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[明石昌夫]SIAM SHADEの話

SIAM SHADEが売れるきっかけになったのも明石さんだと思いますが、1/3,そのアルバムにかかわった時の話も聞きたいです。

SIAM SHADEの話ね。してくださいってたまに言われますね。SIAM SHADEに関わった時のきっかけってのは知り合いが多くなくていいみたいな時に言ったみたいに、マキオさんっていうソニーの方が昔からの知り合いで、それをたまたま7thBluesのレコーディングの後にホーンセクションをやっていただいたお礼に東京スカパラダイスオーケストラのライブに行ったんですよね。そこの関係者席でそのマキオさんと再会して、その時に明石さんにね、関西人なんでね明石さんのこと明石さんって言うんですよね。増田くんもそうでしたけど。ぜひやってほしいアーティストがいるんですよね、ソニーで。みたいな感じ。それじゃあちょっと事務所聞いてみます、みたいな感じで言って、いいんじゃないっていう話になって、ちょっと事務所が体制変わったとこだったんで、それまでは絶対ダメだっていうパターンだったんですけども。ちょっと体制変わったんで、そこでいいんじゃないみたいな感じになったんで、それで大丈夫だからやりますよ、みたいな。そういうふうな感じでやり始めたのが、初めなんですけどもね。

一番最初に仕事したのが、そのPASSIONっていうシングルなんですよね。それもいっぱいいろんなデモテープを聞かせてもらって、その中でこの曲にしましょうみたいな。みんなで言うんですけども。僕はこれがいいと思います。じゃあそれにしましょう、みたいな感じなんで、プロデューサーなんで、それが曲選びから関わってるみたいな感じなんですよね。それでPASSIONっていうのを録った時に歌入れもやりましたし、ミックスも立ち会いましたしって感じなんですけども。全部のダビングに付き合ってはいるんですけども。なんでドラムのテイク選んだり、ベースのテイクも決めたり、そういうのも全部やったりしましたけども。それにシンセを入れるわけですよ。そのシンセを入れたことによってですね。ソニーの中で突然評価が上がって、マキオさんが言うと、すごいですね、一押しになりましたよ、みたいな感じ。僕よくわかんなかったんですけどね。その一押しっていう意味が。それですごい宣伝費かけてもらえて、有線でも流れるようになって、みたいな感じで、ちょっとこういい感じになってきたところで、1/3の純情な感情っていう。

あの曲はね。もともとの仮タイトルがね。ダイシンっていう名前だったんですよね。DAITAくんが作った新曲なのか、シングルなのかわかんないけどダイシンっていう名前で、僕が仕事をしてから2番目のシングルの曲出しをする時に、いっぱい聞いた時にそのダイシンっていうのを聞いて、これしかないだろうと僕は。なんでこれシングルに今までしなかったの?って言ったらいやSIAM SHADEとしてはこの曲はちょっとまだ違うだろうみたいなね。何が違うのかよくわかんない。きっとポップすぎる、そういうふうな意味だと思うんですけど。いや今でしょみたいな感じ、一押しになってるし、宣伝費もいっぱいかけてくれるしって感じ。なんでそうやって、るろうに剣心だっけね。タイアップが決まったりね。それで1/3はすごい売れたりするんですよね。

1/3はアルバムはSIAM SHADE ⅣとⅤと僕一緒にやってんだけど、Ⅳの方かな入ってんのは。ⅤはMy close friendで始まるやつだよね。アルバムに関わったっていうと、あの当時は48トラックのデジタルの1チャンネルから24チャンネル表チャンネルって、25から48チャンネルを裏チャンネルっていう言い方をしたんですよね。デジタルピンポンって言って、デジタル領域でテープからテープにこうピンポンっていうタビングができるっていう、そういうふうなのがあったんで、ドラムを録る時は10チャンネルとか12チャンネルとか使うんですけども。それを2テイク録って、その2テイクの中でどっちか、基本いい方を選んでですね。そこのフィルを差し替えたり、ちょっといろんな部分をこういろいろ差し替えたりして、それで一個作って、でできたら、もう1回その作った方じゃない方にもう1回叩いてそっからまたいいところをこうやって入れてみたいな、そんな感じで作ってましたね。もうそれは当時はドラムの作り方ってのはもうそれが主流だったと思います。メタリカもそんな感じでやってますね。メタリカのブラックアルバムのレコーディングのDVD見ると、6テイクぐらいで、これはこのテイク、これはこのテイクみたいな感じ。それでやってるので、みんなだいたいそうやってやってたりしますね。今だったらPro Toolsですごい簡単にできちゃうんですけども、当時はテープだったんですごい大変でしたね。

