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#3 釉薬のこと。陶芸のはじめの知識

やきものには釉薬というものがかかっています。
釉薬とは?

お皿、お茶碗などのやきもの。

それらは表面はつるつるしていたり、
さらっとしたすべすべお肌だったり。
黄や青など美しい色がついていたり。
きらきらパールのようであったり。
金属のような雰囲気のものまで。
お茶碗の裏をみてみてください。普通、裏には土肌見える部分があります。

もし、釉薬がかかっていなくて
この土肌のままのお茶碗だったらどうでしょうか?

ご飯粒がくっついたり、がさがさして洗いにくかったり、
醤油など入れると土肌に染み込んで、汚れてとれなくなったりしそうです。
そんなことにならないように土肌にコーティングするように掛かっているのが釉薬。

◎ 土を焼く前は不透明で粉状のもの。
木の灰や鉱物などを細かくして化学的にガラス質になるように配合して水に溶かしてあります。これを釉薬といい、土を素焼きした素地にかけるとコーティングしたようになります。
バナチョコで例えると本体は素地でチョコレートは釉薬という感じでしょうか。
バナチョコはそのまま食べちゃいますが
やきものの場合はここで高温で焼成します。作品の種類にもよりますが一般的に1230度とか1250度とか。
そうすると釉薬の成分の一部と素地(土)の一部が反応して土と釉薬が一体化します。

◎釉薬は作品の素地の表面をなめらか(ではない釉薬もありますが)にして水漏れをしたり汚れたりするのを防ぐ(実用よりも表現を重視した作品ではそうでない場合もあります)。

◎釉薬は青や緑などの色。透明感や不透明感。つやつやしたものやマットなどの質感。それらに変化をつけて素地を美しく装飾します。

◎登り窯や穴窯で作った作品では釉薬がかかっていなくて土味を楽しむやきものや窯の中で薪の灰と土が反応して自然に釉薬になったものもあります。

※写真は2019年開催フィンランドの陶芸家ルートブリュック展より。
釉薬の表現がとても美しい陶芸家です。
https://rutbryk.jp

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