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오신(娛神)

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오신(娛神)
作:무휴여삼추(無休如三秋)
【小説】本編全5巻+外伝1巻



作品情報・あらすじ

※RIDIBOOKS作品情報より
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背景/ジャンル:現代もの/オカルト/伝来童話風ホラー

BLガイド
*こんな時に読んでください:刺激的な状況の中に隠れている、切々とした片想いと純愛の話が読みたい時。
*共感台詞:「どうしましょうか。世界がひっくり返っても、俺が貴方のために心臓を捧げても、貴方は変わらないのに」

作品紹介(抜粋)
※本作品はフィクションです。各種背景や設定はすべて架空のものであり、実在の人物や地名、機関とは一切関係ありません。
※強圧的、暴力的なシーンが登場するため、参考とした上でご利用ください。
※作品内のすべての思想は、作者の思想を表したものではありません。

*娛神:ムーダン(※注1)がクッ(※注2)を行う時、演奏や歌などで神を讃え、楽しませること。

JGグループの婚外子チョ・シノ(조신오)は、実子として認められるために大きな対価を払った。一族が祀る霊の生贄にされる手前でなんとか生き残った以降も、家のために数年間あらゆる汚い仕事を処理してきた。その中には、兄チョ・ミョンハ(조명하)の犯罪を隠匿する仕事も含まれている。

ミョンハに性的奉仕をしていた女優の死亡事件後、撮影所に彼女の幽霊が現れるという噂が広まった。シノは噂を沈めるために撮影所を訪ね、ボム・ヘヨン(범해영)に出会った。
シノにはソンガクシ(손각시、未婚女性の霊を指す)が取り憑いている。彼女はヘヨンを望み、彼に取り憑かせてくれれば、代わりにシノを解放すると約束した。

ソンガクシに唆され、結局シノはヘヨンにスポンサーを提案した。
しかしヘヨンは一筋縄ではいかなかった。
「俺は売春はしません」
ヘヨンは提案をきっぱり断り、その後も一貫して鉄壁だった。
シノは理由の分からない焦燥感に駆られ、へヨンを追うしかなかった。

※注1:ムーダン(巫堂)…朝鮮の巫俗信仰におけるシャーマンの呼称。
※注2:クッ(굿)…ムーダンが行う儀式。
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登場人物

※RIDIBOOKS作品情報より
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攻:범해영 ボム・へヨン
俳優。
物静かな眼差しと端正な顔立ち、澄んだ水のような気質を持っている。
ひねくれ切ったチョ・シノを一目惚れさせた罪で、望みもしない主演俳優の座を手にすることになった。
シノを憎みながらも、彼は当然に自分のものであるという想いを隠し持っている。

受:조신오 チョ・シノ(orシンオ)
JG ENM代表理事。
とある事故以降、幽霊が取り憑き人生がこじれた。
病が一進一退する中、どうにか財産を自分のものにして汚いチョ家から逃げようと、機会を伺っている。自分に取り憑いた女の幽霊に生贄として別の男を捧げるため、使えそうな男を見つけて接近する。
青白く、都会育ちらしい容貌。普段は疲労感の漂う無表情で近寄りがたいが、へヨンの前でだけは恋に落ちた男を演じるため、余裕を持って笑おうと努力している。臆病で欲深く卑怯であり、彼自身もそれをよく分かっている。

★CP表記:해영신오
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掲載サイト

◇韓国語:RIDIBOOKS、Aladin 等

メモ

2020年刊行。舞台は現代韓国ですが、朝鮮のシャーマニズムや民話などの要素が盛り込まれたオカルト色、ファンタジー色の強い作品です。
最初は現代韓国のホラーっぽい話かと思うのですが、だんだんと朝鮮時代からの数百年に亘る因縁が紐解かれていきます。

私が読み始めたのは夏だったのですが、夏だしホラー読もう!(ちなみに基本的にホラー苦手です。なのにどうして?)と思って手に取りました。
ただ読後の感想としては、ホラーというよりオカルトが近いと思います。
怖いシーンも確かにあるのですが、霊は主人公のシノにとって「普通に存在して見えるもの」なので、ホラー的に驚かされるようなことはあまり無かった印象です。
ただ朝鮮古来の民間思想や民話、それに由来する言葉、朝鮮時代の言葉遣いなど、外国人である私には理解が難しい箇所も多々ありまして。色々調べながら読むのは楽しかったのですが、同時に苦労もしました笑

そして作品紹介のあらすじ、説明の難しい作品だな…と思いながら訳したのですが。話の序盤をもう少し詳しく説明してみます。

受けのシノは元々文武両道で成績優秀、少し変わり者でお調子者なだけの明るい青年でした。
しかし大学在学時に実母とその再婚相手である継父を亡くし、実父の家であり財閥グループであるチョ家に足を踏み入れます。これがシノのその後を運命づけてしまったのですが…。
シノは婚外子という立場のために冷遇され、兄ミョンハの言いなりになって汚い仕事に手を染め、挙げ句の果てにはチョ家が代々祀っている強力な霊に生贄にされそうになります(こう書くとかわいそうすぎ)
しかも生贄未遂がきっかけで有象無象の霊に目をつけられ、体を狙われたりします。本当にかわいそうなのですが、霊にセクハラされてます。この辺はBLっぽい設定ですね。
ただ当のシノも環境に流される形で、元々持っていた卑怯で卑屈な性分を表していきます。正直シノも被害者ではあるのですが、女性を裏切ったり利用したりと、更なる被害者を作ってしまうのです。

そんな中、あらすじにある理由で攻めのへヨンに近づき、彼を惑わそうとします。
しかしへヨンはシノに反撃し、以降も徹底して冷たく振る舞います。これが本当に徹底して冷たいのですが……実は昔、シノは忘れてましたが二人は会ったことがあり、その時のとある事件のせいでへヨンはずっと複雑な憎悪を抱いていたのです。
そしてそれが、数百年前から続く因縁でもあり……この因縁の真相が綴られながら、物語はシノの転落人生の顛末を描いていきます。

この話の見どころは、なんといっても本編の結末。
先に言っておくと、ハッピーエンドではありません。そして本編中に合意のある性描写はゼロです。(合意はゼロですが性描写自体はむしろめっちゃありますし、なんなら特殊プレイだらけです)あと別の攻めもいます。
BLですが、Lの要素はかなり薄いと思います。
これらのキーワードで無理!となる方は迷わず回れ右した方が良いです笑
ただ私個人としてはこのラストが本当に心に残っていて、読了から数ヶ月たった今でもそのショックが忘れられません。
愛憎物の作品って最後には愛が勝ることも多いと思うのですが、この作品はそうではなく。致命的なネタバレはしたくないので是非読んで確かめてほしいのですが。

ちなみに外伝は、本編の結末でショックを受けた読者には少し救いになる話です。こっちはBLのLがちゃんとあります!笑
でも私は外伝も単純なハッピーとは言えないと思っていて……結局、へヨンとシノはどうすれば良かったのか?ということをずっと考えてしまいます。

説明も難しく、内容も外国人が読むには少々難易度の高い作品かもしれませんが、心に残ることは間違いないと思いますので、是非チャレンジしてみてください!

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