あとSIAM SHADEはね。とりあえず今思い出すことといえばですね。1/3あれはいろんなとこで若干ちょっと話はしてるんですけども。あれ普通にサビがあって、AがあってBがあってサビがあるじゃないですか。なんですけども、元々はサビがあって、ABでもう1回ABがあってからサビだったんですよね。なんだけど僕は当時のJ-POPっていうのはABと来たら必ずCっていう、ZEROはちょっと異例なんですけども。あれはもう売れてからやってますから。あれはもうそういう特性だし、ノンタイアップだったっていうなかなか実験的というか、攻めてたんですけどもね。なんですけども当時のSIAM SHADEはそういうふうな実験的なことやってる場合じゃないんで。その後1/3売れてからやりましたけど。変拍子やったりとか。その時はもう絶対ここはもうサビに行くべきだって。なんだけどデモテープが、ABABCだったんで、それにみんな聞き慣れてるから、やっぱなかなかそっから離れられないっていうのがあって。レコーディングの日に両方練習してきましたと、どっちも録れますと、両方録って決めてくださいっていうか、両方録りますって。いいよって、両方録って、でもABCがいいなみたいな。これはどうやって決めたのかな。僕強引に決めたのかな。明石さんがそう言うんだったらそうみたいな感じ、ディレクターの人がそういう風に誘導してくれたのか、そんな感じです。それで結局ABCになって、でもABABCだと、ABCと今だったらYoutubeで両方アップして、同時に上げてどっちが伸びるかみたいなのができるからいいんだけど、当時は1個しか作れないから、もうそれで売れたのかどうかわからないんだけども。最初にそのオリコン出た時に3位かなんかだったのかな。その時にそのボーカルの栄喜くんから電話があって、10位以内初めてだったから、ありがとうございましたみたいな、言われたことをやってよかったですみたいなこと。別に俺でもないんだけどなと思いながらそんなことは覚えてますね。

その後SIAM SHADE Ⅴ。そこの曲順で結構また揉めたんですよね。SIAM SHADE Ⅴの3曲目に入ってるやつ。あれのイントロって、アルバムのオープニングみたいなイントロじゃないですか。DAITAくん的にはあれをもう間違いなくアルバムのオープニングだっていうところで、あの曲を作ってるんですけども。僕はMy close friendって曲を1曲目にしたいと。それは何でかというと、アルバムが声から始まるってのはめちゃくちゃインパクトがあるっていうのは実はZARDで覚えたんですよね。「※音楽※」ってなんだっけな。なんかのアルバムで歌から始まるやつあるんですよ。それがすごいインパクトあるよねみたいな話があったんで。あーこれから始めたらかっこいいよなって言ったら、栄喜くんはこれはもう歌詞がもうファンの人のために書いたんで、って言ってこれが1曲目だとすごい良いですって言ってるんですけども。それ以外のメンバーは、もう絶対DAITAくんが言ってるかっこいいイントロのやつ、それが1曲目がいいって、そこですごい硬着して、俺はでもこっちの方が売れると思うんだけどな、みたいなことを言って、もう30分ぐらいああだこうだって言って。マネージャーの方がそういう風なことを言って、売れなくなった奴らを何人も知ってるしな、みたいなことを言ってくれたりもしたんですけども。最終的にはギタリストのDAITAくんじゃない方のギタリストのKAZUMAくんがですね。こっちの方は絶対に売れるんですかって言って、うん俺は売れると思うよって、じゃあそうしようぜって言ってくれたので決まったっていうね。そのエピソードはなかなか忘れらんないですね。

