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BizDevがBizOpsのためのデータ基盤を、スプレッドシートからノーコードデータベースへ移行した話 #BizOpsアドカレ

この記事はBizOpsアドカレ 14日目の記事です。 前回は木島梢 | hacomonoさんによるキャリア迷子だった社内の何でも屋がBizOpsで後半戦のキャリアを築いていく話でした。


このNoteでお伝えすること

このNoteでは、BizOpsを推進するためのデータ基盤は、当事者であるBizの人が作るのがよいです!という提案になります。データ基盤というと、エンジニアの方が構築するイメージもあると思うのですが、そうではなく、その後運用に最も関わるBizの人がメインで構築することで、BizOpsを推進するためのデータ基盤ができるんです、ということをお伝えしたいです。

こんな人によんでほしい

  • ビジネスサイドのオペレーション構築をしている方

  • スプレッドシートでKPI集計のためのデータを管理している方

  • データ民主化を進めたいと考えている方

自己紹介

株式会社QueueでBizdevをしている小野寺と申します(X:@hayato1844)。2022年11月に業務委託で関わり始め、2023年3月から正社員として参画しています。担当プロダクトは今年ローンチをしたノーコードデータ分析SaaS「Morph」です。職歴としては、営業→データアナリスト(医療データ)→プロジェクトマネージャー 兼 BizDevと経験して、今の会社に入社してからはBizdevとして従事しています。現在のBizDevの役割としては、新規プロダクトということもあり、リード獲得から顧客開発、導入支援まで一気通貫で幅広い業務を遂行しています。
別のアドベントカレンダーでこんな記事も書きましたので、よかったら読んでみてください。

※Morphの紹介はこちら

弊社にとってのBizOps

BizOpsの役割は各組織によって異なると思うので、弊社にとってのBizOpsとは?というところからご紹介します。
弊社にとってのBizOpsは、今年リリースした新規プロダクト(Morph)において、リード獲得以後のオペレーションプロセスを最適化することを指しています。リード獲得から商談化、受注、それ以後のフォローのプロセスにおいて、生産性を向上させつつ、顧客価値を最大化するオペレーション構築を目標としています。
※リード獲得までの話は上記でご紹介した記事に書いています。

BizOpsのためのデータ基盤構築の話

上記のオペレーション最適化のためには、各プロセスでのデータ収集や分析が必要です。今回は、そのデータ基盤をどのように構築したか、ということをお話します。
まず何から始めたのか
じつは最初はデータ基盤構築というほどのものではなく、グーグルスプレッドシートで集計用シートを作成しました。それぞれのプロセスで使われる
データソースは、

  • リード獲得後〜契約データ:Salesforce

  • 問い合わせデータ:intercom

  • プロダクトの利用データ:自社プロダクトに使用しているRDB

という状況でした。これらを

  • Salesforce→管理画面からcsv出力

  • intercom→管理画面からcsv出力

  • プロダクトデータ→エンジニアにcsv出力依頼

して、スプレッドシートで統合し、各種分析をできるようにしていました。
しかし、しばらくすると次のような課題が出てきました。

課題①:データ量が多くて動作重くなる問題
データ量が増えるにつれ、スプレッドシートの挙動が重くなってきました。これは、スプレッドシートである以上仕方ないのですが、今後もデータが増加し続けることを考慮すると、このまま運用を続けていくのははむずかしいと思われました。

課題②:都度エンジニアへの依頼や自身でのデータ転記が必要でタイムリーに数値を確認できない
はじめの頃はまだよかったのですが、よりタイムリーに今の状態を知りたいというニーズが出てくると、リソースの観点で運用が難しくなってきました。というのも、プロダクトデータについて都度エンジニアに依頼をしてデータ出力をする、および自身が定期的にcsvを出力してスプレッドシートに転記するとなると、そこにリードタイムが発生してしまい、どうしてもデータ更新が遅れてしまっていたからです。

課題③:追加したい指標に変更などがあると変更工数がかかる
可視化や集計などをする指標を追加・削除などしようとすると、シートが増えて迷子になったり、そのためのシート改変に時間を使ってしまいました。特に、指標変更に伴うダッシュボード変更に時間がかかってしまっていました。

解決策:だからどうしたのか?
スプレッドシートでは限界が来たので、BizOps推進のためのデータ基盤を別のツールで構築することにしました。ちょうどデータ管理SaaSの自社プロダクト「Morph」が使える段階になっていたので、それを使用して構築を行いました。
[全体構成図]

基盤構築のプロセスをどのように進めたのか?
ここからは、実際にどのようなプロセスで進めたのかをお話します。

1.ソースデータを1箇所に集める
Salesforce,intercom,自社プロダクトDBのデータをMorphに連携させました。一部のトランザクションデータはsnowflakeを経由して連携を行いました。
※自社DB→snowflakeの連携についてはエンジニアに依頼をしました
※上図参照

