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超人機メタルダーを観ている

こよみは感激した。この感激を誰かに伝えたいと思った。こよみは、特撮を知らぬ。こよみは、サブカルの表層にわずかに触れるだけのオタクである。おえかきをし、とりとめのない労働をして暮らしてきた、しかし、熱い人間性を描く作品に対しては、人一倍敏感であった。

先日未明、超人機メタルダーのOP「君の青春はかがやいているか」を聴き、U-NEXTで配信されているアーカイブを見始めた。

メタルダーは今や特撮の主流である仮面ライダーの放映が終わった昭和後期の時代、その枠で放映されていたというメタルヒーローシリーズの一作である。

今年25である自分は、平成仮面ライダー世代であり、幼少期の「ニチアサ」は、仮面ライダー剣や響、電王を観ていた。
仮面ライダーシリーズは劇場版でクロスオーバーがあったりするので、「クウガ」の前には昭和ライダー時代があったことを知っていた。

でも、その間にあったメタルヒーローシリーズは存在すら知らなかった。
おそらく同級生20人に聞いても知らないというだろう。

で、メタルダーを観ているが、結果からいうと、すごく面白い。
今8話くらいだ。
トップガンダーが脱走し、バーロックが戦死した。
どちらも誇り高い戦士で、特にバーロックのエピソードは鮮烈であった。

ゴッドネロス軍団は一体無から作り出された生物・メカ郡なのか、既存の生物を改造したものなのかはいまいちはっきりとしていない部分であったが、バーロックの語りにより、少なくともモンスター軍団(だったかな)は人を素体にしていることが判明した。

元、オリンピック候補選手で、改造手術を受け…

しかし、マスクの下があまりにふつうにおっさんだったのでびっくりした。まだ生物や機械の境界、アイデンティティが曖昧なメタルダーだったから、ただ悲しんでいただけであったが、もし自分がメタルダーの立場だったら、殺し合いをしているのだという自覚が芽生え、完全に戦意喪失していただろう。いや、ムキムキマンとか人間っぽいやつらは最初から出ていたが…


メタルダーは、生まれたての純粋で無知な状態である主人公が自己を獲得する過程が首題であり、敵と味方の区別がはっきりでないのが美しいところだ。
ネロス軍団員にも色々おり、それこそ畜生のごとく怪物や愛に生きる醜い獣、誇り高き戦闘ロボットや元オリンピック候補選手もいる。

ただ素性で区別されるようなことはなく、ただ真っ当で誇りのある存在が、人間性をもって、人間と表現される。

EDの「コンピューターに天使/悪魔は宿る」という歌詞も相まって、この早い時代に「アンドロイドは電気羊の夢を見るか問題」に強く「YES」と工程している作品であった。(ブレランが1982なのでそういうSFが流行していた時代だったのかも)

まあ、とにかく面白い。
OPの冒頭でいきなり、流星が日本刀を抜き、荒波を切りつけるところ、こいつぁすごいぜ!のところ、真の男の熱い血潮を感じさせる作品である。


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