月26日に書いたものです》
今回開票作業がどのように行われているのか、ずっと興味があったので、立憲民主党関係者の枠で、開票立会人をやらせて頂くことになりました。

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平成29年10月22日、第48回衆議院議員総選挙


今回某公立高校の体育館にて、午後7時集合。
持ち物は事前に送付された、手順が書かれたしおり、マイナンバーを提供する用紙とそれを証明するもの(マイナンバーカードなど)、開票立会人をやるという承諾書(自分の住所・電話・氏名・付属政党名などを書く)、印鑑(できれば顔料系インクのシャチハタ)ということでした。

雨の中、続々と関係者が集まってきます。でも役場の開票作業をする人たちは、もっと遅い集合です。開票立会人は各政党から1人出てよくて、合計で会場に最低3人最高で10人の立会人を開票時に立ち会わせなければいけない法律になっているようです。今回は全部で9名でした。女性は私1人でした。

開票時刻までは写真撮影やそばに行って機械を見ること、会場をうろつくことが許されましたので、上のような写真やFBでのライブ配信もできました。筆記用具と携帯は、作業が開始されたら机の上に出すことは許されません。ただ、管理責任者に許可を得てトイレに行く時は、会場の外で携帯を使うことは許されました。

午後8時まで投票箱は投票所にあるはずなのに、8時前には市内の全ての投票所の投票箱が、所定の場所に置かれていました。これは今回台風だから早まったということではなく、群馬県というのは、全国ワーストワンで勝手に投票所を早く閉じてしまうところなので、たぶん例年通りなのだと思います。

http://www.sankei.com/region/news/171017/rgn1710170055-n1.html

このサンケイの記事によると、群馬では今回も実に全体の87.4%の投票所が、選管が要請しているにもかかわらず、勝手に公選法を無視して早じまいをしています。これは大変問題が多いと思っています。(前回はなんと99%)


午後8時20分作業開始


役場の管理責任者が、受付を済ませ開票作業開始を待つスタッフ(市役所の若い人中心)に向け、マイクで挨拶。作業開始が8時20分であることを告げました。この少し前、体育館の壇上の椅子に座っていた報道関係者は、全員体育館のギャラリーの場所への移動が許されて、全員がビデオ、カメラ、双眼鏡(?)みたいなものを手にとり、上から会場を見渡し取材を開始。

その後事務方の責任者がマイクで、所定の位置に着くよう指示すると、全員が一斉に立ち上がり、投票箱が置かれているテーブルのところに集まりました。ここできっかり8時20分になるまで、しばしの静寂があり、腕時計を何度も見ながら、管理責任者が作業開始を告げました。まず選挙区から開票が始まりました。

① 分類係の人たちが投票箱の鍵を開け、鍵の担当者が鍵を集める
② 投票用紙をテーブルに広げ、空の投票箱は会場の隅にまとめて置く(ふたは横に立てる)
③ 16の作業台で、投票用紙を目で見て名前ごと手作業で向きを揃えまとめていく
④ 選挙区担当の開票立会人が、投票箱が空であることを目視で確認する
⑤ まとめられた投票用紙を8台のMUSASHIで機械的に読み取らせる
⑥ はじかれた用紙を集め、さらに目で見て点検係のテーブルに運ぶ
⑦ 判読の難しいものを点検係(40人くらい?)が目視で確認し、振り分けていく
⑧ MUSASHIの投票用紙カウンター(8台)で100枚単位で数えていく
⑨ 100枚束の用紙をもう一度同様に次のカウンター(8台)で数える
⑩ 100枚束の用紙を小さなかごで集め、500枚ずつまとめるテーブルに運ぶ
⑪ パラパラめくって目で確認し、同じ者同士500枚の束にまとめていく
⑫ 誰の束か名前の書かれた表紙をつけてわかるようにする
⑬ 判別の難しいものは審査係が無効票として振り分ける

開票立会人のすること


さて、開票立会人は何をするのかというと、まず投票箱が確かに空っぽになったのか、置いてあるところに行って、じっくり中を確認します。その後はじっと待ち、500枚にまとめられた投票用紙の束が順次運ばれてきたら、みんなでザーーーッとめくってチェックし、ハンコを表紙に押していく係ということになります。今回は9人だったので、くじ引きで番号を決め、番号順に座り(選挙区担当3人、比例担当6人)流れ作業で自分の番号の枠内にハンコを押していきます。私は元々比例担当という要請でしたが、くじ引きではNo.3になりました。

なんと、私の右隣のNo.2の人は一切票の目視確認をせずにハンコをばんばん押していきます。おかげで私のところにどんどん票が積み上がっていくという状態に。私はもちろんすべての票の束を、目で見て確認してからハンコを押しました。動体視力がよくないと大変かもしれませんが、引き受けたからには仕事をすべきです。

私は「自民党」の比例票の束の中に紛れていた「自由党」の票を見つけ、1枚無効として自民党票を減らしました(大量の比例票の中の小さなことではありますが)。そしてもう1枚異議を唱えさせてもらったのは、「自」と一文字だけ書かれた票です。これは担当者によると、今回比例投票先としてこの文字を使う政党は「自民党」だけなので有効票となります、とのことでした。

