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キメツ一瞬の煌めき

今年の年末、社員総会が開かれることになっているのだけど
その二次会のコスプレ指定が鬼滅の刃なのでした。

全くもって登場人物の名前も読めなければ、市松模様のライドオンに売ってそうな柄の羽織を着ている男の子や、なぜか竹咥えてる着物の女の子とか。あー苦手だわあこういうの、とおもっていたのでした。

なんで今年のコスプレには縛りがあるんだよ〜クソ。ぜんっぜん興味わかないわとおもって毛嫌いしていました、上司が語りだすまでは。
上司は全巻マンガで読破しているタイプで、ネタバレありの要約が面白く、どうせお金払ってコスプレ買うことは決まっているのだから、少なくともストーリー把握して楽しめるようになろ…‼︎と23巻全てまとめ買い。

読み始めたらハマりにハマって、語られた翌日は休日だったこともありり1日で8巻まで読破。名残惜しみながらようやく今日、全巻読み終えてしまいました。

鬼も人間も、みんなそれぞれに個々の幼少時代や壮絶な過去、トラウマ、コンプレックスがあって
どれかしらのキャラクターには深ーく感情移入できるような気がする。
親に愛されたい、兄弟姉妹に愛されたい、
愛されてたけど大切な人を守りきれませんでした、目の前で殺されてしまいじぶんの無力さとなぜ自分が生きているのか意味がわからなくなりました、
婚活してほんとの自分を出せないです、他人の感情に全く共感できません…とか。

もう上げたらキリが無いのだけど、人間の根源的な欲求が渦巻いて万物流転、儚いからこそ人の命は強烈な輝きを放つという人間礼賛でもあったりする。

鬼なんかは特に、絶望の淵から束の間の温もりを掴んだ後に、繰り返し繰り返しまた絶望が襲っていたりする。
そんでもって死のない鬼との対比として、人は短期間でいとも簡単に大量に死んでいっている。じぶんの命の有限さ、貴重さ、有り難みにもとことん気付けたりする。
喜怒哀楽の感情に揺さぶられて、でもこのマンガには怒・哀ばかりが繰り返し描かれる。
でもだからこそ、その隙間で描かれる喜・楽の煌めきが異常、瞬間を逃さずに大切に胸にしまう流れ星な幸せがそこにはある。

今度はおもいきり、読みながら喜怒哀楽を味わえるように。全巻ノーメイクで正月休みにまた読み返したいな。

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