あとはもうSIAM SHADE Ⅴのマスタリングの時、その時に誰だっけな。マスタリングサウンドの今はチーフかな、どうかわからないけどもチーフエンジニア。当時はチーフじゃなかったんですけども。そのエンジニアの人にやってもらった時に、ものすごくいい音だったのでびっくりしたことがあって、Dreams(※注1)はⅤに入ってるんだね。Ⅴに入っててシングルの時に、まずは僕はバーニーグランドマンの日本の支店の前田さんっていう人が一番好きなんで、その人は小室さんだったり、小林武史さんだったり、つんくだったりその辺の人達もみんなやってるような。そういう若干むちゃくちゃ派手な感じの人が好むみたいな感じのマスタリングの人なんですよね。なんですけども。その人はものすごく音量を詰め込むんで、結構デジタルのノイズがすごく出るみたいなんですよね。僕はデジタルのノイズって、気にならないというよりは認識できないですよね。ノイズに聞こえないというか、ノイズだと言っているもの自体が聞こえないんですよ。認識できないっていう感じなんですけども。日本人特にソニーの人は多いんですけども。日本人の人はそれが嫌な人が結構いっぱいいて、その中でDAITAくんがどうしても嫌な人だったんですよね。デジタルのノイズが多いからもうこのマスタリングは嫌だ。その後でビクターの宮本さんっていうものすごく有名な、サザンとかやってるようなマスタリングだと、その宮本さんとその前田さんというのは両極みたいな感じなんですけども。その宮本さんのとこでやってもらって。なんですけども、あの人はスネアを元気にするっていうマスタリングなんですよね。でもスネア元気にすると声質変わるんですよ。なんで僕は嫌なんですよね。だから、きっと小室さん、小林さん、つんくっていうのが前田さんの方に行くっていうのは、あの人は声は変わんないんですよね。声はいじらずに周りを全部やるんですけども、宮本さんの場合はスネアをいじることによって、メインボーカルの声質が変わってしまうんです。僕にとってはそう思うんですよね。桑田さんがOKなんだからそれでいい、全然正解はないんですけども。好みの問題ないんですけども。

あー、そっか。最初にDAITAくんがいつもやってるところは何処って言って、宮本さんでやったんだ。僕がそこでリードボーカルの声と、後はコーラスとのバランスが変わっちゃうんで、なんでそれが嫌で前田さんのとこ行ったんですよね。前田さんのとこ行ったら今度DAITAくんがダメ出しして、もう一回宮本さんのとこ戻ったんだよね。そこでやったやつが製品になってる。その後それと同じ2ミックスのやつをアメリカに持っててニューヨーク持ってて、アルバム用にマスタリングした時にテッド・ジェンセンだ、その人にやってもらったんですよね。そうするとその1/3の純情な感情ってのは3つマスタリングがあるんですよ。宮本さんと前田さんとテッド・ジェンセンと。これがですね、テッド・ジェンセンってのはまず最初のギターの音がかっこいい。なんか知らないけど聞いた感じね。その後に歌が出た時の歌の魅力っていうか、色気っていうか、もうそれがめちゃくちゃすごいのね。しかも全体の音量が大きいんだよ。何の魔法を使ってるのかわかんないんだけども。いろんなマスタリングってのがほんとすごいですよね。そのテッド・ジェンセンって人はローリング・ストーンズからパット・メセニーから本当にもういろんなパンテラとか、いろんなものをやってる人なんで、そういう世界の超一流ともなるとですね。ちょっと違うな。スティーヴィー・ワンダー、マイケル・ジャクソン、ポール・マッカートニーのレベルですよね。キース・リチャーズね。ストーンズのレベルですよね。なんでなかなかね洋楽ですからね。日本人は真似してるだけですからね。なかなか難しいっていうか、すごい人はいますよね。人数も多いですしね。そんな感じです。

なんでとりあえず今思いつく感じのSIAM SHADE絡みの話っていうのはこの辺ですね。ありがとうございます。

※「※音楽※」は文字化できないため省略
※注1:動画内で訂正

Akashi Masao Official
https://www.youtube.com/@akashimasaoofficial9707

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