最後の方で半端な数の束を持ってきたとき、「幸福実現党」の30枚くらいの束の中に「希望(の党)」という票を見つけ、そのままにしてやろうかともチラッと思いましたが、公正な選挙は民主主義の第一原則であるので、異議を唱え抜いてもらいました。

この時問題になったのは、「無効票」をより分ける担当の人たちが持ってきた中に、「幸福実現党」と書いた後に政党名を丸で囲んだ票が、意思をもって行った「多重記載」として無効になったので、このカッコは無効にならないのか、というものでした。この点にはNo.4の方がかなりこだわり、この二つの違いを述べよと選管に迫っていました。

選管のほうでは「希望(の党)」という書き方は、「希望」だけではやっぱり心配になり(の党)と書き足したものであって、明らかに必要でない丸を書き加えたものとは意味合いが違う、という見解を説明していました。しかしNo.4の方は納得できないとして、ハンコを押しませんでした。その後この件に関しては改めて疑義が出たものとして、単独で開票立会人全員にどうするかを聞き、有効とするか無効とするかをハンコを押して多数決で決めました。(結果は有効となった)

無効票となったものもすべて立会人は目で確認します。中には比例の投票用紙に選挙区の候補者名を書いたもの、「立憲民主党 堀越けいにん」と書いたものも1枚(これも多重記載で無効)、「自由党」や「新党大地」など、関係ない政党名が書かれたもの、○や✖など記号だけ書かれていたもの、白票など。字の間違いなどは内容がわかればすべて有効票となります。

また郵送による不在者投票で、投票者本人の名前を記す外袋の欄に「ルパン3世」と書かれたものは不受理とするとの説明を受け、そのものを立会人全員の前で見せ、異議はないか確認されました。不受理とされたので封筒は開封せず、投票は無効となりました。

とにかく開票作業はあまりにも手際が良く、皆が自分の持ち場で実に効率よく素早く作業をしていて、変な作業をすることは不可能と思われました。そしてその場で開票結果の数字は私たちに示されました。選挙区担当の人には選挙区での結果票、そして比例担当の人には比例での結果票が印刷されて手渡されました。

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開票立会人は、有効票、無効票、疑義のあるものなど、すべてを目で確認します。約14万票の投票用紙の現物を目で見たことになります。その1票には、1人1人の等しい権利と熱い思い(付き合いだからどうでもいいやの人もいるでしょうが)が込められています。ですから字が間違っていようが、ちょっと変な名前になっていようが、「この人に、この政党に入れたのだろう」という思いを最大限くみ取ってあげているように思いました。

点字の投票用紙も2枚ありましたが、もちろん有効票です。ローマ字でかかれたものでも有効となります。それぞれに対しては、すべてにおいて開票立会人の承認のハンコが必要になります。

MUSASHIはカバー写真で見ると奥の方に写ってます。機種は「グローリーGTS-500」が4台、「グローリーGTS-1000」が4台です。これらは文字を読み取り、判別不能なものをはじき出します。それをこれまで述べたように、人が目で確認して振り分け、判別の着かないものはまた別にして、すべての用紙の最終的な判断は開票立会人と開票管理責任者に委ねられるのです。

投票用紙を2回カウントするカウンター(計数機)もMUSASHIのもので、カバー写真だと手前に2台ずつ並んでいる、アイボリーの四角い箱がそれになります。

今回ここでの白票は2,500枚超でした。もったいないなーと思いました。山尾志桜里氏の愛知7区では、今回の白票は1万票くらいとなっていて、前回よりもその率が上がっているから不正選挙だとか、やり直せとか騒いでいますが、開票現場に立ち会った私の言えることは、「不正はやりようがない」ということです。もし疑問を持たれるかたは、政党に所属するなり関係者になるなりして、この現場を経験したらよくわかると思います。

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最後には拘束時間約5時間に対して、これだけの報酬が支払われます。私の隣でいいかげんな仕事をしていた人にも、当然同額が支払われます。 
o(`ω´ )o (怒)

報酬を受け取るにあたって、マイナンバーを提出してくれと言うことでしたが、「私はマイナンバー制度に否定的な考えなので出しません」と申し上げ、書類も提出しませんでした。すんなり「わかりました」ということで終わりました。

なにごとも自分の目で耳で確認しないと気が済まないたちなので、今回の経験はとても良かったです。私は市役所の皆さん、関係者の皆さんのご苦労に敬意を表するとともに、感謝を申し上げたいと思います。この投票日、彼らは朝の7時前から夜中まで仕事をしていたわけで、本当にお疲れ様でしたと言いたいです。

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あっという間に手際よく片付けられ、この右端(写っていない)では、まだ最高裁判事の方の作業をしていましたが、ほぼ終了。お疲れ様でした♥ 終了時刻はすでに深夜12時過ぎ。日をまたいでの終了となりました。


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