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コンポスト可能なプラ代替パッケージ開発企業7社

前々回の記事では、デリバリーの包装素材をコンポスト可能なものへ切り替えようとしている話、そして前回の記事では具体的には「Home Compostable」な素材を探しているという話をしました。

仕事柄、定期的に世界中のパッケージ素材会社をリサーチしていまして、良さそうな会社(=Home Compostableな素材を開発している会社)には全てコンタクトしています。

本記事では、僕がコンタクトした中から、ちゃんと返事がきた会社、かつ優良そうな会社を紹介します。

1)CONVEX

こちらはニュージーランドのCONVEXという会社。Econicというブランド名で、Home compostableなパッケージ素材を開発しています。

コーヒー豆、茶葉、スナック、シリアル、精肉、野菜、などなど様々な用途向けのパッケージを開発しています。

家のコンポスターに入れて、ちゃんと分解されるみたいです。

既製品であれば小ロットでの販売もしているようなので、小さなカフェやショップでも簡単に購入ができるのが良いです。

2)Grounded Packaging

こちらはオーストラリアのGrounded Packagingという会社。郵送品、野菜、真空パック(肉など)、スタンドポーチ、ジッパーバッグ、コーヒー、スナック、手提げ、向けパッケージなど幅広い製品を揃えています。ものによってはIndustrial Compostableですので要確認です。

それでもほとんどの製品が、Home Compostableの認証を取得しています。

こちらの会社は製品によって最小発注数が異なるようですが、ほとんどの場合かなり大きめの発注数が設定されているので、それなりの使用量がないと難しいかもです。

3)World Centric

こちらはWorld Centricというアメリカの会社。食品用の包装パッケージをかなり幅広く取り扱っています。

Industrial CompostableとHome Compostableの両方の製品が入り混じっているので、ちょっとややこしいのですが、個人的にかなり気になっているのはコーヒーカップの蓋

植物性の素材で作られたフタで、プラスチックのコーティングもなし。コーヒーカップのフタってほとんどプラスチック製のものしかなくて、なかなかコンポスト可能な物を見つけるのが難しいのですが、これはいいですね。

現時点ではまだIndustrial Compostableの認証のみだそうですが、問い合わせてみたところ、ちゃんと常温でも土に還るとのことです。(サンプル届いたら、自分でもテストします)

4)Elevate Packaging 

こちらはElevate Packagingというアメリカの会社。前述の企業と同様に、コーヒー豆やスナックなどのコンポスト可能な素材を開発しているのですが、僕が注目しているのは、この会社がPure Labelsというブランド名で売り出しているコンポスト可能なシールです。

シールって、ほとんどHome Compostableな素材を見つけたことがありませんでしたが、この会社のシールは接着素材も含めてHome Compostableだそうです。

5)TIPA

こちらはTIPAというイスラエルの会社。生鮮食品向け、ドライ製品向け、アパレル向け、などなど色々な製品を取り揃えています。

なんか、僕が数ヶ月前にコンタクトした時よりも、かなり商品数が増えていますね。開発スピードが早くて良さげです。もう一度コンタクトしてみようかな。

6)Colombier 

こちらはColombierというフィンランドの会社です。this package is differentと銘打ち、水から作られた紙カップ用のコーティング素材を開発しています。

ほとんどの紙カップは紙だけで作られていると思いきや、実は内側にプラスチックのコーティングがあります。これは主にコーヒーなどを入れたときの熱や水分への耐性を高めるために使用されています。つまり、紙カップは土に還らないということです。

このColumbierが作るコーティング素材は、このプラスチックのレイヤーを代替できる素材。ただしこの会社は、実際の紙コップまで製造しているのではなく、BtoBとしてコーティング素材を紙カップの工場向けに販売しています。

7)Bio-Eco

こちらはBio-Ecoというタイの会社です。デリバリーやテイクアウト用のパッケージを主に販売しています。特徴的なのは、BioPBSというHome Compostableな素材を使ってコーティングされた紙パッケージを扱っている点です。

このBioPBSという素材は、日本の三菱ケミとタイのPTT社が合弁会社を作ってタイ現地で製造しているコンポスト可能な素材です。だこの素材が適用されている製品は限られているものの、今後多くのパッケージ製品に適用されることが期待されます。

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コンポスト可能なパッケージ開発競争は、これからも世界的に進んでいくことでしょう。

もはやバイオプラが自然環境では土に還らない、というのは周知の事実になりつつあるので、今後、自然環境で土に還るHome Compostableな素材は増えていくと思われます。

まだまだ価格は高いですが、需要の増加とともにコスト削減は見込めるでしょう。



こんにちは。ベトナムのホーチミンに住んでます。Pizza 4P'sというレストランのサステナビリティ担当です。