100年先を見据え日本酒を国際的な伝統文化へとプロデュース    「新政酒造」代表取締役佐藤祐輔さん

嘉永5年創業。秋田という土地のありのままを生かしながら、原材料や作り方というバックグラウンドにこだわった酒造りを実践されている佐藤さん。

今回海外出張前のご多忙な時間を頂きインタビューさせて頂きました。

佐藤さんプロフィール
出身地:秋田県秋田市
活動地域:秋田を中心に東京、福岡etc..
経歴:東京大学文学部
現在の職業および活動:新政酒造株式会社代表取締役 1974年生まれ、秋田県秋田市出身。明治大学商学部から東京大学文学部へ。卒業後は編集プロダクション、ウェブ新聞社を経てフリーのライター、編集者に。31歳で日本酒に目覚め、2007年に新政酒造へ。

佐藤祐輔さん、以下 佐藤

記者:私はたまたま日本酒の本で日本を代表する酒造として特集されていた中に、佐藤さんを見つけたんですが、同じ頃に佐藤さんが仕事で福岡にいらしていたのを知り今回のご縁に繋がり感謝しております。

佐藤さんは普段から福岡や東京など全国で活動されているのですか?

佐藤:そうですね。福岡や東京もありますし、国内のご縁のあるところで。東日本大震災で東北を支援して頂いたので、台湾・福島・熊本などもご縁がありましたね。

記者:1852年寛永5年創業以来170年続く老舗の酒造ですから、小さい頃から日本酒造りに慣れ親しんで来られたんですよね?

佐藤: いえ。実は私が日本酒の魅力を知ったのは30歳になってからで、20代はお金もなくて普通にチューハイやビールばっかり飲んでいました。

記者:  え?!そうなんですか?(笑)

佐藤:  はい。その頃はジャーナリストでしたし、造り酒屋に生まれたから酒屋を継ぐという風には考えていませんでした。独立して一人で生きていきたかったし、書いていた記事もリベラルでハードな記事も多かったと思います。

Q:  そうなんですね!そこから酒造を継ぐことになり現在の活躍に繋がっているのは、どんな心のあり方や認識の変化がきっかけになりましたか?

佐藤:日本酒を飲んでみたらとても美味しかったから買い集めていったんです。正直日本酒を敬遠していたからショックでした。

東京で酒造りの実践的な勉強をしたら、魅力的に感じてしまって。もの書きはいつでもできると思ったら、作り方の特殊性にこだわり、単に美味しいというよりバックグラウンドにある土地と繋がった伝統を大事にした酒造りに惹かれたからでしょうか。

同じ日本酒でもいろんな味があり、県によっても様々に違います。酒造りは非常に引き出しが多い様に思うのです。

記者: ベースとなる土地の伝統を生かしつつも違いを楽しめる日本酒が作れるのですね。

佐藤: 日本酒を国際的に評価される伝統文化にしたいと思っています。多様性のある文化が進むにつれ同世代を見渡してみると、日本酒のデザイン・味わいも、現代の食生活も変わってきていますよね。

それに合うように日本酒もモダンな装いにさせながら、出来る限りポリシーを出していきたいと思います。

記者: NEXT5のプロデュースもお洒落で素敵なものが多いですよね!

佐藤: ありがとうございます。東京・福岡で活躍していた経営状態の悪かった酒造が5個集まって利き酒会をしていたのが始まりなんですが。自然発生的に展開していきましたね。 

日本酒に限らず、他のジャンルとも組んでいろんなことやっています。

記者: 本当ですね!佐藤さんには酒屋だけに留まらず芸術的でクリエイティブなセンスを感じます。日本酒と音楽を融合してみたり、伝統を重んじながら同時に枠に囚われない新しい世界を生み出していくバランス感覚が絶妙ですよね!

