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自分のプライドより、100年後の日本を考えて自分ができることをやっていく

若干25歳にして世界で活躍する女性起業家5人に選出される。テーブルクロス株式会社代表取締役城宝薫さんに取材させて頂きました。

城宝さんプロフィール
出身地:東京都
活動地域:東京を中心に大阪、福岡etc..
経歴:立教大学経済学部卒
現在の職業および活動:株式会社テーブルクロス 代表取締役 大学在学中は企業と新商品開発を行う学生団体Volante(ボランチ)を創設し、関東・関西・台湾と支部を拡大。その後、途上国で見た子どもの貧困とアルバイトで知った飲食店の広告費の課題を同時に解決する現在の「テーブルクロス」の仕組みを考案。投資家などからの出資を受けて、大学3年時に起業。2017年にはグローバルEY主催「世界の女性起業家」に選出される。

城宝薫さん 「以下、城宝
よろしくお願いします。

記者:城宝さんが社長になろうと思ったのは起業家だったお爺様の影響が大きかったのですか。

城宝:はい。一緒に出かければ飴を買ってくれたり優しい祖父が大好きで、祖父みたいになりたいと思っていましたね。中学で先生に進められたのもあり、学級委員や生徒会の副会長をやった時、企業も学校も一緒だと感じたんです。

そして単にリーダーになるのは誰にでもできる。それよりも何を成すのか、どんな想いを持ってやるのか、なってからの方が大変だと思いました。

記者:なんでそういう風に思うようになったのですか。

城宝:私は中高が女子校で、中1でいじめを受けていたんです。嫌がらせのお誘いメールが1日100件来るとか、35人のクラスで、お弁当を1人対全員!で食べるとか。(笑)

記者:えー!!そんな…傷つかなかったのですか?

城宝:傷付きますよー!!けれどいじめって自分の中に湧いたイライラした感情をぶつけられなくて、それがたまたま私にぶつけられたものだと思うと、全員が通り得るものだと気づきいじめにとらわれなかったんです。一歩俯瞰する観点が身に付きましたね。

記者:いじめられている最中には、なかなか持てない視点ですね。

城宝: そうですね。私は小学校の頃から既に自分探しの旅が始まっていて、いつも自分が一体何に思い入れがあるのか知りたかった人間なんです。インドネシアに家族で旅行し、初めてご飯がない『ストリートチルドレン』を見たんです。自分は幸せだったんだなというのと同時に『知ってしまった責任』を感じました。今思えば、自分の為よりシェアする生き方、自分にできることをやり続ける人生をその時覚悟したように感じます。

2009年高1の時、アメリカでボランティア活動に参加するんですが、『寄付は単発的な課題解決に過ぎず、継続性がないよ』と言うアメリカ人の一言に「それかー!」と自分が何をすべきかの答えが来たと思いました。

『長期的に解決できる仕組み作りが必要』だということ。そこで私は利益をきちんと生み出しながら、社会貢献もできる仕組みと文化作りをしようと思ったのです。日本は依然として社会貢献=ボランティアのイメージが強く、意識改革も必要に感じるし、成功モデルがないので成功事例を作れば、それがきっかけとなり次々と作れると考えました。

                         「撮影:佐久間栄」

Q:学生の頃からすでにそこを考えていたんですね。会社を設立され、ほんの5年で資本金1億を超える迄に成長させた背景には、どのような心のあり方や認識の変化が影響していると思いますか。

城宝:大学に入ってからは、中高一貫の女子校で厳しく外と接点がなかったため爆発するかの如くとにかくいろんな知識をインプットしたくてバイトを中心にあらゆることを経験し、学生団体含めプロジェクトだけでも20個は立ち上げました。

そうするとアイデアを思いつき人に話し、考えてやっていくうちに自然と肌感覚で起業して事業を展開する為に必要なことが身に付いてくるんです。そろそろ自分も1度は就職をと決めた3ヵ月後にはテーブルクロス株式会社を起業することを決めていました。

『アイデアは思いついた時に人に話す』

お母さん、高校の先生、お父さんの知り合いにきちんとプレゼンして、ビジョンを熱くお話したらお金が集まったんです。私だって社長になった時は21歳ですから、親の扶養に入っていた関係で所得証明さえなくて、オフィスを借りたくても書類が揃わなかったです。銀行で口座開設をしようと思っても審査に落ちてしまい、楽天銀行口座しか持っていませんでした。大手の銀行で口座開設をするまでに1年かかり、初めてオフィスを借りたのは2年後でした。それでも2人でやっていて3年間は実質売上ナシ。3期目で少しずつ売上が上がってきたときに社員を10名程度増やしていきました。

記者:山あり谷ありですね。大変でやめようと思ったことはなかったんですか。

城宝:もちろんありましたよ!その時、起業前にある人に問われたことを思い出しました。「城宝にとって失敗って何?」と。借金を背負うことでもなく、仲間を失うことでもなく、失敗したって言われるのが嫌だった自分のプライドに気づきました。

『いつも自分自身に問うことで自ら答えを出す』

私はいつも、100年後の日本と自分のエゴはどっちが大事なの?と問いかけます。必ず選択するのは100年後の日本なんです。そうすると失敗はすべて経験にしよう、新しい仕組み・文化作りができる迄は何が起きてもすべていい経験したね!そう捉えるようになりました。100年後の日本の為に、私たちがみな幸せに生きる為に今何ができるのか。ミッションの為にやっている感覚があります。

記者:城宝さんがなぜ世界の起業家5人に選ばれるのかが納得できる気がします。

Q:ミッションを守るアメリカ的経営、周りの社員の幸せを考える日本的経営の両方の感覚をバランスよく持ち合わせていらっしゃるように感じましたが、どんな美しい未来をつくりたいですか?

城宝:社会的ミッションと利益創出の両方が可能な成功事例をまずは1社作って、2社3社とたくさん生まれていくような社会にしたいです。現在ある社会課題を次々に解決していく仕組みや文化をつくることで、100年後に素敵な日本になってほしいと思っています。

日本は豊かと言われることがありますが、発展途上国を回るなかで気付かされたことは日本は心の豊かさが足りないということです。今後日本が発展していくなかで心が豊かになり、幸せいっぱいの社会をつくりたいと思っています。

記者:そんな景色同じ時代を生きる一人として一緒に見たくなりました。ありがとうございます。

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城宝さんの活動、連絡については、こちらから↓↓

●テーブルクロス株式会社
https://tablecross.com/

●Facebook
https://www.facebook.com/profile.php?id=100001366462341

【編集後記】

インタビューの記者を担当した風見&池末&熊倉です。100年後の日本の未来と自分のエゴのプライドを秤にかけて意思決定をする城宝さんのあり方があまりに美しく、ショックに近い感動でした。

どんな人間になって何を成すか、人生のヒントが盛りだくさんのお話ありがとうございました。

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この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。
https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36


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