2.Biz週次MTGで、模擬報告会をしてみて、本当に必要な指標が何かを洗い出す
まずは、ダッシュボードができていない段階で、これから予定している施策報告や営業報告について、フィードバックを求めました。例えば「今月の売上はXXXXです。」と報告者がいうと、参加者は「新規と既存の内訳は?」「ヘビーユーザーが最も使っている機能は?どのくらい触ってるの?」「前月よりアップセルしてもらえた顧客は?」などとフィードバックをします。このフィードバックを元にダッシュボード要件に落としていきました。スプレッドシートでも一定の網羅はしていたのですが、改めて指標洗い出しのステップを行いました。

3.2をもとにダッシュボードのアウトプットイメージを作成する
前述のフィードバックを元に簡単なアウトプットイメージを作成して共有しました。例えば、フィルター条件やグラフ形式などを共有し、確認を行いました。

4.3を出すための分析テーブルを設計・実装する
Morphの中で、テーブル統合・集計・フラグ付与などのデータ変換を行い、分析基盤用のテーブルを構築しました。
[テーブルイメージ]
※画像内のデータはダミーデータです

5.4のデータソースから各指標やグラフを生成してダッシュボードを構築する
MorphのCanvas機能から各指標やグラフを生成して、ダッシュボードを構築しました。
Morphでは、アドホック分析やダッシュボードにいれるグラフ等を作成する分析スペース(Playground)とダッシュボード自体が分離しているので、視認性を損ないません。また、分析スペース(Playground)では集計プロセスが一目でわかり、付箋などでコメントも付けておくことができるので、データ迷子になりません。

[ダッシュボードイメージ]

[分析スペース(Playground)]

6.BizチームのDaily MTGで常にダッシュボードを表示するようにして、メンバーがダッシュボードを閲覧する癖をつけた
そして、Bizチームは毎日短時間のMTGを行っているのですが、その場で、必ずダッシュボードを確認する癖をつけました。それによって、ダッシュボード構築で陥りやすい、最初は閲覧されるけど、その後放置される、あまり見られない、という状況を回避しました。
また、ダッシュボードを、より頻度高く使用するNotion内にURL埋め込みで閲覧できるようにし、確認できるようにしました。

[Notion内への埋め込みイメージ]

また、アドホック分析でこんなことができるんだよ、ということを社内外で発信することで、分析自体に興味が向くようにし、Bizチームがリアルに触る基盤構築/文化醸成を目標としました。
※社外向けのNoteはこちら

結果どんないいことがあった?
スプレッドシートからデータ基盤を変更してみると、BizOps推進の観点では次のようなメリットがあったと感じています。

  • 柔軟な分析が気軽にできるようになったことで、メンバーがデータを以前より触るようになり、データに基づいた提案が増えました。
    →スプレッドシートではそのままその中でやろうとすると、重くなってしまって作業にストレスを感じてしまったり、別のシートや一度ファイルをダウンロードして手元で分析をする必要がありました。

  • ダッシュボードをNotionに埋め込みできるようになったので、Bizメンバー以外も目にする機会が増えました(Biz以外のメンバーとの定例MTGなどでも閲覧する機会が増えました)。
    →スプレッドシート内のダッシュボードは、スプレッドシート内だけで閲覧できる形でしたので、わざわざそこにいかないと見れない状況でした。そのため、いつも目につく場所にダッシュボードを置くことが困難でした。

  • データ迷子にならなくなりました(基本的に閲覧・操作する場所が1つになったので、あのデータどこ?がなくなり、時間ロスが削減されました)。
    →スプレッドシート内で関数を追ったり、シートを追うというような作業がなくなりました。

まとめ:今では、エンジニア経験がなくても、データ基盤構築できるツールが揃っています!そして、BizOpsで使う基盤はやはりBizの人が作るべきと考えています。もし、スプレッドシートで頑張っている方はぜひ基盤構築にチャレンジしてみてください!

ということでまとめなのですが、Morphに限らず(Morphを試してもらえると嬉しいです!)、今はエンジニア経験がなくても、データ基盤を構築するためのツールが揃っています。探せば、構築のための情報もたくさん出てきます。スプレッドシートも素晴らしいツールではあるのですが、もし、データ量が多くて動作が重くなっている、もっと指標やグラフを柔軟にだせる基盤が欲しい、と考えている方はぜひデータ基盤構築にチャレンジしてみてください!きっとBizOps推進に役立ってくれるはずです。
もしもっと詳しい話とか実際にやってみたくて相談したいなどある場合は、XのDM(https://twitter.com/hayato1844)で相談もお受けします!
よろしくお願いします!


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