佐藤:  ありがとうございます。あのCDは知り合いの音楽家が酒蔵に来てくれて、そこで感じた世界を音楽にしたものなんです。

                         ✴︎陽乃鳥10周年記念酒の付属CD✴︎
  (DJミックスの1枚目は選曲を佐藤さんが担当)

記者: いや〜お洒落で一枚ほしくなりました。(笑)どこからそんな発想が湧くのでしょうか。

佐藤:  いつもちょっと違うことがしたいなと思いますね。陽乃鳥からインスピレーションをもらったんですが。

記者:  新政さんのHPのフロントページのデザインもなんだか宇宙を感じるデザインでした。あれは、新政酒造の酵母『きょうかい6号』がモデルなんですか。

佐藤: いえ。あれは酒造りのイメージを図柄にしたんですが、思想をあらわす絵でもあります。社員にデザイナーがいるんで描いてもらってます。

記者: 拡大してマジマジと見たくなるくらい素敵です。また新政さんは、30代の若い社員さんが多い会社ですよね。

佐藤:  そうですね。基本的に私が直接お会いしていますが、新卒で入ってきてくれる方も多いです。

記者:  次は一体どんなクリエイティブが飛び出すのか楽しみで仕方ありません。明後日から海外ですよね。

佐藤:  はい。ハワイに四ツ谷にある「寿司匠」の中澤さんに会いに行っておきたいと思いまして。業界の革命児と言われる方で、有り難いことに私の酒造りに興味を持ってくださっていて。ハワイの魚しか使っていない寿司を作られています。

記者:  現地の魚と人とが通じ合ったところからのコミュニケーション力によってクリエイトする寿司作りというところでは、確かに佐藤さんと共通する世界観を感じます。

Q:  日本酒造りを通してどんな未来を作りたいですか。 

佐藤:  そうですね。もちろんあともう1個酒蔵があったらとか、木の桶がほしいというのはありますし、新政の酒造りはもちろん継承していくのですが、田んぼの中にある酒蔵ではないんですね。米を買って来ることで造っています。

秋田には『鵜養』という場所があり、小さな蔵でもいいので閉ざされた一つのモデルとしてもう一段階深いコンセプトでやってみたいと思います。

田んぼがあって土着した農ベースから、昔の江戸時代のサイクルを鮮やかに現実化してみたいですね。鵜養は庭のようにどこに何があるだとか、私の中にしっかりとしたイメージもあります。

記者:かなり興味深いコンセプトですね。昔から農夫の知恵は、気候や天候に左右されるので宇宙自然のメカニズムに長けていると聞いたことがあります。

農ベースに閉ざされた一つのモデルを作るということは、更に深く土地のありのままから原材料や作り方を生かすことで自然と繊細で違う個性を持つ日本酒が完成していきそうな気がします。

Q:  秋田特集ということで、佐藤さんから何かメッセージを頂けますか。 

佐藤:はい。私は日本の文化はとても素晴らしいものだと思います。それがナショナリズムに結びつくのではなくて。

境界線のあるアイデンティティーは、あくまでもお互いがお互いのいろんな文化を認め合う為に提示するものであったらいいなと思います。具体的なテーマやアクションで融合していくことを大事にしていけたらいいですね。

秋田の伝統文化、秋田という土地の文化を自分のアイデンティティを確認するひとつのきっかけにして頂きたいです。

記者:  ありがとうございます!自分の生まれ育った原点である土地の伝統や文化と繋がることで、自分自身を深く知れそうですね。

それが自信感となり自分の中にある境界線をほどいて、どんな人や物ともワクワクしながら出会うことを楽しめそうな気がします。

佐藤さん、お忙しい中貴重な時間ありがとうございました!
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佐藤さんの活動、連絡については、こちらから↓↓

●新政酒造 http://www.aramasa.jp/

●Facebook https://www.facebook.com/profile.php?id=100003962774688

【編集後記】

インタビューの記者を担当した風見と黒田です。半年前にリノベーションされたばかりの新政酒造さんはお酒のいい香りが漂う空間でした。

芸術的センスを持ち合わせ新政の経営にも生かされている佐藤さん。日本を代表する酒造から世界が注目する未来が容易くイメージできて非常にワクワク楽しみとなりました。 佐藤さんありがとうございます!

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この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。
https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36




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Morphie

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