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統一教会報道に疲れはてたオウム脱会者は専門家たちを批判した【短信】

当記事に採録した聞き取りの完全版を『オウム真理教を信じた私は いま統一教会報道に疲れはてている』に追加しました。有料記事はインタビューの追加を重ね11,500文字を超えていますが、必要に応じ鮫島加奈子(仮名)の証言を増補しています。

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加藤文宏

 『マスメディアが標本化した宗教二世像に不信感を募らせる二世たち』を読んだ感想を鮫島加奈子が語ってくれた(証言は、意味を取りやすくするため本人の許諾のもと整理している)。

「オウム真理教を脱会した人たちが今どうしているかわかりませんが、旧統一教会の二世と同じように全員が別々の考えで生きていると思います。でも世の中はオウムも旧統一教会も信者や関係者は全員同じものと見られています。一般人はしかたないですが、専門家まで一人ひとりの違いを無視しています」

──安倍晋三氏暗殺から家庭連合追及がはじまって8ヶ月。あなたにインタビューした日から半年が経過した。いま何を思うか。
「二世の記事を読んで、私の勘は間違っていなかったと思いました。鈴木エイト氏がツイッターで自分をフォローしてくれと声かけしていたとき感じた違和感が、このまま恐ろしい騒ぎへつながっていきました。集まった人たちは今、自分の人生と関係ないからどうでもよくなっています」

──当事者意識の欠如か。
「もともと関係のない人たちなので当事者意識は持ちようがないと思います。鈴木氏だけでなく紀藤氏、有田氏は、よくわかっていない人たちに説明をする専門家ではありませんでした。片側しか説明していなかったことが『マスメディアが標本化した──」の記事ではっきりしました。『わーわー団』と呼んでいたのですが、わーわー興奮した人たちが後ろにいるから自分たちが正しくて怖いぞと見せかけていたのが、この騒動ではないですか」

──追及騒動は政治的なものだった。
「私は志位委員長の発言を知りませんでした。紀藤氏、有田氏はわかりませんが、鈴木氏はハシゴをはずされたり隠してもらっていたカバーを剥がされた気がしているかもしれません。騒動に集まってきた人たちは、自分たちが利用されたこともどうでもよくなって、何かあったときだけ『壺』と言う。でも騒動のとき、私はこの人たちがほんとうに怖かったのです」

 鮫島加奈子にとって安倍晋三氏暗殺事件後の統一教会追及劇は恐怖以外の何ものでもなかった。彼女は「こうした被害者」がいることから専門家は目を逸らし、『わーわー団』やカルト観察者たちは最初から踏みつけにするのが目的だったろうと語った。

 鮫島加奈子の証言は『オウム真理教を信じた私は いま統一教会報道に疲れはてている』ほか、下記の記事に収録しています。

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