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틸 더 팻 레이디 싱(Till the Fat Lady Sings)

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틸 더 팻 레이디 싱(Till the Fat Lady Sings)
作:오프(OFF)
【小説】全3巻



あらすじ

※RIDIBOOKS作品情報より
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背景/ジャンル:現代もの、高校→卒業後、シリアス

朝鮮総連系の在日朝鮮人が通っている朝鮮高級高等学校、通称「朝高」。
ある日、朝高の学生が国士舘高校の学生に校章のバッジを奪われる事件が発生する。

これは朝高生にとって、
朝高全体に対する略奪行為であり、敵対的行動として見做すべき事件である。

しかし朝高の学生会長ジョ・テジョン(조태정)は平和的解決を望み、
国士舘高の会長である後藤将暉(고토 마사키)にバッジの返還要求を伝達した。

ショーマンシップが強く、他人の関心を好む後藤将暉は、これを大人しくは聞き入れなかった。
そして二人は、バッジを懸けた一対一の対決をすることになるが……。

朝高全体のプライドを懸けた対決へのテジョンの冷静な態度。
そしてそれを迎える後藤の姿勢……。

果たして二人はこの対決で、どんな結果を手にするのだろうか。
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登場人物

※RIDIBOOKS作品情報より
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攻:조태정 ジョ・テジョン
朝鮮総連系の朝鮮高校の学生会“サンペン”会長。
自分には無頓着だが、他人には寛大な性格。
ボクシングの素質があり、習っていたことがあるが、大事件を起こした後は他人と戦うことを避けている。

受:고토 마사키 後藤将暉(ゴトウ・マサキ)
日本の保守派議員の息子。
ショーマンシップが強く、他人を支配しようとする性格。
大人の世界の規則を利用し、相手を攻撃する手口を知っている。

★CP表記:태정고토
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掲載サイト

◇韓国語:RIDIBOOKS、Aladin 等

メモ

タイトルの略称は뚱녀송(トゥンニョソン)。タイトルを韓国語にした「뚱뚱한 여인이 노래할 때까지」をもじった略称です。
作品自体は結構前に書かれたらしいのですが(調べても分からず…)、2016年に電子書籍として発行されたようです。

舞台は2000年代初頭の日本。
日本で生まれ育った在日朝鮮人のテジョンと、日本の保守派政治家一家の息子である後藤の出会いから描かれます。
育ってきた環境、周囲の目、性格、全てが正反対の二人がどうやって惹かれ(???)ていくのかというところが、基本的にはテジョン視点(時々テジョンの友人視点)で綴られている作品です。

内容に関してですが、この作品は読者からよく「BLの“L”が無い作品」と言われています。
その評判通り、確かにLが限りなく少ない(見えにくい)作品です。個人的にはLの無いBL(矛盾)が大好きなので、むしろ求めてたものが読めた!と思いましたが。
その一因として、受けの後藤がとにかくクズ野郎なことが挙げられます。
後藤のプロフィールから少し想像がつくかもしれませんが、一言で要約してしまえば所謂レイシストです。そんな後藤がテジョンに対してどんな態度をとり、どんな言葉を浴びせるか……。正直ここには書きたくないくらい、生々しくて汚い差別が続きます。
そんな後藤と対するテジョンの間に、恋愛感情や愛情が簡単に生まれるはずもなく。
しかし偶然の拗れや、切っても切れない縁ができてしまい、互いに(というか後藤が勝手に)執着していくことになります。
個人的にはこの関係性と、最後まで変わらない後藤の性格から目が離せなくて、全3巻を一気に駆け抜けてしまいました。

対するテジョンは、物事を穏便に済まそうとして却って反感を買ってしまったりと、少々世渡り下手な朴訥とした青年。目立ちたがり屋でよく喋る後藤とは、こういう部分でも正反対です。
テジョンは会ったところで苦い思いしかしない後藤に関わらないようにしますが、これは二人の物語なのでそういうわけにもいかず(それはそう)。
そして彼との関係を通して、テジョンは生きる上である決断を下しますが……
それがどんなものか、読んで確かめてください。
ちなみにラスト、ここで終わるの?!みたいなところで終わるのですが、でも結びとして非常に素晴らしくて。二人に相応しいラストだと思うので、この感覚も味わってほしいです。

冒頭にも書いたように日本が舞台で、東京近郊の地名が出まくるので、日本(特に関東)で生まれ育った私としてはある意味面白かったです。馴染みのある地名や人名を韓国語で読む妙味というか。
そういえば私がこの作品の感想をpostした時、韓国の読者の方が「この作品を日本人が…?」と驚かれていたのを覚えています。内容的に、互いの国の歴史や社会的状況を考えざるを得ないからでしょう。
でも私個人としては、日本人読者にこそ読んでみてほしいと思います。
ただBL作品だからカップリングや雰囲気がハマるかも重要だと思いますので…その辺を考えると強くお勧めはできませんが…私と好きな作品の傾向が似ている方にはお勧めしたいです笑

色々と書きましたが…。文体が少々堅くて難しいものの(これは韓国の方もおっしゃってました…笑)、全3巻で他作品に比べたらコンパクトな分量ですので、興味のある方は是非チャレンジしてみてください!

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