都内1K、「湯河原チルアウトな原稿執筆」できない2Days

5月2日。私は予約を済ませてほっと一息ついた。ずっと悩んでいたのだ、GWに旅行するか否かということに。今回の旅の目的は、執筆&リフレッシュ(ちなみにイケてる人はこれをチルアウトというらしい)。しかし緊急事態宣言もあり、コロナ患者数も増えているのだし・・どうしようかと悶々しながらもえーいと、予約ボタンをクリックしたのだった。

じぶんの溜まった表現欲を、ここで一気に放出させたいとおもったのだ。や、ほんとは日々、したいとおもっているのだけどどうしたって、PCに向かえない。だって日がな一日、仕事でにらめっこしているのだ。おもいついたことは手っ取り早く、手帳にサラサラ放牧させ熟成させておくんだけれど、そこからなかなかオンラインに投稿できないんだよな。

そんなじぶんへの「やるやる詐欺」と決別するために、これはもう執筆時間設けなければと、THE RYOKAN TOKYOを予約。湯河原まで電車で揺られること1時間半。送迎バスを降りた先には、文豪に愛された湯河原の天然温泉と、色とりどりのYogiboが出迎える和の空間がお出迎えしてくれ、いざ湯籠り執筆体験・・・・の、はずだった。なのに私は予約日の5月4日17時現在、都内1K風呂すら沸いてない見慣れた自宅で、このようにPCをたたいている。それは一体なぜか・・!

時を戻そう。遡って、予約した5月2日の日曜日。この日私は13時から美容院を予約していた。空模様は快晴、のわりにちょっと雲行きが怪しくて、あわてて折りたたみ傘をもって家を出た。そのあと私は、25分間のヘッドスパ&トリートメントを堪能。

夢見心地で窓を見やると水滴が。「雨、止んだみたいですね。ヘッドスパの間にすーごい勢いで降ってたんですよ~。」と美容師さん。そのとき私は気づいたのだ、布団を干して外出してしまったことに・・。案の定帰宅すると、毛布2種類、外側に出していた部分はしっとりと水分を含んでいた。

室内干し用の物干しざおと、布団をはいだマットレスに、湿った毛布2枚を横たえて思案。暖房を入れて乾かすことにした。初夏ともいえる気候だが、背に腹は代えられない。久しぶりに動かしたエアコンは、風量最大設定にしても動きがわるく、スコーという音しか聞こえなかった。それならばとドライヤー投入、それでもしっとり感はぬぐえなかった。

あとは開き直って自然乾燥に任せよう、と乾かすことに飽きたわたしは、その辺にあった本を読み始めた。そのうち背もたれほしさにベッドへ移動したところ、ちょっと寒くなり、乾かしていた布団の乾いてる側面に足をいれた・・それが運の尽きだった。

ふと気づいたら、こうこうと照らす蛍光灯の下で、わたしは寝落ちしていた。生乾きの毛布に、まるくなり全身を預けていたようだ。寝ぼけまなこの私は、いやだ、まだ眠い・・と凝りずに二度寝をする。そうして気づいたら21時、4時間ほど眠ってしまっていた。

・・頭がガンガンする。寝すぎると頭痛するよねとじぶんに言い聞かせ、風呂場へ向かった。心なしかちょっと肌寒かった。そして冒頭の旅館への予約を済ませ、また眠りに落ちた。すると4時くらいだろうか、全身寝汗びっしょりで起きてしまった。汗をふきパジャマを取り換えて懲りずに眠る。ヘッドスパでも帰宅してからも寝たというのに、だいぶ睡眠欲旺盛な女である。

翌日5月3日夕方、会社のトイレでわたしは途方に暮れていた。そろそろとおもい恐れていた、生理がやってきてしまったのである。そうだよな、こいつはせっかくのGWだろうが天然温泉目前だろうが、空気を読んではくれないのだ。ここで、旅の目的の一つが消え失せた。そうして私は、肌寒さが続いていることにも気づく。もしかして私、風邪引いた・・?

これはきっと、わたしの身体が全身全霊で「おまえは行くな」といっているのかもしれない。ひとまずそう解釈することにした。いやしかし・・ずっと悩んで、GWだしさすがにお高めだよなと逡巡しながら予約した 【1泊3食付】大人の原稿執筆パック¥23,375(税込)、キャンセル料金は100%、これを自分自身でどうオトシマエつけようか・・?

トイレというのは不思議なもので、考えればちょっとした発想が生まれるものだ。アイディアは三上(馬上、枕上、厠上)で生まれるというけれど、あれはあながち嘘じゃない。思案した結果わたしは「¥23,375(税込)は寄付」とおもうことにした。

わたしはもともと、新月の願いごとを手帳に書くようにしているのだが、今年1月は、「じぶんのお金を循環させるために、月1の寄付を行い社会活動にも参加して、日々を楽しんでいます」と書いていた。これだけ見ると、さぞかし社会貢献に関心がある人だなと、おもわれる方もいるかもしれない。誤解されないためにも今年2月のものも紹介しておこう。「お金の神様がついていて、使い方が私はとってもうまいんです!なかよし!」・・そう、つまりじぶんがお金となかよくなるために、あくまで超絶自分都合でこのように書いていたのである。睡眠欲だけでなく、金銭欲も強い女だなあとお思いだろうか、それはたぶん正しい。

人のためにポジティブにお金を遣うことができれば、お金持ちのセルフイメージの構築になると本で読んでおり、もともと実行の機会を伺っていたのだ。たとえばReadyFor?を覗いてみたり、FRaUの『私のお金が、世界を変える。』特集を買ったりもした。けれどもずうっと実行できずにいたのだ、じぶんの買い物はバンバンしてるくせに。根がケチな私は、こういう状況に置かれなければ寄付しないんだなと、痛いほどわかった。

あとは、コロナ禍で失業してホームレスになった女性が殺されてしまったニュースであるとか、「恐怖のインパール五輪」という記事を読んだことも大きい。コロナの影響を大きく受けている業界で、日々働く人達の生活はかなりきついのだと思い知らされた。観光業もそのひとつだろう。どうせならじぶんのお金を意味あることに遣って循環させたいとおもっていたのが、図らずもキャンセル料100%のタイミングで風邪をひいたことにより実現することとなった。

翌日旅館にキャンセル依頼をした。キャンセルボタンさえ押してしまえば終わりなのだけど、せっかくだからと思いメールで。事前準備が無駄になってしまう謝罪と、楽しみにしていたのでまた時期を見て訪れたい旨をお伝えした。キャンセル受領の旨と、体調を気遣う返信をしていただきありがたかった。この旅館の滞在レポはnoteにたくさん上がっているのだけど、わたしは自分語りMAXの、しかも滞在しなかったレポである。旅館の方の目に届くのかはわからないけれど、気づいてほしいのでハッシュタグはつけておこうとおもう。

というわけで、「湯河原チルアウトな原稿執筆」はできなかった。だけど今こうして自宅で執筆しながら、このあとは友人とzoomをする。ふんだりけったりではあるのだけど、自宅療養しながら「都内1Kチルアウトな原稿執筆」2Daysを実行に移していきたい。じつはさっき本棚を漁っていたら、2年前の社内行事の封筒が出てきて、中から賞金の諭吉5枚を発見してしまった。これがお金持ちマインド効果・・!?寒気とはまたちがう鳥肌が立った。金銭欲がある方はぜひお試しあれ。ではでは。

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