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Pizza 4P'sが太陽光発電システムを導入した3つの理由。レストランとしてのサステナビリティについて

先日、ホーチミンのシェアオフィス〈Publik Office〉が主催するイベント「Solar Saigon: How to Decarbonize your Business with Solar Energy」にて、Pizza 4P's Xuan Thuy店に導入した太陽光発電システムについて話してきました。

僕以外にも、CEIAのエヴァン氏と、AMPRESのタレック氏がスピーカーとして話していて、彼らのプレゼンもとても興味深かったです。ベトナムにおけるソーラーの現状や、今後いかにソーラーが普及していくかという展望やソリューションについての話でした。要は、初期投資なしでもソーラーが導入できるスキーム(PPAやリース案件など)が、今後爆発的にソーラーの導入案件を増やしていくとのことです。

さて、僕はどんな話をしたかと言いますと、5月末にPizza 4P's Xuan Thuy店に導入した12kWpの屋根置きソーラーシステムの話をしました。

さて、ここからはプレゼンの内容をざっくり共有します。

まず、今回導入したのはPizza 4P'sの2区にあるXuan Thuy店。合計32枚のソーラーパネルを設置し、発電規模は12kWpです。設置したのは5月末。

こちらは簡単なシステム図です。パネルがインバータにつながって接続箱につながって(以下略)・・・という話です。系統からの電力もそのまま使っておりまして、電力消費量の比率でいうと、ソーラーから10%程度、90%は系統電力です。

こちらは、ソーラー設置までのプロセスです。この店舗のオープンが今年の3月でしたので、2月中旬くらいから、ソーラー設置したいねという話が持ち上がりました。ということで、電気代、電力消費量、屋根図面などのデータを揃えて、EPC(設置業者)へ連絡。相見積もり、交渉、契約などを経て、ようやく5月末に完工したという感じです。今回の小規模なシステムだと、実際の現場での施工工事は2日だけだったのですが、中国からのパネルの輸入に1ヶ月ほど時間がかかりました。

電力発電量のデータは、全てモニタリングシステムから観測できます。

このデータに関しては、現在の最新のものを下記にアップします。これは2019年6月の月間発電量データです。6月の発電量は1160kWhでした。若干、予想より低いですね。

では、なぜ4P'sはソーラーを導入したのか?まずは経済的な理由です。純粋に、電気代の節約になるからです。今回の初期投資額はざっくり下図に示した通りですが、現在の発電予想を元に計算すると、およそ3年で投資回収できます。ソーラーパネル自体は25年は使えることを考えると、いい投資です。もちろん、実際の発電量が、発電予想量とかけ離れてしまうと、このシナリオは成り立たないので、設置したEPC会社とはプロダクションギャランティー(発電量保証)を結びました。つまり、予想量よりも実際の発電量が大幅に下回った場合は、その分をEPC会社が補填してくれるという契約です。

次の理由は、Pizza 4P's Xuan Thuy店のコンセプトです。この店のコンセプトには「エディテインメント」を掲げていまして、このお店で取り組んでいる様々なサステナブルな取り組みを楽しく伝えていくことを第一に考えています。その観点で考えると、ソーラーを導入するのはとても価値のあることでした。

何故かと言いますと、以前4Psのお客さんに聞き取り調査を行った際、プラスチックストローの廃止などに関してはポジティブな意見を聞くことができたのですが、一方「気候変動」という課題に関しては「政府が解決することだ」「自分に何ができるかわからない」など、問題が大きすぎてベトナムの人々はまだ自分ごととして捉えられていない印象がありました。

そんな中、人々にとって身近な存在であるレストランがソーラーを導入するというのは、目に見える形でのアクションとしてとても影響力のあることだと思いました。今回のソーラーは、レストランの電力消費量のたった10%をカバーしているに過ぎないのですが、それでもこれは気候変動に対する私たちなりの大きな一歩であり、同時に、レストランを訪れるお客さんたちがこれを見て、何か感じてくれたら嬉しいと思うのです。

そして最後の理由は、Pizza 4P'sは会社としてサステナビリティにコミットすることを決めたからです。Pizza 4P'sは会社のビジョンとして「Make the World Smile for Peace」を掲げており、その第一目標として2023年までに1000万人のスマイルを達成することを目指しています。この目標を達成する上で、サステナビリティは無視できません。世界が持続可能でなければ、誰も笑顔になれないですから。4P'sにとってサステナビリティは自社のビジョンを達成するための絶対必要条件なのです。

会社のビジョンと、サステナビリティの関係については、最近のIDEA FOR GOODの記事でも取り上げていただきました。

この会社としてサステナビリティを向上させていくためのシステムとして、4Psではサステナビリティのレベルを計測する仕組みを導入し始めました。

イギリスにSustainable Restaurant Associationという団体があるのですが、そこのレストランとしてのサステナビリティの定義を活用し、4Psの各店舗や部署のサステナビリティレベルを数値化しようというものです。社内ではSustainability Rating Systemと呼んでいます。

このシステムについては、また後日詳しく紹介しようと思いますが、今回導入した太陽光発電についても、この中の大カテゴリーの「Environment」のなかの小カテゴリー「Value Natural Resources」に該当するわけですね。つまり、ソーラーを導入したXuan Thuy店は、このカテゴリーのサステナビリティレベルが大きく向上したわけです。

レストランがソーラーを導入、とパッと聞くと「何故レストランが?」と思ってしまうかもしれませんが、4P'sとしてはちゃんとこういうサステナビリティの定義で、こういう評価システムを使いその中のこの位置付けでやっているんですよ、というのを説明できるわけです。ただ「サステナブルなことやってます」と言ってるだけよりも「この定義で」「この位置付けで」「これくらいサステナブルなんです」と具体的に説明できるべきだと思うのです。

以上、先日のイベントでのプレゼン内容のシェアでした。今後もPizza 4P'sではソーラーの導入を増やしていく方針ですので、楽しみにしていてください。





こんにちは。ベトナムのホーチミンに住んでます。Pizza 4P'sというレストランのサステナビリティ担当です。