会社より長生きな建物たち - Misread Footnotes .02


Misreading Chat, 今週は向井が Facebook の NVM 利用事例を、森田が GPGPU できない昔の GPU を紹介しました。

今回の例にかぎらず、Facebook の技術スタックはしばしばぶっとんだ展開を見せることがあります。個人的にいちばん慄いた事例は Sandcastle という内製 CI インフラ。リンク先のテックトークで, この内製 CI サービスはエラーを起こしたビルドサーバに SSH でログインしてビルドを直せるという衝撃の事実が明らかになります。さすがプロダクションにログインしてコードいじれた会社は違うな・・・と映画の中身を真に受けた感想を抱かざるを得ません、しかもビルドサービス固有のビルドサーバスケジューリングを実現するために、彼らのデフォルトのクラスタマネージャ Tapperware とは別に Jupiter というシステムを持っているそうな。狂ってるぜ。

森田が Reality Engine を紹介したのはオフィスの引っ越しがきっかけでした。先日まで自分のいるチームが入っていたビル、実は十数年前まで Silicon Graphics のオフィスだったのです。建物も往年の Silicon Graphics ワークステーションを模しており、よく見るとヘンな形をしています。この奇妙な建物から離れる記念に関連論文をひとつ読んでみたのでした。脱線して調べたトリビアによると、いまは初代シェフの名を関して Charlie's と呼ばれている食堂もかつては Silicon Graphics のワークステーションの名をとって Cafe Iris と呼ばれていたそうです。Computer History Museum の所蔵品には件のカフェのコップが含まれているとか。心の底からどうでもいい話ですね。

そういえば以前 Netflix の有名エンジニア Brendan Gregg が Facebook 本社で開催された @Scale カンファレンスに登壇した際、冒頭で「むかしこのビルのこの会議室で dtrace の話をしたもんじゃよ・・・」と懐かしがっていたのが印象的でした。かつて Facebook の本社ビルには Brendan Gregg の古巣である故 Sun Microsystems が入っていました。本社入り口にある Facebook ロゴの裏側には今でも Sun のロゴが隠れているのは有名な話

Facebook HQ

自分がいまいるこの新しいオフィスビルにも、十年後はまだ見ぬ景気のいい新興企業が入居しているのでしょうか。雇ってくれ!

リンク紹介

Misreading Chat を聴いている皆さんの興味がありそうなリンクを紹介します。

Uber のサイトに自社からの論文を一覧できるページができていました。彼らも Facebook に負けない思わぬ切り口の技術スタックを持っているのでそのうち一本くらい何か読みたいところです。

大学の課題で自作した path tracer を紹介する日記風記事。各ステップで特定アルゴリズムの実装前後のレンダリング結果が貼り付けられており、眺めるだけで楽しいCGの利点が発揮されています。

そういえば今回森田が紹介しそこねたモダン GPU のアーキテクチャはヘネパタの appendix (オンライン) でも読めます。日本語訳でのオンライン部分の扱いがどうなっているのか確認してませんが、多分読めるでしょう。英語に抵抗がない人は、show notes からリンクした NVIDIA Tesla の論文がだいたい同じ内容です。

MIT が Julia ベースの確率的プログラミング DSL を作ってました。

Misreading Chat の関連エピソードは 10 と 27, 確率型プログラミング言語が関数型勢的にどう嬉しいのかについて一席ぶちたい人は Erik Meijer のプロパガンダに目を通すと良いでしょう。

お手紙紹介

そうそう、 Metropolis-Hasting を「ハスティング」と読んでましたがどうやら「ヘイスティング」でした。

TruffleRuby 速い!なお Truffle ナントカが何か気になる人は Episode 07 をよろしくです。(宣伝のダシにしてごめん。)そして週末レイトレーシング、複数レイを飛ばすということは実はそう名乗らないだけでパストレーシングの本なのかもしれない。高橋さん万一読んでたら教えてください。

ではまた次回。


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